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能登ボランティア活動・報告記

こんにちは!
猛暑、猛暑でカラダが参ってしまうような暑さが続いていますが
いかがお過ごしでしょうか。

ところで
令和6年(2024年)8月23日(金)~25日(日)の3日間
能登半島でボランティア活動をいたしましたので、報告したいと思います。

今回お邪魔したのは
能登半島のほぼ中央部の”穴水(あなみず)”町になります。

私も、穴水町はおろか能登半島は初めてになります。
前日の朝に広島市を出て、新幹線やJR七尾線、のと鉄道を乗り継いで
穴水駅に到着したら日が暮れていました。

のと鉄道・七尾駅にて

地図で”穴水町”を示すと下記のようになります。
参考までに能登半島の地図をのせておきます。

石川県と能登半島の地図

今回の能登半島でのボランティア活動ですが、
個人で現地へ飛び込むのではなく、以下の段階を踏まえての
活動になります。

① 現場での実地活動
  ⇒ ”どこでも足湯隊”のメンバーとして活動

② 現地での受け入れとコーディネート
    ⇒ NPO法人”レスキュー・ストック・ヤード(RSY)”さんに
   ボランティア活動先の手配と宿泊のお世話になります

③ 一連のボランティア活動の大元は
 ⇒現地”穴水町社会福祉協議会”によります 

少し説明を加えますと

① どこでも足湯隊
 今回ボランティア活動での直接実行部隊になります。
 東京の有志が集まって、長年にわたって東日本大震災の被災地で
 足湯・サロン活動を行っています。
 私も過去に東日本大震災の被災地(岩手県・福島県)で参加しています。

② レスキュー・ストック・ヤード(RSY)
 名古屋市に拠点をおくボランティア団体ですが、今回の能登半島地震では
 穴水町の陸上競技場の管理棟に事務局をおき、③穴水町社会福祉協議会の
 依頼に基づき、地元のニーズに応じたボランティア活動を行っています。
 同時に我々ボランティアの受け入れも行っており、今回は事務局の中に
 ある宿泊施設をお借りして活動させていただきました。

したがって、私たちも活動するときは
③穴水町社会福祉協議会さんの依頼にもとづき
②RSYさんがコーディネートしてくれた仮設住宅の集会所などへ
①”どこでも足湯隊”のメンバーとして
活動させていただくということになります。

実際にボランティア活動するときには
以下のように穴水町社会福祉協議会のボランティア・ステッカーを
胸につけて活動するように求められます。

活動前に必要事項を登録して、上記のステッカーをつけて活動します


外部から見ると、すこしややこしく見えるかもしれませんが
地元のニーズをくみ上げ、被災者の皆さまに適切なボランティアを
提供するには、この方法がより適切で効率的ではないかと思います。

そして
私ら県外からくるボランティア・スタッフにとっても
時間のロスを極力無くして、安全に活動できるだけでなく、
滞在中の宿泊施設も提供してもらえるので、たいへん助かります。

RSYさんの事務局がある建物のなかで私たちも寝泊まりしました

じっさいに穴水町へ来てみて
まだまだ震災の影響が残っているところがありました。
地震により、地面のひび割れ箇所が多く、修復がすすみつつあるも
道路がデコボコしており、車も徐行して進まなければなりません。

さらに地盤沈下もはげしく
下の写真をみると、海面と地面とがスレスレになっていて
台風が近づいて高潮になると、あっという間に浸水してしまうような
状況です。

穴水町の風景、地震で海面すれすれまで地盤が沈下している。高潮の被害が懸念される

穴水町内では、あちらこちらに仮設住宅団地が建設されて
入居もはじまっていますが、いざ滞在してみると震災の影響を
感じてしまうことが多くありました。

ボランティアとして、
RSYさんが用意していただいた宿泊施設に滞在して
感じたことは以下のようになります。

なお、2024年8月25日現在の状況なので
今後、復旧作業がすすむと変わっていくと思われます。

① 宿泊させていただいている施設の上下水道がまだ使えないので
  隣接する仮設住宅の集会所にあるトイレや洗面所を借りています。
  トイレは1つしかないので、時間帯によっては混雑することも。

② 食事など自分たちが出したゴミは持ち帰ることになります。
  水道が使えないので調理不可ですが、電子レンジ、ポットはあります。
  風呂は徒歩圏内の入浴施設を使います(夜9時まで、500円)。

③ 周囲にお店がなく、お店には徒歩20分くらいかかります。
  またコンビニもふくめて夕方19時頃には、閉店するので注意。

④ 宿泊施設は、エアコンもあって猛暑・熱帯夜でも快適に過ごせます。
  ただし寝具がないので、各自寝袋を持参する必要があります。

といった特殊事情です。
しかし、震災発生時からインフラが使えず、長らく水道がまったく
使えなかった被災者の皆さんの苦労を思えば、比較にならないと思います。

また、このたび宿泊させていただいている敷地は、
本来、町の陸上競技場だったのですが、これを急きょ仮設住宅を建設して
多くの被災者の方が入居しています。

陸上競技場なのでスタンドがありますが
このスタンドの下が、事務棟になっていて、RSYさんの現地事務局と
このたび私たちが寝泊まりしている宿泊部屋があります。

もちろん大規模な仮設住宅が隣接しているので、
夜間は静粛にするよう気遣わなければなりませんし、
住民の皆さんの迷惑にならないよう配慮も必要です。

私たちが寝泊まりした同じ敷地内には大規模仮設住宅があります

さらに、他のミッションをもったボランティアさんも
多数宿泊していますので、互いに協力し合って生活しなければなりません。

当時は、名古屋方面から来られた個人ボランティアさんのほか
訪問健康相談をおこなう医師・看護師さんのグループの方と宿泊を
一緒にさせていただきました。

ちなみに、いっしょには宿泊していませんが、
広島から大学生のボランティア団体”イマジナス”のメンバーさんとも、
朝のミーティングで一緒になりました。

そして次のように
足湯とサロンのボランティア活動を行っていきます。

今回は1日1カ所の仮設住宅のなかにある
集会所へお邪魔して、足湯とサロン活動を行いました。
これを3日間行い、合計3カ所回りました。

これら訪問先は
あらかじめRSYさんが事前にコーディネートしてくださっています。
訪れる場所や、現場で対応して下さる担当者、時間などを決めて
訪問前の打ち合わせで詳細を教えて下さるので、それらに従って
活動するわけです。

足湯・サロンの活動ですが
大きく分けて2つあります。

ひとつ目は”足湯”で元気になっていただきたいことです。
直接、足を温めることで健康にも良いのですが、
この間ボランティア・スタッフと会話することで
これまでの暮らしで困ったこと、お悩みごとを打ち明ける方も
多いのです。

もうひとつは”サロン”活動
お茶とお菓子を飲みながら、ボランティア・スタッフと
同席した他の住民の皆さんと交流をして今後の暮らしの
活力になってもらいたいことです。

さらにオマケになりますが
その傍らで被災者の皆さんを整体やマッサージを行いながら
ながく疲れて堅くなったカラダをほぐして楽になってもらいたい
ねらいがあるのです。

整体ボランティア活動・2日目仮設住宅近くの公共施設内にて

そうして足湯をされたり、サロンに訪れる方の多くは高齢者です。
独り暮らしという方も多いです。

ここで住民同士にお話ししたり、
ボランティア・スタッフに語りかけることで胸の内がスッキリされると
いう方も多くいます。

震災で自宅を失い、避難所生活が長く続くと
どうしても、お身体や心にも不調がでてきます。

足湯とサロン、そしてマッサージや整体で
身体を楽にして、語っていただくことで心も楽になってほしいのです。

被災者の方が語った内容については、個人の秘匿性を守りながら
RSYさんに報告いたします。

ただし心身の著しい不調など緊急性が
見込まれる場合は、早急に関係先に対応していただけるよう
その旨特記して報告いたします。

足湯をしながら、被語らいをします(プライバシー保護のため画像を加工しています)

今回、3日間にわたって3カ所まわりました。

初日は15戸のみの小規模仮設での活動でしたので
訪れる方は3名の少人数でしたが、震災後や避難所生活での
ようすなどを、長時間いろいろ聴かせていただき
コチラも大変勉強になりました。

2日目は
比較的個数の多い仮設住宅団地での活動でしたが
集会所がなく、隣接している福祉関係の公共施設のロビーをお借りしての
活動でした。

印象的だったのは杖をつかれて足腰の悪い高齢の女性が
足湯で気持ち良くなったうえに、私の整体を受けて帰るときに
杖を忘れて帰られたのです。別の意味でその方は嬉しくなって
踊りを習いたいとおっしゃっていました。

このように訪れた方に
心身に希望の火を灯していただければ、ボランティア活動としての
やり甲斐を感じるときでもあるのです。

3日目は
午前中2時間だけの活動にたいし、多くの住民の方がお見えになり
足湯も整体もたいへん忙しかったです。

足湯をしながらの語り合い(プライバシー保護のため画像加工しています)

いずれも印象的なのは
RSYさんからの事前連絡をうけた各仮設住宅団地の自治会長さんが
このボランティア活動に対して大変協力していただいたことです。

自治会長さんに聴くと
仮設住宅には、被災した地区がまとまって入居するわけでなく
町内のあちこちからバラバラに入居してくるので
隣に済んでいる人がまったくわからないこともあるとのことです。

そのうえ
高齢者が多いなか、いっぽうで平日の日中は仕事で外出する人も多く
その結果、自治会が立ち上げにくい、まとめにくい、
何もかもが”これから”だという悩みを抱えていらっしゃいました。

そのなかで
足湯隊が来ると言うことで、事前にチラシを掲示したり
各戸にお声がけをされて、何とか盛り上げようと
取り組んで下さっていました。

ちなにみ2日目の穴水町での活動終了後に、
隣の輪島市を視察しましたが、まだまだ倒壊した家屋が残り、
社会インフラも復旧途上のように見受けられます。

輪島市内の倒壊したビル

東日本大震災の被災地と同じく
復興に至るまで、かなり時間がかかるように見えます。

時間がかかれば、それだけ不便で不自由な暮らしを
強いられることになり、それが負担となって心身が不調になる
怖れも高くなってきます。

心身が不調になるまえに
足湯とサロン活動、整体による心身調整で
少しでも被災者の皆さんの健康にお役立てできれば
幸いだと思っています。

穴水町・仮設住宅の集会所でみかけた機関誌

(おわり)
導眠整体らくしん館 永見(広島市西区)


 


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