「はみ出す塗り絵」について考えた
島根県松江市で「障害のある人たちの表現活動」というテーマで講演をしてきました。終了後に、障害のある娘を持つお母さんから「娘が塗り絵の線を無視して色を塗っている」と相談を受けました。
美しい!
画面全体に広がっていくような美しい色彩に、僕は自分がそれまで抱いていた「塗り絵」の概念を覆されたような気持ちになりました。
お話を伺うと、「最初は枠内に塗っていたけど、だんだんはみ出してきてこのやり方になった」とのこと。
きっと彼女は自分なりの塗り方を見つけたのでしょう。
一番の問題は、彼女の周りに理解者がいないことです。
周囲の人たちには、「上手に塗ることが出来ない人」としか認識されていないようです。
そこで僕は、まず周囲の人たちが、これを「表現」として認識できるレベルにまで彼女の活動を近づけることも、ひとつの方法ではないかと提案しました。
つまり、下地の線を消してしまうことです。
トレッシングペーパーを敷いて上から塗ってもらう、色鉛筆ではなくカラーペンで描いてもらうなど、いくつかの方法を提案しました。
まずは彼女の色彩の豊かさだけを伝えることで、「この塗り方は彼女にしか出来ないやり方である」ことが理解されるのではないかと考えたからです。
いちばん大切なのは、彼女の塗り絵を周囲が一緒になって面白がることができるかということだと思います。
そこに障害の有無は関係ありません。
ひとには、自分のことを必要としてくれる、一緒になってわくわくできる仲間が必要です。
ひょんな出会いでしたが、僕はこれからも彼女の塗り絵を見つめていきたいと思っています。
講演依頼は、こちらまで
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