[日記]いたいのいたいのとんでいけ
箱をひっくり返して、説明書きをよくよく読んだ。
頭痛・月経痛(生理痛)・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・咽喉痛・歯痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・ねんざ痛・骨折痛・外傷痛・耳痛の鎮痛
でも残念ながら、私が探していた 胃痛 の文字はどこにもなかった。
さて、こうやって並べてみると、人間はこんなに痛くなるところがあるのだなあとしみじみ思う。大変なことだ。痛いのはくるしいし、そればかりに気を取られて思うように動けない。もしくは動けないほど痛くなるか。
どっちも嫌だけれど、今の私の心境から言わせてもらえれば、動けないほど痛くなってくれた方が良い。
それで穴でも空いてくれたら、堂々と仕事を休める。
と思ってしまうのは、私がそういう痛みを経験したことがないからだ。
実際に胃に穴が空きかけた友人の話では、もはや立てなくなるほどの痛みだったらしい。それほどの痛みでも、穴は“空きかけ”で、投薬治療で済んだと言っていた。
堂々と有給が取れる代償の痛みとは、どれほどのものなのだろうか。
それに引き換え私の胃痛は、動けるけれど、何か食べると胃の腑が沈み込むような心持ちで、重たくて、どんよりと痛くて、うっとうしいといったところである。
眠ることが億劫になるくらいにはうっとうしい。
何かをしているときの方が気が紛れるのだ。
鎮痛剤の成分が、胃を荒らしてしまうということは知っていた。だから普段は痛みをやり過ごして、とにかく無視して仕事に行っている。
でも胃が痛いと眠れない。眠れないと仕事で体力がもたない。体力が削れないとなると、結果的に精神力が削られていき、早々に限界を迎えた。
この負のスパイラルから逃れるために、寝る前だけ、私は鎮痛剤を手に取り、ぬるい水で飲み込む。胃に優しいからこれはセーフ、と信じて明日への活力を養うために。