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そっとしまう、似顔絵

これまで、6回ほど似顔絵を描いてもらったことがある。

最初は、とある大学の文化祭を見学しに行った時。ふらりと立ち寄った漫画研究会で、きれいなお姉さんに頼んだ。

おお! けっこう似てる! と、出来に満足して帰ってきたことを覚えている。

それから月日は流れ、社会人になり、SNS華やかなりし時代へ移り変わる。
似顔絵にはアイコンとしての機能が備わった。

残り5回はそんな時代(つまり割合最近)に描いてもらった。漫画家2名、本屋の店主、アニメーター、イラストレーターの計5名。

どれも私の特徴をよく掴んでいて、でも全部個性が違う。

まるで「デザインあ」のスケッチのように、同じものを描いても捉え方が異なるのだ。

あえて共通点を見出そうとするならば、漫画家とイラストレーターの方は良い意味で「補正してくれた」感じがした。絵でお金を稼いでいるから、サービス精神が旺盛なのかもしれない。

一方で本屋の店主とアニメーターの方は、なんというかリアルだった。写実とは違うのだけれど、補正が少ない。似ているというより、特徴をガツンと持ってきたというか。

同じ食材でも繊細な一皿と、素材を全面に押し出した料理は違う。そんな例えだとわかりやすいかもしれない。

なお、その違いが職業によるものだけなのか、年齢性別キャリアなども関わるのか。その辺りはまだまだ研究の余地がある。機会があったら、他の方にまた頼んでみたいと思う。

補正の有無は関係なく全て似ているし、どれも素敵な宝物である似顔絵。

どの自分をアイコンにしようか迷い、結局未だに選べないでいる。

SNS時代以前の、見せるのではなくそっと楽しむやり方を、もう少し続けようと思う。






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