ジャンプで新たに連載されたボクシング漫画について🥊
嗚呼、また自ら谷底へ落っこちる道を選んでしまったのか…。
ジャンプに於けるプロスポーツ漫画というのは鬼門中の鬼門なのである。
部活ならまだ大丈夫だったろうが、よりによってプロである。
ジャンプの歴史においてこれまで多くのボクシング漫画が描かれて来たがその悉くはヒットすることなくKO負けの運命を辿って来た。
出る前に負けること考えるバカいるかよ!とアントニオ猪木が遺した言葉があるが、ジャンプで始めて描かされる人はプロスポーツや部活のスポーツをテーマとしたものを描かされることが目立つ。
監修に戦後の日本の歴史に詳しい人やジムや選手とかが就いているようだけど、果たして今の読者はゼロ年代生まれが多いことを見越しているのかも知れないがまだ戦前生まれの曾祖父母世代(ギリギリ80代くらいならまだ)が健在の所だっているだろうに。
大丈夫だろうか?
フィクションとは言え“嘘”は描けない。
力道山を観たり、白井義男を観て来た人がまだ生きている筈である。
それだけ日本人はまだ長生きしている。
鬼滅の刃ですら漸く大正時代を描くことが出来たのだから。
正直、我武者羅で泥臭いプロスポーツを読むのならあしたのジョーを読めばいいのである。
これまで繰り返して来たが、今のボクシングはエリートがやるもので雑草のお出ましですらないのである。
アマエリート達がC級をすっ飛ばしてB級テストを受け最速で日本王座や東洋太平洋や世界タイトルを狙いに行くものとなってしまっている。
こういう身も蓋もない現実を突きつけられてしまうと、アマ経験のない雑草達がボクシングなんてやる気にも起きやしないだろうと思う。
それだから1分だけの喧嘩ファイトみたいな興行が流行るのだろうと感じる。
そういう現実を突きつけられたらもう漫画でのプロスポーツなんて描けやしないと言うことくらい分かってしまう。
野球ですら文字を覚えるよりも先にバットとグローブとボールを握らされる。
野球も駄目、フィギュアスケートも駄目、卓球も駄目、ボクシングも駄目、ある意味散々ジャンプ漫画が雑草から強くなっていくというよりも血統によって導かれるのだということを描いて来たものが現実となってしまっているようにも感じる。
子供に投資が出来ない貧乏人はアイドルを目指すしかないのである。
とは言っても、やっぱりアイドルも一日にしてならずなので投資が必要になって来る。
結局投資を頑張った子供だけが生き残り、寄せ集められても切り離しロケットにしかならない人が数多く存在することになる。
アイドルになり損ねた人はホストとかに行くのだろう。
それはそこで花開くかもだが、そうしたホストの世界もまた競争の世界なのでそこでも敵わなければどこへ行くのだろう。
誰も切り離しロケットのことなんて考えないのだから彼らは大気圏で焼失するのだろうきっと。
漫画の世界でも切り離しロケットのことなんて誰も考えない。
同じ意味で使われる「噛ませ犬」と言うのがある。
恋愛漫画とかに出て来る主人公や恋人(ヒロインや男)の力を量る為の雑魚キャラだろう。
ハーレムエンドには絶対にならないのでいちご100%ですら3人とも噛ませ犬となってしまったのだ。
そう言えば、7年掛けて終えた終末のハーレムもアレも一応恋愛漫画らしかったのだが、主人公の恋路を邪魔する恋敵みたいのは初めから存在しなかったなと感じる。
あれは主人公がどれだけ貞操を守れるかと言う話だったからである。
主役と言うよりも、残り四人の男たちが噛ませ犬と言えばいいのかどうかは分からないが、もしその場の主役だったらと言う置き換えみたいな描き方だったのかも知れないと思う。
これは本題ではないので別の機会にするが、バトル漫画では次から次へと登場して来るライバル?が主役の前に立ち開かっては和解していくというパターンを繰り返していくのだが、初期の頃に負けたキャラは影も形も無くなっていくのが分かって来る。
ドラゴンボールがその典型というか黄金パターンを完成させてしまった感があって、初期の頃の悟空のライバルだったヤムチャが雑魚キャラである筈のサイバイマンの自爆にやられてしまったりとすっかりと雑魚キャラ噛ませ犬化してしまった光景を目の当たりにしたことだろう。
新キャラが出る度にその存在感を増していくので初期のキャラは飽きられてしまうという現実を突きつけられる。
この「次から次へと」という漫画における黄金パターンはトーナメント形式から来ていたりするので必然的に決勝戦は強い奴と言う認識になるのである。
野球ならハンカチ王子とマー君だろう。
ボクシングもそれで、アマチュアもC級の新人王もトーナメントが行われ最終的に生き残った者が強い奴と闘うというセオリーを引っ提げる。
新人王戦を何度も繰り返すC級のベテランがアマ王者でもないがアマエリートの餌食になるケースを何度も観て来たことか。
このアマエリート達はB級を取らなくても初めから実績のある選手ばっかりだったりするので逆に可哀想だなと感じる。
キックボクシングやMMAや空手や日本拳法などの格闘技経験者がプロボクシングライセンスを取得して新人王戦にエントリーされるとなると、対戦相手となるほぼ格闘技未経験の新人王戦にエントリーされた選手も可哀想と感じることがある。
流石に新人王戦にエントリーされる場合は1~2試合させてからだろうが、こういう生贄を作ってしまったら最早誰もプロなんかやりたがらないだろうと思う。
最近ではテレビにも映らないような前座の選手らの試合もネットで観られるようになったが、戦績が凄まじいのが偶に見受けられたりもする。
負け越しばっかりの選手が試合に臨んだりもするが、彼らは文字通りの噛ませ犬なのだろうと感じる。
ボクシングの世界は正直これで、エリートと噛ませ犬の二種類しかいない。
主役はスターなので絶対に負けない。
週刊少年ジャンプの人気投票が常に主役を勝ち続けるシステムを作り続けるので負けは許されない。
とは言っても北斗の拳のケンシロウは負けたりもするが大体は次の勝ちに繋がるきっかけを作ったりするので、常に最強を維持する。
火ノ丸相撲ですら主役が負けるところを中々見せない。作中でも呆れるくらい負けが続いたと表現されているのだが。
幾ら作中で負けを描かなくてもジャンプ自体の人気を紡がなければ作品自体が“負け”となってしまう。
どうなることやら。
初めに戻るが、道筋が一本しかなければ結果なんて分かってしまう。
リングにかけろみたいなドッカンバトルものに切り替えたりするのだろうか。
向こう4週は様子見だろうか。
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