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しなくていい・しなくていい12「人を育てなくていい」

人を育てなくていい。いや、人は人を育てられない。そんなんおこがましい。人が人を育てるって。
これ家庭における「子育て」の話じゃなくて、職場における「人材育成」の話ですけどね。最近は猫も杓子も「人材育成」、「人材育成症候群」が目に余る。いやもう、度が過ぎて「人材育成ハラスメント」ですと。
どういうことか。
20年以上働いてきて、数多の新人を見てきた者の結論として、新人が育つことと、職場の育成方針とか育成体制とか指導方法とかって、実は一切因果関係がなくて、新人のそいつのポテンシャル一択なんじゃないのか、って気が最近はしています。
これ「育成」と「適応」を勘違いしてるって話で。見てると、どんなに手厚く育成しても、ダメな新人はどうやったってダメで、それ以外の人たちは、優秀な人に育てられれば優秀になるし、それなりの人に育てられれば、「それなり」に育つ。それって一見、育てられた結果に見えるけど、そうではなくて、それはその若手が元からポテンシャル優秀な人なんですよ。元からポテンシャル優秀な人が環境に適応しただけの話で、実際、人事異動して、2つ目の課で優秀な先輩が揃ってる課に行ったら、ちゃんと優秀な人になるし、ポテンシャル優秀な人はどこかのタイミングでいろんな人を見極めて勝手に育つ。誰か特定の一人の育成方針や指導方法が正しかったから正しく育ったわけではない。
なぜこれを強調するかって言うと、最近YouTubeやビジネス本界隈とかで人材育成ブームが酷くて、人を育てる自信を持ってるヤツ、いっぱいいるんですけど、これがもう害悪でしかない。人を育てるメソッドなんかを持ってしまったら、うまくいかなかったとき、育たなかった新人を責める、育てられなかったマネージャーを責める、みたいになってしまう。人材育成ハラスメントですね。人材育成ハラスメントはみんなを不幸にしてしまう。


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