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気功師の嘘と真実

気功師というと、怪しい治療法を謳う人や、宗教団体の勧誘方法、テレビのヤラセなど、さまざまな疑惑の的になる職業、というイメージがある。

そもそも気功というのは、中国古来の健康法の一種で、『導引』『行気』『吐納』『定功』『静功』『調息』『静坐』などの健康法をまとめた総称である。

では、それを踏まえた上で気功師とは一体何者なのか。ただの健康な人なのか。

どうすれば気功師になれるの?

気功師とは一体何者なのかを説明するにあたって、まずは気功師のなり方について説明していこう。

気功師になるためには、生まれもった才能や、気功の先生に師事して厳しい修行をする必要は、一切ない。「今日からわたしは気功師です」と名乗るだけで誰でも気功師になることができるのである。

気は証明できない

誰でも気功師になれるので、半端な気功師が詐欺まがいな気功治療を行なっているかもしれないという疑惑は拭いきれない。しかし、そんな気功師を誰も偽物と証明することはできない。

なぜなら「気」は目に見えず、そもそも気功治療に科学的根拠があるわけではないからだ。なので気功師が本物か偽物かなんてことは誰にも分からない。気を信じる人が気功師を本物にし、気を信じない人が気功師を偽物にするのである。

さて、困った。

本物の気功師はいる

中国古典の『難経』には「気とは物、人の根本なり、根絶ゆればその葉枯れるなり」とある。東洋思想では、気は人の根本であり、人の活動を支えるエネルギーのことと考えられている。

本物の気功師とは、まず自身の気を活性化させることができ、尚且つ、その気を相手に分け与え、相手の気も活性化させられる技術をもった人だといえる。

東洋医学において、病気は気の滞りや消耗などによって起こるもので、気が充実している病気にはかかりにくくなると考えられている。つまり、本物の気功師とは、気が充実しているため元気で、精神も落ち着いていて、のびのびとしており、いつも幸せそうで、ポジティブな、良い雰囲気の人である。

そんな人が自分と真摯に向き合ってくれて、真剣に悩みを聞き、おまけに手をかざしてくれようものなら、病んでる心も体も治りそうなものである。

要は、気の問題である

ちなみに偽物の気功師というのは、自身の気が充実していないにも関わらず、自身の気を人に分けようとする人である。気が充実していない気功師は、欲情に流されやすかったり、欲望を抑えられなかったり、自分の治療を目立たせるために他の治療をけなしたり、脅したり心配させたりして治療を強制したり、治療経験や経歴などを語って自分がいかに凄い人かを自慢することになる。

直感的に、「この人はなんか怪しい」と思ったら、その人の気功治療は受けないほうがいいだろう。

まとめ

気功治療は効いていると思えば効くし、効かないと思えば効かないものである。これは、ただのプラシーボ効果か宗教じみた思い込ませじゃないかと非難される原因にもなるが、気功師の中には、正真正銘本物の気功師もいる。本物の気功師は鍛錬で自身の気を練り充実させ、気の消耗した人に、自身の気を分け与えることができる治療人である。

参考文献
導引養生功 単行本 – 1996/2 張 広徳
気功療法実践 単行本 – 2005/3/1劉 貴珍 (著), 李 敬烈 (翻訳)
難経 単行本 – 2008/6小曽戸丈夫 (著), 小曽戸洋 (著)

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