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『きみの友だち』

みなさんの友だちは、どんな人ですか?
こんにちは!くつばこ+のせんです。急遽明日、大学に実習関連の書類を提出しに行くことになりました。ものの数分のために往復4時間弱。遠い大学を選んだことを後悔する瞬間です。

☆「きみ」の本

重松清さんの『きみの友だち』 せんが中学生のときに出会って、ずっとお気に入りの本です。
この本はいろんな子が主人公で、いくつもの章からなる連作長編小説。松葉杖をついている子、幼い頃から入退院を繰り返してる子、学校の人気者、転校生、弱虫な子、八方美人な子…いろんな子がいます。どの話も「きみ」が主人公。最初は少し戸惑うかもしれませんが、自分がその主人公になったような気持ちで読める本です。

☆「みんな」って誰のこと?

本の中に、「みんな」という言葉がよく出てきます。とっさに使ってしまう「みんな」。この「みんな」って誰のことなんでしょう。
「みんなやってるよ」
「みんながそう言うから」
「みんなこうするんじゃない?」
なんとなくひとつにまとめようとするとき、自分は納得してなくてもこう言われてしまうと、諦めてしまいませんか?せんは中学生のときは特に、この「みんな」に弱かったです。本当は自分の意見があるのに、それは違うのになって思ってるのに言えない。今思うと、この「みんな」は、存在するようで存在しない、中身のない箱みたいなものだった気がします。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいるー

本の中にこんな文があります。これを言った子は、思っていることをはっきり言うタイプです。それもちょっとぶっきらぼうに。でも本当はとても繊細で傷つきやすい子。この子が本音を言えるのは、「あんたなら信じられる」と思える子がいるからです。

☆1人の味方がほしい

「私はそうじゃないと思う」「私はこう思う」
この発言をするのはとても勇気がいります。そんなとき、誰か1人でも自分の味方がいたら…。
相手とすべての意見が合うわけじゃない。すべてお互いのことを理解してるわけじゃない。でも、きっとあの子なら今の私の思い、わかってくれるはず。そう信じられる人がいるって大切なことだと思うんです。
どんな意見も否定せずに受け入れてもらえる世の中は、残念ながらまだまだ遠い。少しずつ少しずつ、輪を広げていくしかないと思います。自分が何か発信したいとき、自分ひとりじゃ心細いけど、この人と一緒だったら声を出せそう。そんな人が誰にでもいたらいいなと願って…。

いつになっても、どんなときでも、悩みの種になる人間関係。この本を読んで少し気が楽になることも、もしかしたらあるかもしれません。電車や寝る前のお供によかったら。


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