名刺づくりはデザインじゃない。愛で行うブランディングだ。
このごろ、名刺づくりのご依頼をいただくことが多い。
(実際に受注に繋がるかはともかく・・・。)
以前の記事にも書いたように、僕の名刺に対する思い入れはなかなか強い。
これは、名刺がその人の分身であり強力なコミュニケーションツールであることを実感してきたからだ。本来、初対面の相手に自分の特徴やストーリーをしっかり伝えるには時間がかかるが、名刺はそれを視覚的に一瞬で相手に伝えることのできる力を秘めている。
僕は前職で人生の師匠の一人と言える上司に出会った。その方の魅力は数知れないのだか、特筆すべきはコミュニケーション能力だった。彼は名刺交換から滑らかに会話を始め、相手の心を掴む。豊富なボキャブラリーと知識を駆使して相手と自身の共通点をすぐに探し当て、火を起こす。そのテクニックに驚愕したのを覚えている。
仕事のパートナーである上司に対抗すべく僕なりに考えた方法が名刺をユニークなものにするというアイデアだった。当時コミュニケーションが苦手だった僕はツールに頼る手段に出たわけだ。狙いは大当たりだった。名刺のおかげで自信が付き、人と出会うことやデザインが更に楽しくなった。
そういった思い入れがあるから、大切にしたい方から名刺を作ってと言われたら楽しくもありプレッシャーでもある。僕が作る名刺がその人の分身となって多くの出会いを演出するから責任重大だと僕は感じる。その分やりがいは果てしなく大きい。
55mm×91mmの中にどうやってその人の魅力を落とし込むか悩みに悩む。素敵な写真を撮ったり、イラストを描いたり、その人の気持ちを代弁するようなコピーを考える。
そのために、その人とたくさん話す。その人の活動や仕事を見に行く。その人のバックボーンを聴き、感じる。このプロセスにときめく。僕は強みと呼べる明確なものはないが、人に興味を持つ能力とそれをダイレクトに表現できる能力はかなり高いと思う。
ここまでくると単にデザインではないなと思うし、「これはブランディングだ」と考えている。
僕が名刺をつくる場合、両面のデザインで50,000円いただいている。
(2023年7月時点・印刷代別)
馬鹿げた価格だと思う方もいると思うし、実際に高いと断られたこともある。だけど値下げすることはない。
僕は〇〇デザインと名乗っておきながらデザイナーになりたいわけではない。人の出会いをお手伝いするきっかけになる名刺づくりが、僕の行動指針「人間らしさをデザインする。」にピッタリ当てはまるからつくっている。
だから僕よりデザインの技術がある方はいくらでもいる。でも僕の特徴は上記のような「人を愛する力」にあると思っている。本当にその人の力になりたいと思った時の僕のエネルギーは自分で言うのもなんだけど、凄いと思う。
そういった付加価値で名刺を作っている。
単にお洒落に見える名刺を作りたいなら僕にお願いする理由は確実にないし、ココナラなどのクラウドソーシングサイトを使えば1/10の価格でつくれる。
こんな面倒な考えに価値を感じてくれる方にぜひご依頼いただきたいし、そんな方とはきっと価値観が合って僕も全力になれるからwin-winだ。
名刺のサイズは小さく、載せられる情報量も限られている。50,000円もいただくからといって豪華絢爛なデザインの名刺ができるとは期待しないでいただきたいが、上に書いたような気持ちは込められる。
そんな名刺をあなたが気に入って、自信満々の笑顔で人に渡す瞬間に真価が発揮される。こういった仕事を極めたい。
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