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【作家魂とは】山崎 豊子さんに捧ぐ

こんばんは!(^^)!ウエキです。
この数日、自分がフォローさせていただいている方々のタイムラインから、本の話題が多く流れてきます。「この作家さん自分も好きな方だ」「お名前は聞いたことあるけど読んだことのない方だな」などつぶやきながら、興味深く読ませていただいております。自分も思うところあり、お一人紹介したいと思います。

*山崎 豊子さん


昭和を代表する偉大な小説家です。たくさんの作品を世に出されていますが、有名なところではこんな感じです。

・大地の子
・不毛地帯
・沈まぬ太陽
・二つの祖国
・白い巨塔
・華麗なる一族

ドラマ化や映画化されたのもがほとんどです。ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

*「大地の子」


どの作品も本当に素晴らしくて心揺さぶられるものばかりですが、自分が一番深く感銘する点は「取材力」です。例えば「大地の子」は中国の残留孤児を取り上げた壮大なドラマです。第二次世界大戦後の中国と日本を背景に、その犠牲となった日本人を我が子として育てた中国人夫婦のお話です。

文庫本で全4巻の長編です。主人公の「陸一心(松本勝男)」が7歳の頃から描き始め、その後成人して中国共産党員として活躍するまでを描いています。当然のことながら、一心には次々と試練が襲いかかります。

・日本人であることが公となり粛清。粛清とは「公のリンチ」。広場に集められた群衆のなか、押さえつけられ頭を刈られます。丸刈りではなく半分は髪を剃り、半分は残すという辱めを与える卑劣なやり方です。
・数々の試練を乗り越えてエリート共産党員として生きる道を選んだ一心の前に、死別したと思っていた実の父が現れます。実父は東洋製鉄の技術者となっていました。そこで技術援助する日本人の父と、支援を受ける中国共産党担当者として対面するという皮肉な運命。

*取材力


山崎 豊子さんの作品を読むと「これだけの大作を書き上げるということは、たくさんのスタッフさんを総動員して取材しているのだろう」思っていました。ある時、山崎 豊子さんの日常を取り上げた番組が放送されたので興味深く見ていたら、驚いたことにほぼお一人で取材をこなされたそうです。

世界中を飛び回って取材活動に尽力された山崎さんですが、なかでも秀逸なのは「胡耀邦総書記」とのかかわりです。「胡耀邦総書記」とは中国共産党の総書記として中国の民主化を推進したお一人です。時の権力者でありましたが、山崎さんの作品に深い理解と敬愛を示し、全面的に後押ししたそうです。外国人には一切立ち入り禁止のエリアにも許可を出し、特別な計らいを示したことが、あの素晴らしい作品を生み出す原動力となりました。

何が言いたいかというと、そこまで人の心を動かす「本気」の度合いが段違いだと思うことです。しかも超一流の相手の懐に入り込んだ山崎さんの「胆力」「人間力」は他に例を見ないのではないでしょうか。個人的な感想ですが「もう山崎さんのような作品を生み出せる日本人は、この先出てこない」と思うのです。

*さいごに

残念ながら山崎 豊子さんは2013年9月に心不全のためお亡くなりになりました。88歳でした。執筆半ばの作品もあり、それは「約束の海」という海上自衛隊潜水艦部隊を描いた作品です。1巻のみですが、遺稿として出版されました。

「目指す」というにはあまりにもかけ離れた存在ですが、「胆力」や「筆力」という意味で常に心にある師匠です。山崎 豊子さんにお見せして、恥ずかしくない記事を生み出していきたいものです。

画像引用元:Amazon.co.jp

いつものようにAmazonのリンクを貼りつけようとしたら何度トライしてもエラーになります。noteのヘルプを見ていたら4日前に更新されたこのような記事がありました。何か関係あるのでしょうか。

サポートしていただいたものは、リノベーション計画の費用に充てたいと思います!(^^)!ペンキを買ったり我が家のフローリング材に生まれ変わります。