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上瀬谷を追うだがや1(質問書への市長からの回答を読んで)

上瀬谷の未来を考えよう会有志さんの『質問書』への市長からの「回答」を深堀してみた

読んで指摘しておきたいことを、まとめていきたいと思います。質問書・回答と別でわかったことも踏まえて、書いていきます。

🔶経緯について

山中市長が上瀬谷整備・博覧会推進室の職員と何度面会しても、何も理解していないのは、職員の怠慢か・市長の理解力に問題があるのかはわかりませんが、少なくとも組織の長として全くガバナンスが効いていないことは事実のようです。

市会で職員が事実ではないことを発言し、市長会見では回答を郵送したことすら答えられない…このような恥ずかしい状態が彼が任期を全うすればまだ3年は続くだけでも、(花博・財政問題・大型開発推進がなくても)不安で仕方ない気持ちになります。

🔶1 桜並木の伐採について の回答を読んで

桜並木について詳しくはこちら→亜梨子さん わたしだって 上瀬谷を追うよ!(Q&A) 

海軍道路の桜並木に関する懇談会の資料より 南北直線に走る海軍道路(A区間赤は環状四号線)

■海軍道路の桜の倒木等について

回答1-1には正確に記されていませんが、昭和51年に植樹されたのは図のC区間(植樹後46年)で、B区間(拡幅・桜全伐採区間)は昭和57年植樹の植樹後40年です。植樹時が何年目の若木かわからないため樹齢が正確にわからないから市会では何を言ってもOKなのでしょうか?
回答では「老木化が進んでいる」ということですが、台風による倒木は海軍道路に限らず横浜全域で起きており、瀬谷区もしくは海軍道路の被害が多いと読めるデータは全くありません亜梨子さんのnote参照)。海軍道路のように毎年樹木医健診をし危険木は除去していても、なお危険だと横浜市が判断するのであれば、市内の街路樹を全て伐採するより他ありません。

令和4年5/31常任委員会にて市議への配布資料をまとめたもの

市(上表)によると海軍道路では落枝や倒木による自動車への被害はH18年からH20年に5件起きたとのことです。うち3件は台風による倒木で、全てC区間(区域外・拡幅対象外)で起きています。B区間での2件の被害は落枝ですので比較的軽微な被害であったかもしれません。
物損のない台風による倒木は平成23年以降で5件。台風による倒木は合計7-8本起きていて、B区間では3本となります。近年増えていますので、B区間の危険木が増加傾向なのは事実かとは思います。しかし、B区間には居住区はないため人通りは少なく、C区間は住宅街のため歩行者も多く、より人的な危険性が高いのはC区間の倒木です。
植樹が6年古いC区間の桜を伐採対象とせずに、B区間(拡幅・桜全伐採区間)の桜のみ『老木化しており全伐採する』との市の主張が全く理解できません。「道路拡幅のために邪魔だから」という理由しか考えられません。

R4年7月 新たな桜の名所づくりに向けた基本計画(案)(左下青丸は筆者が付加)

最新の計画では、市は「だったら、C区間は道路拡幅はしないけど伐採する!(上図青丸部)」とも読める記載が入りました。(これまでも、C区間も危険木は伐採し、ヨウコウに植え替えられてきています。このことを言っているとは思います)
私が言いたいのは「なぜB区間だけを老木化で危険というの?どの区間でも、海軍道路でなくても、桜でなくても、街路樹は毎年しっかり健診をし、養生をし大切にしながら、危険木は植え替えつつ大事にしていきましょう!」ということです。

■市内の桜並木保全活動について

横浜市南区HP 令和4年の大岡川プロムナードレポートより

大岡川プロムナードでは、横浜市のいう”桜の木を伐採することを前提”とする言葉遊びの『再生』ではなく、まだ健全な桜を養生し大切にする活動を行っています。
まるで健全度の低い桜の植え替えのみを行っているかのような回答(1-2,3)は、ボランティア等で活動しておられる方々への冒涜で、非常に強い憤りを感じます。
植えたら植えっぱなしに出来る街路樹・桜の品種など本当に存在するのでしょうか。人間が植えた樹木を大切に養生していくのは義務ではないでしょうか。
大岡川プロムナード柏尾川プロムナード(戸塚桜セーバー)で行われているような、本当に再生活動を実践している方々を馬鹿にした回答だと私は感じます。

■桜並木の『再生』について

R4年7月 新たな桜の名所づくりに向けた基本計画(案)の意見募集要項

上図の新たな桜の名所づくりに向けた基本計画(案)は、執筆時点では、瀬谷・旭区の自治会例例会で市(上瀬谷整備推進課)から情報提供がされ、旭区の自治会さんがHPに載せたものしか確認出来ていませんが、8/1-31で意見募集が始まります。どうぞ皆様もご意見をお願いします!
しかし、右側には驚くような恣意的な✅欄が並んでいます。行政がこんなに分かりやすく公平性に欠けるものを市民に配布するのは、後に引けない何かがあるの?と感じてしまいます。このリーフでなくてもメールでも大丈夫なので、自由記述で意見をどうぞ宜しくお願いいたします。

桜並木を『再生』するとはどういうことなのか。このリーフを読んでも私には市のしたいことが『再生』とは思えません
横浜市は独自の造語(「深度化」等)を常用する傾向がありますが、『再生』という言葉は造語ではなく意味を間違えているので、市長にはまずは辞書を引いていただきたい。
道路拡幅のために桜を伐採し、違う場所に桜の名所を作ることは『再生』とは呼べないことは『再生』という言葉を辞書で引けば明らかかと思います。

■拡幅方法の検討「桜全伐採ありき」?

上記のsk2zさんtweetのように工夫すれば、桜並木を温存し道幅も計画と同じままで、両側2車線+自転車専用帯にできるという指摘をし、『今の拡幅方法を計画するにあたって桜並木を残すことを検討した経緯はあるのか?』という質問(1-4)ですが、全く関係のない回答です。伐採ありきでスタートし、残す検討すらしていないということなのでしょうか?
桜を全伐採し新たに植えて儲かる人たちとっては、並木を残す計画なんてあってはならないですよね。

🔶2 上瀬谷の自然について の回答を読んで

■相沢川は暗渠化を回避できる?

2027年国際園芸博覧会に係る環境影響評価方法書(R4年4月)より 博覧会計画図

花博会場での相沢川の地上部は、博覧会協会や市のの曖昧な表現もあり最近になって面積が増えたかのような印象の方もおられるかもしれませんが、問い合わせたところ地上部が増えたわけでははありせんでした
実は花博会場の相沢川の地上部は「水辺空間の保全・活用(上図)」として当初から計画があり、今になって暗渠化が回避されたわけではないことを問い合わせで市も認めました。
本来の流れよりも少しずらして切り回す計画は変更ないようです。

(仮称)旧上瀬谷通信施設公園 基本計画(案)(R4年6月)より ※全面利用開始は21年後を予定

公園整備事業の計画はゆるふわ過ぎたのですが、ようやく少し具体的に記載され、相沢川の地上部が載った図と20haの公園エリア拡張の発表も併せて記者発表されたのが6/2(上図)です。念のために「公園整備では花博後、相沢川を蓋するつもりだったのか」問い合わせましたが、やはり公園整備でも花博の水辺空間は存続させる計画だったそうです。
図のガーデン1が相沢川による水辺空間になります。

とはいえ、まだ相沢川が花博・公園エリアでどれくらい地上部として残せるかははっきりと決まっておらず観光・賑わい地区での暗渠化計画は1ミリたりとも後退していませんテーマパークが来ることに備えて暗渠にする計画が推進されている状態です。
観光・賑わい地区に『誰が?何を創るか?』を決めるために、市はこれからサウンディング調査をします。まだ何も決まっていないけど、とりあえず水田と畑を埋めて、川を蓋して、全ての樹木を切り、真っ平にしておくことだけは市は決定しているようです。整地をやめるように、せめて『誰が?何を創るか?』決定するまでは、整地しないでおくように市に声を届けていただきたいです。

■相沢川の本当の姿と谷戸(やと)の重要性

カワニナ(源氏ホタル幼虫の好物)と相沢川から引き込まれた水路(左下にちらっと)

相沢川そのものは3面コンクリート張ではありますが、相沢川から引き込まれた農業用水路があります。この水路には西側台地の至る所から湧水が染み出し、淡水シジミやカワリヌマエビ、カワニナ、プラナリア、ミズムシ、サワガニなどの水生生物が生息しています。3面コンクリート張になる前の相沢川の本当の姿がうかがえます。(この水路に染み出す湧水について市は把握していない可能性があります。(問い合わせ中)切り回しルートから大きくずれる湧水域となりますので不安です。)

この水路は相沢川流域の大谷戸にあり、大門川にも大谷戸が存在しています。大雨になった時は谷戸が吸収し下流域の洪水を防ぐ役割をしてきました。たとえ今、3面コンクリート張だとしても谷戸の存在価値は大きく、両川の谷戸が完全になくなることから、下流域(南瀬谷)や両川が流れ込む境川への影響は非常に大きいのではないかと心配の声を聴きます。

■大門川の暗渠化は不可避?

横浜市 旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 P2-15 図2.3-10 市境ラインが境川

大門川は、海軍道路西側の地区を南北に貫く川です。現在は3面コンクリートになっており、農業用水にも利用していないため、地権者の平坦な農地が欲しいという要望通りに暗渠にするそうです。
このエリアのほとんどを占める農業振興地区は、花博にもテーマパークにも関係がなく、ほぼ民地のエリアでもあります。大門川を暗渠化するのも、平坦な農地にするのも、地権者と市の話し合いだけで決まっています。相沢川であれば、新たな事業者が暗渠にせずに残すという英断をする可能性はゼロではないですが、大門川の暗渠化は市が主導しており、かならずその言い訳に地権者を使っており、民地エリアのため見直しは厳しい状態に思えます。しかし、大門川は営農地に流れる川であるので、最も不必要な暗渠化であると私は考えます。
そもそも民地ですので、土壌汚染の除去と水道敷設以外は市に関係がないはずですが、なぜか肥えた土地をわざわざ入れ替え、農地・農道も全て一度潰し、平坦に大造成します。
見るからに宅地造成なのですが、市は地権者は営農を続ける意向と頑なに強弁しています。費用は地権者も保留地減歩で負担(地権者の土地の一部を造成の費用として充てる)するそうです。
「起伏があると農業作業がしんどいから、せっかくしてきた土づくりを一旦全部捨てて、土地を平らにしたい」という農家さんたちが、費用負担に合わせて減歩(所有地が減る)され、市に農地を市に割り当てられ、営農を続けるということのようです。
市が保留地として売却するエリアはどのあたりなのかは、市はまだ決めていないとのことです。西端の道路も海軍道路も拡幅され、新しくアスファルト舗装の農道を敷設し、スマートインターも出来るので、地価はあがりそうです。
農業振興地区ではありますが、農地として保留地売却は出来るのでしょうか。”振興”として農大誘致の話を耳にしますが、市は認めませんでした。

テーマパーク・花博に気をとられていますが、市の本丸はこのエリアの宅地整備(そもそも市がするのがおかしい民地の開発をしていることへの目くらまし)なのではないかと思えてきます。
花博は主に国有地で行い、テーマパーク(観光・賑わい地区)と宅地造成(農業振興地区)は民地が混ざる場所で行われるのも、お金の匂いしかしてこない。。。
周辺地域の皆様にとって便利になるのであれば、赤字にならないなら良いという考えもあると思うのですが、市税投入がどれくらい回収されるかは全くの不透明の状態であることは間違いありません。

土地区画整理事業 事前評価調書(案)より※追記8/2

※追記8/2>区画整理事業の事業費は 上図の事前評価調書(案)では約766億円で一部国庫補助あります。今年度は59億円を計上しており、工事費730億円との報道(事業計画の縦覧による)がありました。
スケジュール通りなら令和15年以降に保留地が処分されます。保留地が予定通りに売却できることを前提に走り出す計画です。予定通りの売却益が得られなかった場合、誰が補填するのか…地権者さんの減歩を増やす??ほぼ間違いなく血税で補填することになると思います。

■川と湧き水と調整池

○調整池について

横浜市 旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 P2-15 調整池と河川切回しルート

私は雨水だけでなく湧水を引き込むための池と思っていたのですが、問い合わせた結果、市の見解は違いました。
「湧水は調整池に引き込みません。湧水を引き込むことを目的とした施設ではなく、 集中豪雨などの際に雨水を一時的に貯めたり、河川への流出を遅らせたりして、 河川水位の急激な上昇を防止するための施設です。」

調整池は必要ではあります。市は再三『吸水性の高い舗装・造成をしていく』としていますが、壊す前の大自然の吸水力に比べると大きく劣り、下流域どころか造成後の上瀬谷通信跡地が水害に見舞われないか不安になります。
それとは別に驚いたのが、調整池に湧き水を引き込まないということです。では「湧水はどうなるのか?」の回答が下記です。

「湧水の各地点でどのような工事を実施するかは現在検討中ですが、造成工事による裸地の早期緑化や、 透水性舗装の採用等の適切な環境保全措置を講じるとともに、湧水環境の創出が図られるよう検討します。 なお、対象事業実施区域内の範囲においては帯水層を遮断するような土地の改変は行わないことを 原則としています。また、土地又は工作物の存在及び供用時においては、 地下水の汲み上げに係る事業活動は行われないこととしています。 今後、予測の不確実性を踏まえて適切な事後調査を実施します。」

湧水1-5の今後について市の見解

要するに、何もしないそうなのです。帯水層を遮断しないし、利用もしないから、湧水はそのままにして置くそうです。舗装と造成で雨水の大地吸収が減るため「どうせ湧水はなくなっていく」と判断しているのでしょうか?

○堀谷戸川と湧水について

旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 図 9.7-1 湧水、河川流量等調査地点


堀谷戸川
は源流域二股に分かれ、区域枠に沿うように流れています。二股のため調整池も1と2があります。
図のとおり区域内の近い位置に湧水1-3がありますが、市に問い合わせると最初は「堀谷戸川の源水域は区域内にない」との回答で、おかしいと思い「湧水1-3について」問い合わせを重ねたところ下記の回答になりました。

湧水1 堀谷戸川への流出が認められるため、堀谷戸川の水源の1つであると認識しています。
湧水2 掘り込み池の状態となっていて、堀谷戸川への流出は認められていません
湧水3 堀谷戸川への流出が認められるため、堀谷戸川の水源の1つであると認識しています。

堀谷戸川と湧水1-3について市の見解

○和泉川と湧水について
和泉川
は源流域が区域内にあります。
調整池4も地上式(花博の右下側のエリア)に計画を切り替えていていくことは決定していますが、具体的な計画はこれからだそうです。
近くの湧水4-5について問い合わせ結果は下記になります。

湧水4 掘り込み池の状態となっていて、和泉川への流出は認められていません
湧水5 和泉川への流出が認められるため、和泉川の水源の1つであると認識しています。

和泉川と湧水4,5について市の見解

調整池に引き込まないまでも、川に流れ込むルートを確保することと、川へ流れ込んでいなくとも湧水の環境を変えないようにすることは最低限行っていただきたい。(流れ込んでいないとする湧水2と4も雨期には源流になると思うので、川へのルートは必要でしょう)
しかしながら、暗渠をともなう造成をするにも関わらず、相沢川の湧水を図に記載していないことからもいい加減な計画であり、図にある湧水ですら正確に把握していない恐れがあり、乱暴な開発が行われないか不安になります。(源水域が北側至近にある大門川には湧水が本当にないのか不安になります。)

■樹木伐採について

2027年国際園芸博覧会に係る環境影響評価方法書より(R4年4月)より 博覧会計画図

回答では再三「博覧会整備にあたっては既存樹木を活かして」と書かれていますが、伐採せず残されるのは上図の右下にある「既存樹林地の保全」エリア(瀬谷市民の森から区域内にはみ出す森林部)だけになりそうです。

樹木に対する問い合わせへの市の回答は下記でした。
「基本的に跡地内の樹木は全て伐採すると考えてもらって良い」

樹木の総本数など問い合わせているのですが、「国有地ならわかるかも」とのことだったのですが、まだ回答がありません。概算でも出せないか何度か問い合わせましたが、本数についてはまだわからないと繰り返し回答されました。

東京ドーム約3.8個分の神宮外苑地区で約千本なのですが、東京ドーム約52個分の上瀬谷では一体何本の伐採になるのでしょうか。市は把握しようともしていないようです。

🔶3 土壌汚染について の回答を読んで

■昨年度の防衛省追加調査について

回答3-1-1,2によると、令和03年10月15日-令和04年03月15日の防衛省のボーリング調査は深度1mより深くに埋没物がある可能性がある地歴の土壌を対象とする追加調査だったそうです。調査結果は回答の段階ではまだ未公表のようです。(目途を書くということは絶対にしない横浜市)
この防衛省調査は土壌汚染対策法ガイドラインの枠を超えて深度1m以上も調査したとのことですが、調査区画は地歴から決めているのは変わっておりません。違法だと思って隠す時に、地歴上見つかりやすい場所に隠すでしょうか?

■調査対象は地下深度が浅い

毒ガス兵器の埋没は可能性の話ですが、防衛省の土壌調査では国有地66カ所、民地20カ所で鉛・ヒ素・フッ素が検出されております。地歴から汚染の可能性の高い場所を、土壌汚染対策法ガイドラインに沿った地下深度まで調査して検出されています。

🔷最初の報告:汚染土壌56カ所は0-0.5mまでの土壌調査
令和2年7月に市が受領した報告は汚染土壌56箇所で、0-0.5mまでの土壌調査の結果が下図になります。
(0-0.5mまでに汚染が見つかった場合はより深く調査してはいます)

令和2年9月 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業環境影響評価 補足資料(方法書諮問)

🔷追加の報告:汚染土壌10カ所は0.5m~1.0mの土壌調査
令和3年10月に横浜市が環境アセスで報告した防衛省の追加調査結果では、下図の「調査対象地」とされるエリア(海軍道路西側・農業振興地区の3ブロックしかない国有地の一つ)だけを調査し、汚染土壌は9カ所※も増えました。この追加調査は深度0.5m~1.0mで行われました。
※増えた10カ所のうち残る1カ所も、深く調査し見つかっています。

旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 資料 審査会-107

一度行われた地下深度は0.5mまでの調査では見つからなかったのに、建物撤去後に1mまでの再調査をしたところこの小さなエリア(834.56㎡:全体の0.0345%の面積9カ所も汚染追加で検出されました
土壌汚染対策法ガイドラインに沿った調査は地歴で絞り込まれたエリアだけをしているだけでなく、地下深度も足りていない恐れが高いと言えます。
やはり、全域かつ地下深い場所の丁寧な調査を行う必要があると考えます。

■土壌汚染対策法について

土壌汚染対策法は、奇しくも神奈川県寒川町で旧日本軍毒ガス工場跡と知らずに道路工事をしていた作業員11名が毒ガス被災事故のあった2002年に成立しています。(毒ガス兵器は戦時中の時点で国際法違反)

寒川町HPのA事案区域情報提供より

とはいえ、土壌汚染対策法は毒ガス弾のように人間の殺傷を目的とした物が埋没している可能性を考慮して成立しておらず、事業による悪意なき副生産物等の漏洩を前提にしています。工場操業による汚染の場合、どこがどのように汚染されているか想定できるので、調査箇所を絞り込めます。
土壌汚染対策法は、地下深くに隠し埋められていたり、その埋没物が高い殺傷能力を持つ毒ガスであることを前提としておらず、「土壌汚染対策法ガイドラインに沿って対応している」と横浜市が連呼しても不安が拭えません。

■環境省の毒ガス兵器への見解

回答3-2-1~3によると、平成17(2005)年、環境省の検討会では「現時点では対応を行うべき必要性は認められていない」されたとのことですが、上瀬谷米軍施設の返還は平成27(2015)年です。
その後も「何らかの新たな情報が判明しない限りは、特段の対応は不要」とのことですが、戦後すぐ接収されたのですから、新しい情報など座して待っていて来ることはないでしょう。
環境省のいう「新たな情報が判明」が、土地区画整理が本始動した後の事故や健康被害にならないかを心配しているのです。

■横浜市と防衛省の土壌汚染に対する怠慢

旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 資料 審査会-108より*青丸は筆者が付加

防衛省の調査結果とする資料には”「上瀬谷(28)土壌調査 報告書 平成29年3月」より”(青丸部)という記載があります。
回答3-3によると、横浜市はその調査報告を3年以上経った令和2年7月に受領したことになります。報告を受けない間も跡地関連の環境アセスは進んでいました
『平成29年3月の報告書』を踏まえて、事業計画も環境アセスも出来なかったことになり、横浜市が問い合わせもせずに事業計画を進めていたとすれば、こんなにいい加減なことはありません。
国から受領が遅れた理由「調査期間が複数年に及んでおり、途中結果は受領せず」ですが、平成29年3月以降も調査を続けたとの読める資料を目にしてはいないため、事実かどうかはわかりません
たとえ途中結果だとしても、存在していた報告書(上瀬谷(28)土壌調査 報告書 平成29年3月)を防衛省が横浜市に伝えていなかった事実は重いと考えます。

■有機フッ素化合物があるかについて

神奈川県HP 有機フッ素化合物に関するQ&A より

回答3-4-1,2によると、市は汚染土にフッ素がどのような形態で存在するのか把握しておりません。「国に確認しながら、必要な対応」とのことです。
こちらは、その汚染土の回復処理方法に関わることです。形態がわからないままで適切に処理できるのか、どのように進めていくのか公開していただきたいと切に願います。口先だけの「適切に対応する」は信用できません。

■汚染土と発生残土について

追加調査の結果もこれからで、調査区画も、地下深度も足りていない可能性がありますが、今わかっている汚染土だけで1.6万㎥(運搬車2700台分)にもなります。
それとは別に汚染されていないとする残土は約71万㎥(運搬車約12万台分)も出る計画です。(そもそも全ての樹林・草地・谷戸・川・農地を全部潰すこれほどの大造成をやめれば残土は約71万㎥も出ないのですが、12万台の運搬車数を支える地元の交通状況も憂慮されます。)
安全を確認しなかった残土が全国に運ばび出されていくことがとても不安ですし、汚染土が安全に処理されるのか(除去は非常に困難なため)不安です。
残土受け入れ先に「必ず告知する必要があるとは考えていません」と”必”を2回使用し回答(3-2-1~3)していますが、法的には問題がないのでしょう。「安全な残土だと信じて受け入れたのに…」とならなければ良いのですが。

■汚染土壌の処理方法について

旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 図9.9-7 国有地における汚染土壌の確認位置と土地利用計画及び切土・盛土の関係

🔷汚染土壌の除去方法
ほとんどの箇所は掘削除去法で行われる予定』との回答(3-6-1~3)です。
1カ所・深い位置で見つかった汚染区画(上図の深度8m,9m位置で鉛の地点)は掘削除去になりません。今年3月まで行われていたボーリング調査も、仮に深い場所で汚染土壌が見つかった場合は、掘削除去以外の方法になるかもしれません。
掘削除去法ではない方法は、汚染を現位置保存しコンクリートなどで蓋をする方法です。評価書を読む限り「そこを道路などにしてしまえば危険はないでしょう」という考えのようですが、目先の人間だけの都合で判断しているなと感じます。

🔷汚染土壌の運搬方法と処理・処分方法
スケジュールは決まっていないが、運搬と処理・処分は「土壌汚染対策法ガイドラインに準じて行う」とのことです。(回答3-6-1~3)

■汚染土壌対策の責任は国?市?

回答3-5-1~3によると「土壌汚染そのものは国の起因だが、事業者である横浜市が対策をし、費用負担は国がする」と調整したとのことです。

その国が負担する費用は実費ではなく国有地を保留地として市に引き渡す形とすることになったそうです。
汚染対策だけでなく、国有地の売却の実務まで横浜市が負うことになり、想定した費用を賄えるのか等、不安が募ります。
いつも横浜市は国の直轄地のようにただ”言うこと聞く”存在ですが、「めんどくさいことは横浜市が対応してね」とまた国に言われたのでしょうか。

仮に、事業中に毒ガス弾による事故や汚染による健康被害が出た場合の責任はだれが背負うのでしょうか。
花博の開催による赤字は、山中市長は任期が終わっているので、逃げ切るつもりでいるかもしれないですが、事故は山中市政で起こる可能性があり、今のようにノラリクラリ名前貸しのつもりで市長をやっていけるとも限らないのではないでしょうか。
何が起きても「職員が適切に対応する」と答弁してきた山中市長ですが、彼がいつ適切な仕事をするのか、そんな日は来ないのか。「林(前)市長は原稿を棒読みしている」と批判して当選した彼が原稿の棒読みをやめる日が来るのか。まだ3年も彼の任期は続きます。

🔶4 交通インフラについて の回答を読んで

■横浜市は上瀬谷ラインをまだ諦めていない?!

令和2年3月31日「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画」より

「新交通システムの運行は、公営又は第三セクター」(回答4-1-1)が必要要件ということは、残る可能性は
①横浜市交通局(横浜市営地下鉄・バス)
②横浜高速鉄道(みなとみらい線・こどもの国線)
③新しく三セク鉄道会社を設立
④シーサイドライン社が引き受けてくれるまで粘る

ということになります。

①横浜市交通局案は、上瀬谷ラインが地下鉄と連絡する計画ではないことや、バス・地下鉄もコロナ禍での不安定な経営も続いています。横浜環状鉄道の目論見もある中で、上瀬谷ラインに関わるのは現実的ではない…?

②横浜高速鉄道案は、コロナ禍で経常利益が赤字転落して戻せずにいます。有利子負債が約1200億円超
住民・地権者だまし討ち(詳細記事)のみなとみらい線の車両留置場工事(港の見える丘公園の真下に巨大トンネル・2019年度計画で事業費150億円規模)も3月に再開したばかりです。こちらは不可能か・・・

みなとみらい線 財務情報-業績ハイライトより抜粋

③新しい三セク案。。。元々、この案がとん挫したから、シーサイドライン社に急遽依頼わけでしょうし・・・

④シーサイドライン社案にまた戻ってきてしまいました。今は、横浜市としてはこれしかない状態のようです。
昨年、依頼を断った時の三上章彦社長(市から天下り)は退任し、今年4月からは猪俣宏幸社長(市から天下り・元政策局報道担当部長)です。
シーサイドライン社は借入残高は約74億円で、今期は経常利益も黒字に戻りました。

いまの計画は盲腸線で、テーマパークが破綻した場合に持続的経営が難しいものです。
せめて、観光・賑わいゾーンに誰が何を創るか決まってから、本当に必要かどうか含めて、もう少しまともな路線計画を引き直す方が良いと思います。

■横浜市はテーマパークに無関係なのに多額の血税が流出?!

テーマパークについての横浜市の回答(4-1-2)は「旧上瀬谷通信施設まちづくり協議会から相鉄ホールディングス株式会社にテーマパーク検討を依頼し、(中略)令和3年3月に同社から検討を断念したと報告があり」とのことでした。

テーマパークついては”まちづくり協議会”と”相鉄”が検討し、横浜市はその報告を受けていただけとの立場のようです。そのような立場で、真っ平にするためだけに区画整理事業に多額の支出をするというのです。
何度も何度も書いて申し訳ないのですが、観光・賑わい賑わい地区は「誰が何を創る」のか決定するまでは、今のままの大自然の上瀬谷のままで良いのではないでしょうか
「誰が何を創る」かによっては、せっかくした区画整理が結果的には、本当は不必要だったり、過剰な自然破壊になってしまう可能性もあります。
大自然を生かしたテーマパークを創る事業者が現れないとも限らないのに、横浜市は前もって真っ平にする事業を進めています。
(*この件は下記「6 暮らしやすいまちづくりについて」でもう少し深掘りします。)

■瀬谷は車とバスとトラックで大混雑?!

2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案) - 国土交通省HPより
2027年国際園芸博覧会基本計画案(2022年7月)より

花博来場の方法は、上瀬谷ライン敷設が前提で、公共交通機関(上瀬谷駅と大和駅・長津田駅・町田駅・南町田駅など)を47%と試算していました。
そして、上瀬谷ラインが間に合わないので、瀬谷駅からもシャトルバスを中心とした輸送に変更になります(回答4-2)。下記に整理していきます。

2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案) - 国土交通省HPより

🔷駐車場(全5000台規模)
○花博会場横に大自然を壊して作られる駐車場(3000台規模)
○町田と戸塚あたりの10㎞程離れた地区に駐車場を2カ所(2000台規模)

※横浜市の自家用車ピーク予測は13470台なので、ピーク日は8470台分駐車場は足りていません。(大型バスを考慮せず)
協会としては、花博は1日中楽しめる場所ではない見込みなのか、来場者は入れ替わるので駐車場も入替回転するので問題ないとのことです。
(下記、kuniさんの問い合わせをご確認ください)

🔷シャトルバス(規模は不明。想像するだけでも渋滞しそう)
○パークアンドライド計画 
駐車場2カ所
町田と戸塚あたりの10㎞程離れた駐車場からシャトルバスで来場者(自家用車2000台だと6000人で試算されています)を輸送

2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案) - 国土交通省HPより

○周辺駅からのシャトルバス 
瀬谷駅・三ツ境駅・大和駅・南町田駅・町田駅・長津田駅・新横浜駅・横浜駅などからシャトルバスで来場者(ピーク予測47800人)を輸送

2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案) ※新横浜・横浜駅は地図上にはないです

🔷その他
○大型バス 休日平均320台(11,200人)予測
*大型バスは1日10万人の上限予測では一番少なく試算されていれて、横浜市の試算のいい加減さが際立つところ

○徒歩・二輪(自転車・バイク) 4%(1900人~4300人)予測
上瀬谷駅がなくなったので、車・バスに乗らない人は予測ではこの4%のみです。来場の96%が車かバスに必ず乗ってやってくる予測です。

赤字による博覧会の財政破綻が報道された、まだ開催中のオランダ・アルメーレ花博の平日の全入場者が2000人程だったとの報道もありました。(アルメーレは4輪禁止なのではないのですが、アクセスも上瀬谷と違い良好なのですが…)
ちなみに、アルメーレ花博もコロナ禍でリスケされた2023年カタール・ドーハ花博埋立地で開催です。埋立地と内陸で土地を潰すのとは全く違います。しかも上瀬谷跡地は既に普通に生活する人が隣接地に暮らしています

話を戻します。結論から言って、横浜花博の運営計画はゼロ一つ多いです。予測数値は数合わせでかなりいい加減だとは思いますが、値はともかく仮に人気の花博となった場合、遠方の駐車場に回された自家用車と、それでも入りきらなった自家用車で街中があふれ、各地から来たシャトルバス・大型バス・まだ造成・建設が終わっていなければ農業振興地区と観光・賑わい地区の工事車両で大渋滞し、それを縫うように人と二輪車が横切る…
そんな中で地元の方々は暮らしていけるのでしょうか。地元の方々は外出禁止状態になりそうです。
上瀬谷ラインが間に合わない以上、チケットの販売制限・車の台数制限など、環境や地域生活を考えて来場者を抑えようとすることは考えず、「計画数値に合わせるためにシャトルバスを増やします」とする横浜市には呆れかえるばかりです。
人気の花博になっても輸送計画で詰んでる、不人気でも大赤字で詰む」というのが横浜花博の八方塞がりなところ・・・
もちろん今からでも、計画を見直し、自然を破壊せず低コストに開催し、来場者計画も抑えればもう少しまともな着地点もあるとは思います。(市にはそんな気は全くないようですが)

■跡地南側(至瀬谷駅)の自転車通行帯は整備されない?

市としては4%の試算の一つの自転車での来場ですが、瀬谷駅~会場間の自転車輸送案を市会にて加藤広人市議(公明党)が提案していました。(加藤市議といえば花博は横浜のオリンピック発言もこの日でした)

これが実現すれば、車・バスを利用しない割合が4%よりも上がることになります。この自転車輸送案に、都市整備局長は前向きな回答をしていました。しかし跡地南側の海軍道路には、片側(南下)にしか自転車専用帯がありません

跡地南側の海軍道路(南・瀬谷駅方面を向いて)Googleストリートビューより

上の写真(奇しくも桜が伐採されて見やすくなっています)は、左側歩道が自転車通行帯と歩行者路が白線で分けられているのがわかります。右側の歩道は分けられていません。(歩道を分ける方式の是非はともかく)

跡地南側の海軍道路(下図のC区間)はずっと自転車通行帯が片側だけにあります。拡幅予定のB区間は既に両側に自転車通行帯(同じく歩道を白線で分けるタイプ)があります。しかし、瀬谷駅側から北上していく2キロの走行時は、自転車通行帯はありません

海軍道路の桜並木に関する懇談会の資料より 南北直線に走る海軍道路(C区間は拡幅されない)

C区間に拡幅計画はありませんが拡幅できないまでも、せめて『自転車通行帯は整備するのか?』『どのように自転車輸送を運用するのか?』という質問だったのですが「検討していきます(回答4-4-1~3)」とのことで、特に自転車輸送を具体的に考えているわけではないようです。

このnoteの準備を遅々と( TДT)している間に、2027年国際園芸博覧会基本計画案の公表され、意見募集も始まりました。(ぜひ皆様ご意見をお願いします。8/24水まで)
この計画書はかなり内容が薄いので、楽しく「そんなバカな!」と読めてしまうかもしれません。イメージ図を追いつつGoogleMapの衛星写真や後述するMay J. - "Flowers" MUSIC VIDEOとを見比べると、花博がどれほど自然破壊をしようとしているかが、すごく良くわかります。

2027年国際園芸博覧会基本計画案(2022年7月)の公表・意見募集 博覧会HPより

その計画案中で、このままでは立ち行かないと感じたのか、「瀬谷駅をはじめとする周辺鉄道駅等から会場までのウォーカブルなルートについても検討する」と新たな輸送計画が発表されています。瀬谷駅からでも2kmあるので他の駅から徒歩は厳しいとは思いますが、自転車通行帯の整備こそ本気で行った方が良いと思います。

■周辺道路混雑予測は教えてくれませんでした

道路渋滞を心配する声は地元ほど大きく、その予測は瀬谷での花博の実現性と成否に関わることです。もっとも重要なデータの一つですし、市の道路局が予測を持たないはずがないので質問しました。しかし残念ながら、予測を教えてもらえませんでした。
『三ツ境下草柳線、瀬谷地内線、八王子街道と海軍道路を併せた予測はあるが海軍道路の部分(B区間のみ)拡幅だけの予測はない。(回答4-5-1)』
たしかに4-5-1は海軍道路の部分拡幅の効果予測を質問したのですが、おそらくB区間だけの拡幅だけでは、まともに数値化できないのかもしれません。ですが、他道路と併せたものがあるなら、ぜひそのデータを開示していただきたかったです。

4-5-2では花博の工事・開催期間中の周辺及び広範囲の道路混雑予測を質問したのですが、『博覧会協会が影響調査する。今後、お知らせしていく(回答4-5-2)』というものでした。博覧会協会はまだ調査中ということでしょうか。
花博が与える影響とは質問していないので博覧会協会ではなく、『三ツ境下草柳線、瀬谷地内線、八王子街道と海軍道路を併せた予測データ』を市が開示するべきだと思います。非常に残念な回答でした。

※交通影響への懸念についても、亜梨子さんが都計審で口頭意見陳述を行い、その詳細をまとめられています。ぜひご一読を。

🔶5 花博費用計画について の回答を読んで

2027年国際園芸博覧会基本計画案(2022年7月)より 

■「最適密度:一日来場者数は10万人まで」?!

(回答5-1)本当にこれが最適なんでしょうか?
上図は最新の花博計画のイメージなのですが、もし10万に入場した場合はこのようなゆったりしたイメージからほど遠い状態かと思います。

ディズニーランドには誠に申し訳ないのですが、また比べてみましょう。

🔷ディズニーランド
パーク:約51ha
入場制限:8万~8万5千人と言われています。

🔷横浜花博
会場:80ha
入場制限:10万人で入場制限(市は入れ替わり回転が速いと想定)

ディズニーランドと横浜花博の入場制限基準を比較

ディズニーランドの8万人超えというのは、コロナ禍前の真夏のアトラクション3-4時間待ち・スナックに大行列の日に相当します。
29h広いとはいえ、来場者が入れ替わり回転するにしても、花を観るのも命がけの混雑ぶりとなりそうです。パビリオンや飲食店があるので、回転が速い(つまらない)としても限界があると思います。

どうせそんなに混まないから、混雑の話は大丈夫」と思われるかもしれないですが、この計画が実現できるように人員やインフラや先述したシャトルバスなどを用意をすることになります。多額を投じてその準備をしても客は来ないとなった時に、その赤字は誰が負担するのでしょうか?
市や博覧会協会に質問しても「適切に取り組む」と壊れた機械のように回答します。
十倉雅和経団連会長が協会長である博覧会協会が経団連企業に呼び掛けて赤字負担してくれるんでしょうか?(あり得ないことですよね。ちなみに企業が花博博覧会協会に寄付しても、企業版ふるさと納税制度が適応され9割が控除され、実質は額面の1割しか企業に負担はありません。)

■有料来場者試算の根拠が凄い!

有料来場者1,000万人の根拠は回答(5-2-1)してくれました。
過去博の実績・首都圏の後背人口は1,500万人の試算の回答(5-2-2)にも同じように記載されているので、下記のように整理します。

🔷1,500万人の根拠>過去博の実績・首都圏の後背人口

🔷1,000万人の根拠>上記に経済情勢と新型コロナを加味、多様な参加形態を想定

横浜市が回答した有料来場者試算の根拠

質問書にも書いてありますが、愛・地球博などの過去博とは”単純に比較できない”ことはもはや明らかです。人口動態も、経済状態も、国際状態も、衛生状態も、価値観も変化しています。後背人口は関東にあるすべての遊興施設にほぼ同数で当てはまり、Y150が失敗したことからも根拠にはなり得ません。
コロナ禍で修正を余儀なくされたため、損益分岐点である1,000万人に計画を下方修正したように見せかけていますが、損益分岐点が目標値になっているのは、イベントとして致命的です。目標はいくら高くても良いですが、損益分岐点は計画を見直せば下げられます。もっとお金のかからない博覧会にすべきです。

また、有料来場者数の根拠としての下記の記載がありました。
「さらにボランティア等の来場者やICTを利用したオンライン参加、などの多様な参加形態
オンライン参加は有料ということのようです。(いくらだと参加しますか?)
そして、とても驚いたのですが、ボランティアからもお金をとるんでしょうか?オリンピックはユニフォーム買取だったようですが、参加料はとらなかったはずです。横浜花博のボランティアは有料来場者の根拠として回答されているので、有料参加(自らお金を払って労働力も提供する)なのかもしれません。

また、(回答5-2-2)1500万人の根拠では「本市における地方博全国都市緑化よこはまフェア」とありますが、これは・・・地方博とはまさかのY150のことです!参考にしたら、根拠薄弱じゃないですか?

■里山ガーデンと上瀬谷

里山ガーデンと上瀬谷通信跡地を入れたGoogleマップ (花博会場は手書きで失礼します_(._.)_)

(回答5-2-2)全国都市緑化よこはまフェアは2017年3月25日-6月4日(72日間開催)の入場無料ガーデンネックレスのことです。確かに来場者約600万人となっています。みなとガーデン会場(来場約567万人)はみなとみらいの観光地に分散していて、ついでに通り抜けられました
しかし、アクセスの悪さで上瀬谷に似ている里山ガーデン(中山駅から3km程)は無料でも約33万人の来場でした。これでも大検討した方だと思いますが、花博開催の192日間に換算すると約88万人となります。
しかし、本来15分程の中山からの路線バスは渋滞していたようです。隣接するズーラシアは繁盛期は渋滞(バスは待ち時間込みで2時間かかった等をよく耳にする)でかなり大変だと聞きますが、ガーデンネックレス期間中は一層渋滞は酷かったのではないでしょうか。

一方、横浜花博は入場料金3500円で瀬谷駅から2km程の立地環境です。
繁盛期のズーラシアへ行くのに直線ではなく道程で中山から約3kmの路線バスが2時間かかるなら、花博へは瀬谷駅からは歩く方が速いかもしれませんが、直線で10km離れた遠方駐車場から花博会場まではシャトルバスでどれくらいかかるのでしょうか。
里山ガーデンという絶好のサンプル事例を持ちながら、このような花博計画を立てる横浜市はネジがどこか外れているように感じます。
皆さんご指摘の通り、里山ガーデンと上瀬谷(花博会場)は直線で4km程しか離れておらず、こんな近い場所に似たような園芸展を整備するのは税金の無駄遣いで、都市計画としても愚策です。(遠方駐車場より近い)
花博は山下ふ頭やみなとみらいですれば良いと思うが、どうしても郊外で行いたいならグリーンラインを延伸して里山ガーデンですれば良い上瀬谷の開発は大自然を生かせるようにもう一度計画を考え直した方が良い」というのが多くの方が抱く良識的な考えなのかなと思います。

■市長は「期間限定イベントは常設のテーマパークと単純には比べられない」と言いたかった!

市長の答弁を引き出した井上さくら市議の上瀬谷関連質問も併せてどうぞご覧に願います。

回答5-3,4によれば、市長が”科学””閣議決定”だとか持ち出したので、さぞ確証を持った持論をお持ちかと思えば、こんなシンプルなことだけが言いたかったんだそうです。同条件に揃えて科学的に比較し反証していただきたかったです。ディズニーランドでもUSJでもY150でも里山ガーデンでも比較対象はなんでも良いです。市民が納得し安心して花博を歓迎できるように努めるお立場でしたよね。
”単純に比べられない”のだとしても、横浜市としては『確実に両テーマパークよりも集客できる!」』と計画しているわけです。強気の計画を立てたからには胸をはって論破していただきたかったです。心配する市民は花博が成功する保証と、仮に失敗しても赤字の補填を市民にさせないことを約束してほしいわけですから、言葉を尽くして説明していただきたい。
単純比較をして欲しいわけではなくて、常設といっても新規エリアやサービスで工夫を重ねてきた両パークを超える集客をできるというなら、やはりもっと納得いく計画が必要です。
過去博を単純に参考にすることがなぜ可能なのかと井上市議も矛盾を指摘しています。最悪は科学的根拠でなくても良いので市長には率先して納得のいく集客計画・運営計画を市民に語っていただきたいです。

■横浜花博の資金計画

2027年国際園芸博覧会基本計画案(2022年7月)資金計画

花博の資金計画(上図)はペライチでこれだけです。会場建設費320億は国・市・民間が等分ですが、花博会場の基盤事業である区画整備事業には国庫の負担はなく、汚染対策費は国からの物納(国有地売却益)です。

有料来場者1,000万人は損益分岐点。下回れば赤字。
運営は協会の責任、国庫からの補填はないと国会でも確認されています。
赤字は誰が払うのか?」という質問には、市は「そうならないように運営する」と答えます。
皆様もぜひ花博について市と協会に意見をお願いいたします!

Y150は建設費・運営赤字を合わせると市民の負担は100億円を大きく超え、災害用の基金を約87億円取り崩しました。R3年度末財政調整基金の実質残高は約92億円です。他大都市と比べても酷く少ない額です。

71 減債基金積立不足額推移 ※市債償還のための基金(積立金)もこのありさま。横浜は不足しているのが常態化しているからかおかしな表現ですが、大阪・神戸は不足していません。

🔶6 暮らしやすいまちづくりについて の回答を読んで

■テーマパークについて「話し合いが進められている」!

これは、まちづくり協議会と検討パートナー(三菱地所株式会社)から報告を受けるだけの立場の横浜市の回答(6-1)です。
まちづくり協議会の方が「コロナ禍で話し合いは止まっている」とおっしゃっていたのに、「話し合いが進められている」と横浜市がこんなにはっきりと回答するのが不思議です。

回答(6-2)の通り、本回答が届く直前の5/31市会・委員会に、まちづくり協議会・三菱地所株式会社によるテーマパークの「検討内容のご報告(8ページ)」が提出されました。市会・委員会で報告し資料をHPに載せれば、質問(6-2)のように市民にわかりやすく公表したことになるのでしょうか?(市民は本業とは別に寝る間を惜しんで職員の仕事を追いかけよう!)

テーマパークの「検討内容のご報告」より (A・B案があるようです)

さておき、上図をご覧になるとわかるように唖然とするほど報告書はざっくりとしており、市議の質問に横浜市は「我々はこれを受け取っただけでわからない」と連呼していました。
横浜市曰く「三菱地所(株)がこの資料を作ったが事業主体になるかどうかは決まっていない」とのこと。(この粗い資料からして三菱地所が乗り気ではないように感じます。)

ちなみにこの資料は、旧・公園整備区画のまま作成されています。20ha減らされた区画で見直しても、きっと「A・Bともに事業実現性がある」のは変わらないんでしょうね。(大きな変更だと思うけど…)
A・B案については、理解しようと読んでみたのですが、雲をつかむようで本当にわからなかったです。

■テーマパークありきのサウンディング調査

旧上瀬谷通信施設の「観光・賑わい地区」における土地利用に向けて 民間事業者との 「対話」 (サウンディング調査)【実施要領】より

サウンディング調査の参加事業者募集(7/19まで)は終わりましたが、事業者との対話は8/1-5に実施するそうです。
サウンディング調査の必須要項はテーマパークありきです。観光・賑わい地区を形成するために、ざっくりとした調査をするのかと思いきや、テーマパークの旗は降ろせないようです。平原副市長がいる限りメンツをかけて押し通すんでしょうか。

「テーマパークについてざっくりとしたスケジューリングでも良いので教えて」と問い合わせましたが、サウンディング調査次第とのことでした。
まだ誰が何を創るのかの「誰が」が決まる方向性をスケジューリングできない状態なのかもしれません。

■テーマパークの実現性

この船に乗りかかってから、ディズニーリゾートやUSJと比較を繰り返してきましたが、両テーマパークは埋め立て地の特性を生かして、かなりの広さでエリア拡大をしてきています。しかし、瀬谷では限界があると思います。隣の物流エリア、農業振興エリアに手を広げるといっても、そう簡単ではないでしょう。70haは決して狭くないのですが、バックヤードのことや弾力性を考えると内陸地のテーマパークは条件が厳しいです。人気のないエリアを潰して新エリアを創るのも大変だけど、新しいエリアを出さないと評価もされない
首都圏内なのだからライバルは多い。ディズニーに勝つことが生き残りの条件なのに、アクセスは悪い。挙句に日本は人口は減っていき、経済的凋落は決定的。経済的余裕がない→子供が産まれない→テーマパークいらない。外国から?内需での支えがないと絶対無理。。。
大自然を壊すという部分がなくても、厳しい選択となる可能性が高く、私は反対しています。行政が絡んだテーマパークの失敗例は、今よりも景気が良くてコロナがなかった時代にも多かったですよね。

■ゾーンイングは民意を反映している?

観光・賑わい、物流、農業振興、公園・防災の4つのゾーニングはまちづくり協議会と市が検討をし「市民意見に沿ったもの」との回答(6-3-1)です。
公用地まで協議会主導で決まるのはおかしい』質問(6-3-2)との意見に対して『基本的には国有地は公園にするから問題なし』と強弁回答していますが、物流地区はほとんどが国有地観光・賑わい地区も公用地が半分ほどを占めており、実態(下図)と違います。

旧上瀬谷通信施設地区トップページより

また「地権者の生活再建」(回答6-3-3)とありますが、2015年の返還までは国からの補償を受けており、困窮されている方がいたとしても、接収されていたためとは考えにくいです。(もちろん米軍による土地接収による不利益は軽視できません。しかしそれは地権者さんだけの問題ではないとも思います。)

■医療・福祉・子育て支援施設は現時点では難しい。なぜ?

回答6-3-2の中でも特に驚いたのがこの部分です。
医療・福祉・子育て支援の要望が、観光・賑わいの要望よりも少ないということは考えにくく、この要望を全面的に無視した経緯が気になります。
地権者を盾に市民を分断してきた横浜市ですが、地権者さんの中には医療・福祉・子育て支援施設に賛成した人もいたのではないでしょうか。「医療・福祉・子育て支援施設は現時点では難しい」と、計画の段階で決まってしまっているのがおかしいと感じます。なぜなのかは記載していません。

他にも市民意見の抜粋し、市が意見を跳ね除けた理由を質問していますが、『現在は難しい』『今後検討する』と答えることがあっても、なぜいまは難しいのか?なぜすぐに検討しないのか?は回答してもらえませんでした。

■国際園芸博覧会は跡地の平和的利用を象徴?

米国通信傍受施設とその周りの広大な大自然が日本に返還されたわけですが、なぜ「跡地の平和的利用を象徴」(回答6-3-2)しなくてはいけないのでしょうか?
横浜花博をしないと平和をアピールできないほど、日本は軍事国家とみなされているのでしょうか。(すぐ兵器転用できる原発だらけだし、米軍基地だらけだし?)
基地が返還されるたびに、都度都度で花博をするのでしょうか?
医療・福祉・子育て支援施設では平和的利用を象徴できないでしょうか?

■跡地開発の公共性について

公共性を問う意見に対して「道の整備などにのみ公費を充てる」と回答(6-3-2)していますが、区画整理事業は4ゾーニングの全部を、一度削土盛土でならすためのに公費を投じます。(地権者は減歩にて負担もします)

🔷観光・賑わいゾーン:誰が何を創るかはまだ決まってないけど、テーマパークのための整備
⇧これは公共性があるでしょうか?

🔷農業振興ゾーン:海軍道路西側のゾーンはほぼ民地でいまも農地なのに、全ての土を入れ替えて・大門川を暗渠にして、再び農地として再整地後、地権者に減歩して分配。費用は民地を減歩保留地として提供してもらい捻出。
⇧ここは公共性どころか、ほぼ民地であるため市が大規模に介入することが異常に思えます。

瀬谷通信跡地の旭区側の農業振興ゾーン(Googleマップ)

また、花博・公園整備エリアの東端の旭区側にも農業振興ゾーン(上図)があります。こちらのエリアは既に営農以外の事業も行われており、市の跡地開発を地権者さんが断ったか…区画整備&減歩&再営農の対象域なのか(問い合わせ中)市の開発から外された場合は「農業振興地区とは結局なんでもあり?」という疑問がまた出てきてしまいます。

🔷公園・防災ゾーン:花博は主にここで行われるため一旦全整地で今ある自然は壊し、また自然創出
⇧ここは公共性はあるように一見えますが、花博のために大自然を一度壊し自然の再造成という無駄で大規模な整備を全額公費で行われます。無駄な工程が多く、市民が利用できるまでに大変な時間がかかります
下図では、公園の一部供用開始は不明で、全面供用が21年後の予定です。「大渋滞で辛い生活をしたのに、公園を利用できないままになってしまった…」となる方も出てきそうです。

(仮称)旧上瀬谷通信施設公園 基本計画(案)

公園整備事業の環境アセスでは花博との整合性のため強引な計画図をひいているためか、『防災拠点としては重機等が入れないため使えない』と問題が指摘されていました。
花博も大規模な造成もせず、必要な防災拠点としての整備を行い、園路を土系舗装で整備し、今ある自然を手入れさえすれば、もっと早く安く自然公園になります

公園整備事業 事前評価調書(案)※追記8/2

※追記8/2>こちらも横浜市公共事業評価制度による事前評価調書(案)により、事業の骨格が見えました。区画整備事業と同様に、保留地処分金に頼る皮算用型の事業ということがわかります。
施設整備と運営にはやはりPark-PFIとのことです。PFIの誕生国イギリスでは、利用者負担が上がり、行政コストも削減できておらず、実施件数は年々減少しているのが現状です。癒着大国日本ではなかなか無くなりそうにないPFIですが、行政・民間・市民にとって本当に良い選択になるのかよく考えていかないと、危険です。
花博の運営計画、過去の実績ともに、横浜市の願望に基づく計画を信じるにたる理由が見つけられません。

May J. - "Flowers" MUSIC VIDEO より

May J. - "Flowers"のMVの場所が横浜花博と公園整備が行われるエリアです。この草原と樹木を丸裸(草一本無くす)にする区画整備事業を行い、花博で人工物を建てて・壊して、その後に公園に整備します。それでも21年は長すぎる気がしますが…

🔷物流ゾーン:ほとんど国有地のエリアですが、公費で行われる区画整理事業後に、民業に解放するようです。
⇧公共性はあると思えないですが、このゾーンも区画整理事業は行われるので、公費は入ります。(土地の売却益で相殺する形で公費負担はないことにするとは思いますが、売却益は市民に還元してほしいですね)
すでに八王子街道沿いの区域外エリアは倉庫通りになっているのですが、ここの土地の所有者は民間なんでしょうか?(問い合わせ中)仮に民地で一帯で整備が出来なくても物流ゾーンを囲むように舗装道路を整備する予定なので問題ないのかもしれません。

🔶7 市民の意見・住民自治について の回答を読んで

■広聴は市の既定路線の補強するための手段なの?

この質問(7-1)にはこれまでの回答をなぞっただけで、答えはありませんでした。どうしてはっきり否定しないのでしょう。嘘でも否定はして欲しいかった。否定しないのは、市民意見を踏みつけにしてきた自覚があるからなんでしょうか。

■環境アセスの時よりも配慮した計画になる?!

○回答7-2ですが、結論からいえば、何だかよくわからないのですが…

「豊かな水や緑が融合する自然環境を有した現在の地形を活かす」
⇧公園・防災(花博)ゾーンのことかと思います。地形を活かすとの文言は何度も出てきますが、今のところ削土盛土をやめるとの答えはありません。
「広がりのある農地を活かす」
⇧農業振興ゾーンのことだとは思いますが、ごめんなさい。意味がわかりませんでした。
「市民の森との連続(性)を活かす」
⇧瀬谷市民の森と地続きなのは、公園・防災(花博)ゾーンです。記してきた通り、市民の森からはみ出た森林は残すということです。その他の草木は一本たりとも逃さず刈る計画とのことです。

回答7-2を整理してみた

○まだよくわからないので、ゾーン別に整理していきます。

旧上瀬谷通信施設地区 土地区画整理事業 環境影響評価書 図2.3-11 切土・盛土の状況
(同P2-18「切土・盛土を行わない箇所についても、整地を行います」)※つまり土地は全改変

🔷観光・賑わいゾーン全土地をならす相沢川を暗渠にし、谷戸を埋めることにも変更はない。

🔷農業振興ゾーン:広がりのある農地?
西側(瀬谷区)エリアについては、大門川を暗渠にして、全土地(農地)をならし、耕作に適した土で盛土をして、再び農地に造成する。

東南(旭区)エリアは問い合わせ中ですが、上記と同じか、または避けるように公園・防災(花博)エリアから外されていることから、地権者さんが市の介入を断った可能性を考えていました。

🔷公園・防災ゾーン:全て花博会場なので、一度花博のため人工物を建てて壊して、その後に自然の再創出を行うそうです。
瀬谷市民の森から続く森林は伐採しない方針(これは全国的に樹木伐採反対の機運が高まったからかもしれません。どれくらい伐採をせずに残すかは検討中とのことです)
相沢川切り回し(流れを変える)を行うが、地上部(蓋なし部)を造成し原風景を感じられる場所を創る。(初期の花博計画の時点でその計画でしたので、こちらは急に変更になったわけではありません
防災拠点に関しては回答の通り、しっかりと意味のある造成にしていただきたいですが、公園にするために自然を壊すのは止めて欲しいです。

■貴重な草原環境の全滅は不可避?

May J. - "Flowers" MUSIC VIDEO より

質問7-3は「貴重な草原環境を保全する必要性があることから反対」という市民意見について、再度検討できない理由は何かというものです。それなのに、草原の”そ”の字もない回答が返ってきました。
樹木や川や土地の起伏は少しは残すとは何度も回答に記載されていましたが、一度全部土地をならすこと自体には変更はないため、草原は一度全滅します。
しかしながら、「早期緑化」というような言葉はその後の問い合わせ中では散見されたので、一草も無くす整地はするけど再びどこかを草原にするつもりはあるそうです。(回答にはないことを、私がフォローすることになるとは)

■広聴事業を軽視しているの?

回答7-4-1,2は酷いものでした。
(質問7-4-1)広聴での回答が『回答になっていない意見の無視』だという指摘を「無視」されてしまいました。ここはそんなことはないと否定するべきところだと思うのですが、回答7-1同様に大切なところでスルーを決める横浜市。(市長会見での竹春イズムを、この回答にも感じます)具体的で的確な回答にならなかった理由も答えてくれませんでした。

回答のとおり「広聴の機会を通して将来の土地利用について検討を進めてきた」のなら、この5つの意見を無視するのはおかしいです。
広聴してもらえる市民と無視される市民に、市に勝手分けられてしまっているようです。

🔷もっと現実的で自然を破壊しない計画にして欲しい
🔷土壌汚染についてもっとわかりやすく開示してほしい
🔷花博・テーマパークの損益分析を示してほしい

市民の声」からの抜粋意見 まとめ

⇧至極真っ当な意見です。これに答えられない横浜市はおかしいでしょう。せめて回答できない理由を教えてという願いまで無視するなんて。

質問7-4-2は、上瀬谷問題に限らず、広聴の回答が『方針の複写記載』ばかりできちんと回答しない理由を問うていますが、回答はありませんでした。
ですから、広聴の軽視が横浜市の方針なのか体質なのかはわかりません。しかし、横浜市は市民の意見を無視すると一度決めたら徹底的に無視するということはわかりました。

■地権者以外の意見を聴いて見直しを!

質問7-5は、『まちづくり協議会だけでなくもっと広く意見を聴いてくれませんか?』というものです。
その回答に「地権者の長年の思いがある中で、まちづくり協議会と検討を進めてきた」と、これまでの回答をなぞるのが不思議です。

要するに、横浜市とまちづくり協議会が決めたことを、他の市民は説明を受けるだけで意見を聴いてもらえることはないようです。

知ってた…しかしながら、花博の環境アセス方法書の説明会は瀬谷区の開催ではかなり紛糾し、「花博賛成派ってどこにいるの?自公も立民も動員かけないの?」と思える状態だったようです。(詳しくは亜梨子さんの記事
地元に歓迎されていない中で、1000万人来場などとは夢にも見ない、寝言でも言えないのではないでしょうか。

■山中竹春市長はどうしたいの?

2021/9/10就任初 所信表明演説をする山中竹春市長

最後の質問7-6は、山中氏に敬意を表すために市長の就任初の所信表明から引用したそうです。またもや、まちづくり協議会を盾にしてこれまでの回答がなぞられていますが、上瀬谷では「協働」「住民自治」はまちづくり協議会だけを念頭に置いた話だったということのようです。

この回答を職員が書いたから感じるわけではなく、就任後いまいち存在感なく、市長個人の考えが見えない市政が続いています。何を質問しても職員が書いた文書を読み、市会での更問では職員が市長答弁を書いている横で「答弁できたー?」という市長のオフ発言がマイクに拾われ物議を醸したことも。

このまま花博の完成図と美辞麗句が並ぶ市の広報の横に笑顔の写真を載せ、花博のプロモーション活動の顔としてだけの仕事を全うするつもりでしょうか。
それでも、彼は都知事よりも高額な全国一の首長給与をもらう横浜市長です。選んだ人も選んでない人も、イデオロギー云々の前に彼の仕事ぶりが給与に見合うものであるのかは注視すべきではないでしょうか。

🔶意見募集一覧(8月初め現在)

2027年国際園芸博覧会基本計画案(2022年7月)の意見募集(8/24水まで)
R4年7月 新たな桜の名所づくりに向けた基本計画(案)の意見募集(8/1-31)
横浜市公共事業評価制度に基づく市民意見募集:土地区画整理事業(8/1-31)※追記8/2
横浜市公共事業評価制度に基づく市民意見募集:公園整備事業(8/1-31)※追記8/2

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ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。
本当に長くなってしまいましたが、それでもまだ書けていないことが多くあります。別で質問書を深堀するシリーズを準備しており、膨大で申し訳ないのですが、上瀬谷通信施設跡地で何が起きようとしているのかを出来るだけ丁寧に記録に残しておこうと思っています。

区画整理事業開始は今年度(令和4年度)中、できれば今年中を目指しているそうです。市の手続きフローはこれ程の問題を抱えていても、たとえ専門委員から厳しい意見が出ても、予定通りの日程で進んでいます。まずは花博エリアから着工となるそうです。

※追記8/2
横浜市公共事業評価委員会が終わり、その意見募集が始まりました。井上市議が指摘している通り、委員会の議事録はまだ出ておらず、審議の前提となった事前評価書(案)だけが公表され、意見募集となります。
委員会では区画整備事業の観光・賑わい地区については事業内容が決定後再審議となったそうですが、部分的に再審議しても他が動き出していれば、止まることはないでしょう。(横浜市の暴走は会議一つでは止まりません
読むと明らかに情報が欠けている資料(金額単位もぬけていたり)ですが、ここまで読んだ方ならほとんどの嘘が見抜けると思います。
これらの事前評価書(案)を元に、いくつか追記したところには※追記8/2と記してあります。

たくさんの市民の方の意見も引用させていただきました。
💖Special Thanks💖
改めて、上瀬谷の未来を考えよう会有志さんありがとうございます。
今後は『市長への質問書』も深堀させていただく予定です。

💖引用させていただいた方々💖
亜梨子さん
sk2zさん
kuniさん
横浜市へ市民からの提案をされた皆様

💖快く問い合わせに応じていただいた方々💖
ななつ星さん
usiさん
井上さくら市議
横浜市・上瀬谷整備・国際園芸博覧会推進室の皆様
一般社団法人2027年国際園芸博覧会協会 事務局の皆様
本当に本当にありがとうございます。これからもどうぞ宜しくお願いいたします💖

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