オフ等

話そうボクらの生理現象

これは人間の話。小三の元旦、ボクは属する少年野球団で初めて元旦登山に参加した。そして山登りの最中、ウンコを漏らした。オムツを卒業してから初めてのことだった。

あの日は寒かった。日の出に間に合うよう朝四時から体を動かし、豪勢な食事をため込んだお腹を急激に冷やしたのが原因だと思う。

サラッと書いてはいるが、相当肝も冷やしたはずだ。
言語化できない、この初体験のおぞましさだけ伝わってほしい。
だってまだ2合目に達する前から、股にウンコが流れているんだぜ。道中トイレは無い。

これからのぼろうとする人間の腹なんて下しちゃいけんぜ、山の神さんよぉ。。


幸い一緒に頂上を目指していた四十名ほどのチームメイトやその保護者らにバレることなく…いや、実は一人だけ「おいウンコ踏んでるぞ!」と指してきた上級生がいた。

バレては嫌だ!と、ボクは驚いたように足をブンブン振ることで、【ツイてしまった奴】を演じた。だけど足裏ではなく、ズボンの内側から足の甲に直下してきたことで付着したそれは、冷静に観ればどうやっても踏んだことにはならない。

でもそれ以上に彼が言ってきた訳でもないので、羞恥の思いは記憶していないのだ。

事なきを得た(?)ボクは帰宅後、自宅に居た両親に呆けた顔で説明した。
「正月から、ウンツイてるなー」なんて笑ってくれた父や、怒りもせずただ体調を心配してくれた母がボクの身近な人だった。

ボクはともかくシャワーを浴びながら、両親の対応の暖かさを噛みしめた。
そして
言いふらさなかった上級生の優しさにも感謝すべきだな、と思い出しながら大晦日に母が綺麗にした風呂場に、早速汚物を流すのであった。



ここまで読んでくださった方には、まず御礼を申し上げたいです。
こんな入り方の文章に、時間を搾取されて嬉しくない方がほとんどだとは思いました。しかしそれでもこんな導入である必要があったのです。


冒頭二行目までで読むことをやめた方が大半だろう、と予測するのは間違っていないと思います。

エログロのような[閲覧注意]と前書きされたwebページやYouTube動画はある種、マナーのような意味合いもあるのでしょう。
(単純にそれが無いと、嫌な思いをしたユーザーが二度と近寄らなくなり、PV数として如実に表れるのだとも思うけど)

でもなんか、ネット時代よりずっと前からそういう配慮と呼ばれるような、人間と環境がもたらす思想的な決め事はずっとあったのだと、一つ知るきっかけがこの頃ボクの中でありました。

男なりに考える

ボクは先日、生理用品にまつわるトークイベントに出向き、生理用品のこれまでやこれからを聴き触れました。

その中であったのは、生理という現象が謎や怪奇現象として隔離された歴史、医学・科学が発展してきた後も軽々しく口にしてはいけない風潮や、根性論でねじ伏せる社会の体質が今なお続いている半面があるとの話でした。

驚嘆でした。
辛いなら辛そうにすりゃいーじゃんとか言えないのね。せめてそれだけはわかったよ。
痛みを持たぬものとして気持ちが曇ったりもした。

そもそもなぜ男性のボクがそのような場に居たのか? そう首を傾げる方もいらっしゃると思います。ボクもチケットを予約した時から、男一人なんじゃないかな?と不安ではないヤキモキはありました。

それは「マイクとか向けられたらちょっと困るなあ」みたいな、思い込みの激しい思考によるものでした。
質疑応答コーナーで波が立たないときに、「せっかくですし何かありませんか?〇〇代表として〜」みたいな振り方をすることって結構目に浮かびませんか?

実際には、会場にボクを含め五人の男性を目視できました!全体の一割くらいでしょうか。
質疑応答も大変盛況しておりましたし。

が、もしそんなことになった場合に向けて、言葉を用意していたむっつりがボクです。以下ボクによるボクのための妄言↓

「知った口ぶりは決してできませんが、生理に関しての話をこういった場ですんなり交わせるというのは、とても素晴らしいことだと思います。

そして、例えば今この場にボクが居るように、【男性を巻き込んでも生理について話あえる景色】が日常となれば、女性がもっと楽になる部分があるでしょうし、男性にとっても教えてもらったり伝えてくれることで助力しやすくなります。

ですが、例えば本日ご来場のみなさんの中で、後日自分が属する社会で、今日の催しのことや、あるいは自らの月経体験や特徴などを、男性に話せる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?」

……何だろう、最終的に手なんて挙げさせようとして、独壇場にでもするつもりなのだろうかこいつは。↑

さておき

つい先日、東 洋子さんのこちらの記事をご覧になった方はとても多いと思います。

生理について東さん自身の縦軸と、台湾のカルチャーとの横軸を述べた素朴な文章でしたが、とてもしっくり腑に落ちたのは、存外ボクなんかが勝手に思っていたことに、内容が近かったからことに因るかもしれません。


あぁ、きっと変わっていくんだな。

令和を生きる女性は、自分が「生理中」だとなんのためらないもなく周りに伝えられる。そして生理があることの尊さ、生理にまつわる不快感とそれを軽減できる過ごし方を、男女問わずみんなが理解している。

生理だけじゃない。いろんな人が持つ不快感に耳を傾けられるように。

そうなりたい。そんな社会がいい。頷くように読みました。


だからこそ、だからこそボクの質問提起(妄)に
手の挙がらない女性に対し、アプローチしてみたいのです。
性別が男の人間として。

「好き」勝手な捉え方

まず、どうして女性が生理について話しにくいのか?ですが
一つ、そういう風潮(教育)の中で生きてきた
というのと

少なからずセクシャルな部分に踏み入った話題であるからではないでしょうか。同じ女性同士であっても、年や立場の差が生じるだけで臆してしまう方もいると聞きます。
真に近い女性でなければ話しにくい、というのが現状と言えるでしょうか。


性的であるという言葉を紐解くことが下手
、だから日本の今の常識みたいなものが存在すると思います。恥ずべき物事、秘め事として個々人に内在させることを強いてきたこの背景は、すぐには拭えないかもしれません。


会社の男性に生理中だなんて言えないのは、性的であるから。

なので立場を変えましょう。生理とあなたとの立場を。

ここであえてもう一つ昔ながらの物を挙げたいと思います。
漢字です。今更そんな物、とお思いでしょう。

漫画家の今日マチ子さんは、この世にある奥ゆかしさをスッと差し出してくる方です。
そしてこの投稿はボクの中にいつも絶えず残っています。

女を兼ねると嫌になるーーあくまで考え方なので、慌てず聞いてください。
女性の否定などではありません。

ボクには同居する彼女がいます。無印で働く彼女は仕事の日は無印ファッションをきっちり着こなし、無印の店員さんになりきっています。
そんな彼女の休日とはいかにも愛らしい。


だらりだらり三時、四時に起きたりスマホをいじったり、ともかく布団の中から出てこない。小一時間もすると今度は近所のマクドナルドに行く!とパジャマにアウターを羽織っただけの格好で、ジャンクフードを買いに出かけるのです。もちろん化粧なんてせずに。

彼女のそんな姿は、少なくともこれまで強いられてきた女性の姿を大きく逸脱しています。親世代などは「はしたない!」なんて声を荒げるやもしれません。


でも彼女の休日は彼女のもので、嫌なことをしたくないのは当然です。
まさしく女を兼ねない存在を満喫しているのです。
それでは女を兼ねないとすれば、彼女はどんな存在だと思いますか?

もう一つ大きなくくり「人間」なのです。ただの。

一方、今度は「好」という漢字を取り上げます。
諸説ありますが辞書を引くと文字のままの語源らしいのです。

「女が(我が)子を思う気持ち」

野暮な話ですが、ボクが彼女のことを思う気持ちはそれに近いので納得しています。


休日の人間のだらしのない自然な姿。ボクはそれを見て「いいぞダラけるんだ」と応援しています。

もとより一緒に生活をしている中で、めくれた布団を掛け直し合うようなことが多々あり、いわゆる恋人関係というよりは、子の面倒を見る親のような気分を抱くこともあってか、ボクは彼女を「好」きなんだな、と実感できています。

ここからは完全に男兄弟に生まれたボクの想像。

女性の方が初潮を迎えたとき、お母さんは心配してくれませんでしたか?

もし自分が母となり娘にその時が来たら、心配しませんか?

子を思う気持ちってそういう物だとすれば、腑に落ちませんか。

ボクの考えと提案はこうです。

生理の話ができない=セクシャルなことが嫌
=女(自分)として話すのは恥や精神的苦痛があるから

一つ大きなくくりに立ち戻る 【脱「嫌」】
・女ではなくただの人間として感覚を持ってみる
     ・相手のことも異性や歳上ではなくただの人間として見る 

好きな存在のこととして語る、医者に娘の症状を説明するように
【「好」の代弁】



嫌うことがもし女としての立場の感覚なら、一度手放してみる。
自らのこととして言いにくければ、生理に苦しむ世の女性のために口を開いてみる。それは明日の自分だっていい。

都合のいい考え方でしょう?
都合のよくない生理にはぴったりだとは思うのですが。

大事なこと

彼女は自由気ままな休日を過ごしますが、大事なのは立ち戻ったくくりは一つだけということです。

だって服だけは着て、代金を払うのも「人間」だから。それさえしないとさらに大きなくくり「生き物(野生)」にしか当てはまりませんから。その節度だけは守っていることは、言わずもがなですが重要です。

言いたいことは
あなたが嫌を避けるために、人間としてセクシャルな話をしても、意に介さず、相手が「男」あるいは「生き物」として受けることは現状として多々ありえるという点です。

生理についての話を聞き、面としてではなくとも、影でニヤつく下卑た輩がほぼほぼ居るでしょう。現時点で居ない社会だとすれば相当リテラシーのある集まりだと思います。

もちろんそんな奴らが撲滅されていくような風潮を作るのが、これからの男性側の使命であると思います。

女性側はそんな奴らを人間として見なくていいです。
糾弾できるならしてしまえばいい。そういう輩が生理と女性を縛り付け、嫌な物へとするのだから。周りの女性や理解ある男性を巻き込んででも、認めないでほしい。
女性の好きのために。


話して、話して、やっと話せる

生理について話せる女性に感化され、別の女性も自らのことを話せるようになる。それが広まって広まって、普通へと近づいていく。

どのくらいかかるかな。過去最速を目指せる環境下ではあるのかな。

ボクはですね、心身ともに男ですが、生理現象なら等しく人間として話せるじゃないかと思い、冒頭の話を用いるに至ったのです。

思うのはね、男の方がちょいっと失敗談的に話すことはうまいのかなってこと。
自虐が得意な女性もいるとは思うけど、「女性」というくくりでみんながみんな自虐し始めると、元のルートに戻ってしまうので。

生き物の不思議・仕組みとして話すか
ちょいっとおどけるか そこは選べる自由がもちろんあるべき。

生理が失敗だなんて不謹慎な!みたいな生理教の方にはボクの声は聞こえないでしょうが、他人の怖く辛いマインドを緩和させるために他人がおどけてみせるなんて、こんなにも人間らしい現象はないんじゃないですかね。

いや強張った顔で無理に笑おうってわけじゃなくて。
それこそが生理現象ってオチなわけで。

ただひたすら性別に縛られずさ、初めての生理現象をフランクに話し合って、ちょっと笑いあったり、励ましあったり、違いを尊重しあえれば、それが一番いいんじゃない?

ボクなんかは、優しくしてくれた両親や上級生の存在を有り難がって、こうして今のジブンへ通じているわけですから。

ウンコや血を股から流したくらいで「社会的に死ぬ」とかも嫌いだ。
人間の社会なのに、人間の身体構造を露わにすれば死ぬって矛盾が面白くて大っ嫌い。
オムツ大国化はもうすぐそこまで来ているから、そこも緩和していけるはず!

言いたいことは書いたので
あとは #話そうボクらの生理現象  がちょいっとでも
広まっていけることを何かしたいな。

ボクは拡散力が皆無ですので、お読みいただき共鳴した方は
是非是非話していただけると、あなたのことも好きになれます。

まとまりがないです!

まだまだ締まりがないぜ、少年よ笑

長々とありがとうございました。

もしもバスったらボクが生理と向き合いたいきっかけとなった話も
徒然なるままに書きたいと思います。

応援よろしくお願いします。
ボクもあなたを応援いたします。 人間らしくね    

arigato,Kushi

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