「フィキディンディア」
見覚えのない単語が携帯の画面に表示される。
「え?」
「フィキディンディアだよ」
返信すると、再度同じ単語が表示された。仕方なくスマホのインターネットで調べてみる。休憩中で良かった。
どうやらフィキディンディアとは、南イタリアで食べられているサボテンの実のようだ。
中は真っ赤で種が沢山あり、その種ごと飲み込むのだそうだ。近頃は日本でも流通されているらしい。
「南イタリアの果物みたいだね」
「そうなんだ? サボテンの実らしいね」
そうなんだ?とはどういう事だ。知らなかったのか。
「食べたいの?」
「いや、全然」
彼女は何を思ってその単語を送ってきたのだろうか。
了
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