ささやかな偏愛のススメ
自室を見渡すと、いつも部屋は雑貨や箱類でわちゃわちゃと賑わいを見せている。持って生まれた収集癖のせいで、カフェみたいな空間からはほど遠いけれど、悪くはない。好きで、かつ取るに足らないものたちを寄せ集めた、偏りのある部屋。
偏愛は、たのしい。感情を思いっきり注げる対象がいくつかあると、なんとなく精神が安定する気がするからだ。どこの世界にもあるネガティブなメッセージや駆け引きなんかに疲れたら、好きな世界に浸ろう。だから本日は、偏愛のススメ。
といっても、たいそうな愛でなくていい。床が抜けるほど本を持たなくてもいい。推しに財産を使い果たす必要もない(もちろんそれらをしていても自由)。身を持ち崩さず、持続可能で、ささやかに偏る。それが健やかに楽しむポイントです。
1.偏愛の見つけ方
自分には趣味も特にないよ、という人はいるでしょう。でも、多分好きなものって一つくらいはあると思うのです。たとえば、よく食べているものや飲むもの、ペットや花、文房具など。
その中で、一番よく親しんでいるものを思い浮かべる。なんとなくでも見つかったら、まずは満足感を持って観察する。また、今さら感があるかもしれませんが、Pinterestも偏愛を探す手がかりになるので、眺めると良いかも。
推しのことをにこにこ考えるだけでも充分楽しいですが、毎日それらを記録してTwitterやInstagramなどに上げるとなおよし。自分が対象に捧げた愛がくっきり見えて、とても報われる気がします。全世界に披露するか、鍵をかけるかはお好みでどうぞ。なお、人が対象の場合は非常にセンシティブなので、法律に引っかからない範囲で愛でてくださいね。
私の例でいうと、よくスープストックトーキョーに行くので、新作を食べるごとに写真を取り、ちょっとした記録をしています。
写真はうまいに越したことがないですが、まずはそこそこで良し。仕事じゃないから、嫌いな味のものは食べない。気合や無理はいりません。
毎日飲む缶チューハイの写真、余り物の包装紙で作ったブックカバー。ジャンルは問わないので、とにかくあなたの世界が見たいです。
2.偏愛は作れる
かわいいが作れるように、偏愛も後天的に作成することが可能です。大嫌いなものを愛するのは難しいですが(人の場合は逆転する場合もありますね)、大好きじゃなくてもいけます。偏愛活動をしているうちに、気になるあいつになるんです。
私の場合、それはさくらんぼです。元々幼い頃から好きなモチーフでしたが、大人になるにつれ興味も薄れていきました。
ところが、昨今のSNS全盛時代にそれを好んでいたことを思い出したのです。そこで、まずは昔集めたものをひっくり返すところから始めました。だんだん写真を撮っていき、それだけでは飽きたらなくなってエッセイにまとめて。そうこうしているうちに、それなりに深い沼に入っていきました。
2020年現在は、マイペースに「さくらんぼのある風景」をひたすらiPhoneで切り取っている最中です。
【さくらんぼについて書いたエッセイ】
【さくらんぼづくしのアカウント】
3.他の人の偏愛を知る
自分だけでこつこつ偏愛を積み重ねていると、ふと寂しさがよぎることもあります。それは秋風が吹くようなものです。問題はありません。
もしも孤独や無力感を感じた時は、他の人の偏愛を見に行きましょう。「私だけではない」と、励まされるはず。
ここで、私がウォッチしている偏愛さんたちを、ご紹介します。
偏愛界の星、niboshismさん。常に煮干しをストイックに上げていらっしゃいます。写真も美しく、お手本のようなアカウントです。
お次に紹介するのはRyokoさん。ハーゲンダッツのパッケージを撮られてます。蓋だけでもバリエーションが多くて驚きます。
居酒屋や和食店に吊るされている杉玉推しのアカウント。ここをチェックして以来、杉玉が目に留まるようになりました。
いかがでしょうか? 全部楽しさと愛が伝わってくるものばかりなので、おすすめです。何か素敵な偏愛アカウントを見つけたら、お見逃しなく。
さて、ここまで来たらぜひ1度、騙されたと思って偏愛ライフを始めてみてください。お金はあった方がいいけれど、そんなになくてもできる。不要不急の外出をしなくてもOK。
マニア王になんかならなくてもいい。ささやかな偏愛に少しずつお水をあげて、大切に育てていきましょう。
最後に自分のアカウントなど。
さくらんぼ偏愛のInstagram。
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