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「ずっと」を手放す準備を始める

いつの間にか大きくなっていった恋心がある。
そしてそれがきっといつからか執着になっていたのかも知れない。

私は来月末に、失恋をしに行こうと思っている。

失恋をする、というよりかはラインに残っているこの人の名前を消そうと思っている。

遠距離恋愛なら誰かに話を聞いてもらえたかもしれないけど、すでに遠距離片思いですらないものになっていった。

部屋が片付かない。ライブのチケットが取れない。この人との結婚できない。洗濯物が乾かない。

自分の中にある悩み事の断トツのトップにあったはずの悩みは順位を落として、日常の小さな、だけど鬱陶しい悩みの一つに変わっていった。

相手の明確な未来に明確に自分がいない。
自分の見えない未来にはその人がいる。
自分で明確じゃないものの中にその人がいる。
むなしい。
寄りかかりたかった。見えないものの中でだけ輝いている。
じゃあ私の現実には?ぼんやりでも考えるその将来には?居る?その人居る?

きっとくるであろう心の痛みから目を背けるために、小さなモヤモヤを持ち続けてきた。

「遠くにいる人が好きなんだよね」

そう言ってたら何かから目を背けれた経験が、このモヤモヤを手放せないでいたんだと思う。

でもよかった。話して。
相手からしたら普通に話してたんだけど。

何か誰かと失敗しても、ここに帰ってきたら。
誰かに馬鹿にされても、ここに帰ってきたら。

でも帰ってきたつもりでもそこにはなんにもなくて誰もいなくて、結局一人だったんだよね。

目を背けるのをやめようと思って。

すごく好きなこの人は、私のことを好きじゃない。その人の未来には私はいない。
多分私の未来にも居ない。

諦めの悪さで、今日。今。じゃなくって、今日、今、準備を始める。

ライン消えても、思い出だけ残っていくのってなんでなんだろ。