[一語一会の種 #7] Filter bubble
Filter bubble:
パーソナライズ(個々人の関心に最適化)された検索によって生じる知能的孤立のこと.ウェブサイトのアルゴリズムは利用者がどのような情報を見たいかについて選択的に推測する.それは,ユーザーに関する情報,例えば位置情報や過去のクリック行動履歴,検索履歴などに基づいて推測が行われる.
結果として,自分の好みに合わないものは,アルゴリズムによって自動的にはじかれ,目にしなくなるということが起こる可能性がある.好みに合わない情報にはエンゲージメントを得られる可能性が低いので,広告等につながることも少ないと考えられる.また,利用者としても不要な情報には触れたくないということもあるだろう.だから,単純に経済的に合理的に考えれば,企業側がこのようなアルゴリズムを実装することは,理にかなっていると思われる.
しかし,私たちはそれぞれ背景の違う人たちが,それぞれの考え方について共有し,議論しながら,どうにかこうにかお互いが心地よく過ごせるような社会規範をつくってきた.それは,身近な人間関係というミクロな点でもそうだし,社会全体でもある程度そうだろう.ここでハラリ大先生がよく議論されている「間主観的」現実というものが重要になっているが,それはまた別の記事に譲るとして,やはりそういう協働的に現実を作り出していく必要があると思うのだ.
自分の持っている指向性に過度にとらわれると,ないし,Filter bubble の外側を想像できなくなると,そういった共有のコミュニケーションで下手に敵対したりするなど,難を生じる機会が増えていく可能性がある.
だからこそ,自分の得ている情報の偏りについては時に疑う必要があるし,反対の考えを持った人ともぜひ意識的に取り組む必要があると思うのだ.
もちろん,想像力・Empathyをもって.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?