美しく生まれたくて
私はかわいい。
そう思い込んで生きている。
そう思わないと自尊心が死んでしまうからだ。
私の周りにはきれいな女友達が多かった。
私以外はみんなモテる子だった。
そんな子たちと仲が良かったので比較されることがよくあった。
友達と、後ろ向いているときに
「どっちがタイプ?」
なんて露骨なことを言われた。
もちろん私は選ばれなかった。
私には男友達が多かった。
自分の性格は重々承知している。
普段はとても陽気で男っぽい。
男友達と話す際、
「○○ちゃんってさ」
と友人の話を持ち出されれる。
男たちによるあけすけな女の品評を聞かされる。
私はお前は女じゃない。といった評価をいただいた。
SNSに友人との写真を上げると
「右の子がかわいい」
「写真に写ってる子を紹介してほしい」
とコメントやDMをもらった。
写真を上げているのは私なのに、どうして私をほめてくれない。
生活のために水商売を始めた。
「ちょっと別の子に代わって」
「ブスは酒頼むな」
外観の判別はよりシビアなものだった。
男たちのなんとも思ってないような言葉に毎回毎回死んでしまいたくなる。
それと同時に自分も他人と比較を行ってしまうようになった。
化粧も自分に合う化粧を見つけ、改善を重ねている。
他人と比べてそこまで自分は悪くないと思い込んでいる。
多くはないがたまに自分の顔をほめてくれる人はいる。
万人受けする美人にはなれないが、今の自分を気に入ってはいる。
変えたい部分もたくさんあるが。
私は美しくはないが、かわいい。
他人と比較し、自分を奮い立たせ自尊心を保っている。
そう思い込んで他人の評価に怯え、傷つき、今日も生きている。
これでアホほど酒を飲みます。