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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第114号

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【特集】令和版地上げ屋のお仕事


峰不二夫(以下、峰):おっす! 今回のテーマは「チンパンジーにもわかる再開発」。特に地上げのお話しをしたくて、ダンプ運転手と体格ダンプのお二人に声をかけさせていただきました。
野球くん:ダンプ野球です。よろしくお願いします。
SHIRAISHI:SHIRAISHIです。ダンプで再開発やってます。

峰不二夫:今年の決算書は問題ないだろ、って試算表を眺めていたら、会長個人宅の修繕費1,100万円を発見して以来出社してません。

野球くん:社内でお金足りないって会議した後に社員みんなでランチして気づいたら18時でおでん屋にいるバラエティ系の不動産会社に勤務しています。

SHIRAISHI:「ここまとまったら土地が大化けしてめちゃくちゃ儲かりますよ!」と、住宅地図に印を付けただけの資料を持ち歩き、世間の物件をすべて売り物件にしようとしています。


・地上げはオセロと同じ

峰:ダンプで再開発って本当にできるんですね。とか言ってたら、今回のテーマにぴったりのニュースが話題になってました。

SHIRAISHI:こんなのが令和の時代にあるとは思いませんでした。
野球くん:ダンプでつっこむのは昭和のことだと思っていました。
峰:対象地は立川駅からほど近いボロビル。2019年12月、ここの1階に入居していたラーメン店にダンプが突っ込んでます。記事によると、「ビルは当時建て替えの計画があり、店側が立ち退きに応じていなかった」とのことです。
SHIRAISHI:人から借りたらちゃんと返さなあきませんよね
峰:w

峰:対象地番は223です。私、地上げってもっと複数の土地をまとめていくものかと思っていたんですけど、こんな小さなタネ地みたいな場所でもするんですね。
SHIRAISHI:複数の土地をまとめるのにはお金がかかりますからね。小さな種地で手っ取り早くお金を稼ごうとしたんじゃないですかね。
野球くん:234のは公道ですかね。陣取り合戦的に、223が取れると奥の224-1へ広がっていく突破口になったんでしょうかね。
SHIRAISHI:角を取ったら強いですからね。オセロと同じです。
峰:地上げはオセロと同じ…。
SHIRAISHI:しかし今回のは裏からですか。裏から攻めるのってなかなかハードルが高い。
野球くん:これ裏からなの?
峰:裏からっぽいですね。

峰:「どう考えてもそっちダンプ通らんだろ」って方から突っ込んでるのいいですね。
SHIRAISHI:ホンマやw
峰:国道のほう通れよ!
野球くん:新築のプラン的にここが取れないと効率よく建物が入らなかったのかな。
SHIRAISHI:周りの土地所有者から依頼されたのかな。資金がキツかったとか
峰:地上げの定義ってなんでしょうね。私は、売る気があんまりない土地を上げることによって、対象不動産の価値が上がるのであれば「地上げ」だと思ってます。今回は多分、交渉の末ににっちもさっちも行かなくなってダンプが飛び込んじゃったんだと思うんですけど、普通に「ここ地上げしたいんだよね〜」って感じで相談をもらうこととかってあるんでしょうか?
野球くん:前職(地主系管理会社)の時はエンドからでもありましたよ。管理してる建物所有者から「隣地と一緒に売ったら高く売れるってお父さんから聞いていまして」って。
SHIRAISHI:ありますね。隣地所有者と懇意にしている人から依頼があったりします。2敷地まとまったら化けるような土地なんかは、「敷地Aは自分が買うから、隣地の敷地Bを地上げしてきてくれ」と。それで敷地ABがまとまったら高値で売れる!

・とある住居系地域の地上げ、手数料は?

峰:そういう場合ってまずはどんな手法で対象地にアタックするんですか?いきなりダンプ?
野球くん:いきなりダンプ!
峰:いきなりステーキみたいな良い響き。「いきなりダンプ!」
野球くん:まずはピンポンしてましたね。
峰:基本的にはピンポンなんですね。
SHIRAISHI:ピンポンか手紙ですね。個人だと所有者の自宅にピンポン、法人だと担当窓口から上に行くって感じですね。
峰:地上げって対象地の所有者に繋がるまでがハードル高くないですか?
SHIRAISHI:会うことはできても話を聞いてもらえることは稀ですね。
野球くん:住宅地だと土地所有者が自己使用してることも多いですが、都心部の駅近だとご自身で使ってなくて管理会社が窓口だったりしますね。あとは弁護士とか。
SHIRAISHI:弁護士はたびたび出てきますね。
野球くん:先月、弁護士事務所で借地人と会ったんですが、一言も喋ってくれませんでした。
峰:割と最近じゃないですか。
SHIRAISHI:コミュ障なのかな。
峰:恥ずかしがり屋さんなんですね。
野球くん:いえ、拒否反応だと思います。「(借地権は)売りませんよ」って。ご挨拶がてら弁護士事務所が設定してくれたんですが…。
峰:借地人ってやどかりみたいなもんですもんね。
野球くん:立退でもいろいろありますよね。所有権者、借地権者、借家人などなど。でも基本は連絡を取って会ってもらって、反応を伺うというところからが地上げのスタートですね。もちろん会ってくれない場合もあります。
峰:まずは会えないと話にならないですからねえ。
SHIRAISHI:権利関係者だと会ってくれますけど、全く関係のない土地を地上げしようとすると基本は会ってくれませんね。
峰:会えてからもハードル高いですよね。基本的に売る気がない人に「売ってくれ」って言ってるから、価格面とかでめちゃくちゃふっかけられることありませんか?
SHIRAISHI:売るつもりのない人に売ってもらうにはメリット(価格面)がないとダメですからね。近隣の相場を提示しても買えるわけない。相場以上を提示して、それで売ってもらう。
峰:お金の殴り合い開始だ。
SHIRAISHI:権利調整によって複数の土地をまとめるから全体の価値が上がり、相場以上の金額が提示できる。それをしないでただ安く買いたいってのは地上げとは呼べないかなー。
野球くん:ソリューションや!
峰:合わせ技の結果で高い金額が提示できるんですもんね。
SHIRAISHI:合わせ技以外で買える気がしない。道路付けとか、敷地形状とかでまとめることによるメリットが大きくないと、地上げは成功しないと思っています。
野球くん:あとはタイミングもありますよね。「この機を逃したらない」というのを理解をしてくれるかどうか。

峰:ちょっとお二人にみてもらいたい土地の図があるんですけどいいですか?

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