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【全49本】2024年9月ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンだったアレコレ

9月2日(月)荻上チキSession「【特集】スケボーと都市文化(清水麻帆x小松仁美」

実はスケボーって、多様性を考えるきっかけになるカルチャー。都市を読み替えるのがスケボーの醍醐味だけど、それってダイバーシティ観点での都市設計に直結する視座。もちろん安全にスケボーを楽しむこと、周囲と折り合っていくこと、という観点もあるし。とても興味深い回だった。

9月2日(月)NHK「パリパラ 車いすラグビー 日本が初の決勝進出 豪州に競り勝つ」

この試合Youtubeで観よう。車いすラグビーは、10秒以内にドリブルかパスをすれば、膝の上にボールを乗せて車いすを何回でもこぐことができる。前方へのパスも可。しかも男女混合。つまり、一般のラグビーよりも直感的かつ野生的で、かつ男も女も関係ない衝突原理主義な競技。観てて面白い。競技相手がいるってことからして、すごい。


9月3日(火)BBC NEWS「車いすラグビーで日本が悲願の金メダル バドや陸上、競泳でもメダル獲得」

とにかく車いすラグビーの金はすごい。車いすラグビーは1ゴール1点。序盤で3点リードされても「僕たちのこれまでの積み重ねた年月は3点に負けるものじゃないんで、絶対にあきらめないつもりで1点1点追いつこうと思いました」とのこと。最終的に48-41でノーサイド。1試合の32分間(4ピリオドx8分)で、90点近く入れあったってこと。壮絶なドツキアイ試合だった。

9月3日(火)Paralympic Games「Wheelchair Rugby - Mixed Play-off & 5th & 6th Place Gold Medal | Day 5」

そりゃ試合も見るよね。日本vsアメリカの決勝戦はだいたい2:24:46あたりから。試合もそうだけどさ。インターバルの客席も一見の価値あり。満場の観客が立ち上がり歌い躍る。2021年の日本だったら、こうなってたかな。そして勝利の瞬間は3:32:56から。ノーサイド3秒前からだけでも、ぜったいに興奮する。


9月4日(水)井上雄彦「リアル16」

待ったかいがありました。やっぱり面白い。パラリンピック中に読んだから、いっそう読み応えがあった。パラリンピアンて、どんだけ凄いんだよ。

9月4日(水)Yahoo!ニュース「帰りのバスでみんなで歌った「We Are the Champions」【車いすラグビー金メダル会見全文】(1)」

いい記事だった。金メダルを獲ったのに、お酒ではなくてジュースとかコーラとかわさビーフとかポリンキーとかミレーのビスケットとかで乾杯したらしい。お酒じゃないんだね。意外。やっぱり疲労回復を考えるとアルコールは控えるんだろうか。


9月5日(木)Yahoo!ニュース「高山善廣、7年4か月ぶり公の場 TAKAYAMANIAに登場「うれしかった。本当は立ち上がりたかったけど」」

感動。感涙。「もう動けねぇ」からが勝負なんだよ、プロレスは。頸髄完全損傷。わかってる。わかってるよ。でもさ。レスラーがリングに上がったなら、立て!立ち上がれ!って、こっからだろ!って声援を送るのがプロレスマナーだろ。鈴木選手vs高山選手の緊急試合、最高だった。あれがプロレス。あれこそプロレス。誰がなんと言おうとグッドファイト。No Fear , No Life. ちなみに。鈴木選手のあの煽りはかっこいいけど、素人が素人に真似してやったちゃダメなヤツ。プロレス技と同じ。彼らは超人だから許される、ってこと。

9月5日(木)Yahoo!ニュース「交通事故で失った3人の友が「背中を押してくれた」【車いすラグビー金メダル会見全文】(2)」

池崎選手の「妻と金を獲った後の食事会の練習をした」って話がいい。それと、適切なパフォーマンスが出せる熱さ、適切な感情など、「適切」を多用していることも印象的だった。世界レベルのメンタルコントロールってそういうことなのか。フィジカルは自分一人で鍛えられる。でも、メンタルは孤独じゃ真に強くならない。彼らの心が強くなったのは、彼らの心を強くした多くの人がいた、ということなのかもしれない。


9月5日(木)Yahoo!ニュース「倉橋香衣の笑顔がガチガチに緊張した橋本勝也を救った「俺ってこんな感じで楽しんできたよな」【車いすラグビー金メダル会見全文】(3)」

あかん。この記事は泣けるヤツ。とくに3ページ目。池選手がまぜっかえすのが、いい雰囲気。それと、倉橋選手の笑顔がチームにいい影響をもたらしたと。ほんとにタフな人ってのはしなやかなんだよな。どの業界でも、どの世界でも。そこに到達するまでに、どれほどのヤマを踏んできたのか、ってことか。

9月5日(木)Yahoo!ニュース「パラスポーツは「できないこと」ではなく「どうやったらできるか」を教えてくれた【車いすラグビー金メダル会見全文】(4)」

パラスポーツの普及。とっても大事だよねぇ。でも2021年からの3年でどれくらい進んだんだろう。そんでこれからどのくらい進んでいくんだろう。車いす競技をいつでも練習できる施設って、まだ少ないんじゃないかな。俺は娘と関東近郊のパラスポーツイベントに年数回は行ってるけど、来場者はもとよりボランティアの数も減ってる気がする。参加ブースも、ひと頃はかなり派手だったりしたんだけど。でも一方で、ブース参加者には大学のサークルとか若くて意欲的で楽しくやってる人たちは増えている印象もある。彼らのような人たちと、ずっと変わらず続けている人たちと、うちみたいなミーハー層がよってたかって楽しくやることが希望なのかもな。パリを機会にさらに盛り上がるといいなと思う。


9月7日(土)NHK「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」

実家の匂いがするドラマだった。とても面白い。言わずとしれた岸本奈美さんのエッセイのドラマ化。車いすの母とダウン症の弟。ちょっとたくさんいろいろある家族から感じる、どの家族も一つしかないという普遍性。当事者のみなさんの演技が、河合優実さんの演技を食う瞬間もいい。あと、病院にとある人達が来るシーンがたまらん。そんで赤いクラシックなボルボカッコいい。


9月8日(日)CCBT「AUDIO GAME CENTER」

娘と娘のお友だちと行った。音だけで作られたゲームをプレイできる催し。ハッカソンとかワークショップもあったらしい。その先にゲームの、ひいてはデバイスや社会設計のアクセシビリティという考え方がある。そのサンドボックスの場。視覚情報に頼りっきりの娘たちはプレイに四苦八苦してた。小学生には少し難しかったかもしれないけど、今わからなくてもいい。おいおい「9月に行ったCCBT覚えてる?」と振り返ることがでければ十分な学び。大人は楽しかった。よくできめるなーと。蚊をやっつけるゲームとか、鳥に餌をやるゲームとかね。

オーディオゲームセンターのロゴ。音から作り音で遊ぶというメッセージが書かれている

9月9日(月)Yahoo!ニュース「18歳の小田凱人が金メダル 車いすテニス男子シングルスで劇的逆転勝利【パリ・パラリンピック第11日】」

すっげ。こうやってスター選手が出てくる。世代をつないでいく。きっと小田選手の活躍の背景には国枝選手がいる。活躍している人がいると、続いて活躍できる選手が出てくるんだよな。野茂のときもそうだった。ということは、だ。それまでは、潜在的な選手の進出を阻んでいた何かがあるってことで。いろんな要素があるんだろうけど。それを乗り越えてみせる意義が、とくにパラリンピックは大きい気がする。先駆者も継承者もすげーよ。

9月9日(月)パラリンピック2024閉幕式

ダフト・パンクときましたか!と思ったら彼らはフランスのアーティスト。必然の選曲だった。それにしてもとにかく派手。さすがフランス。もう理屈抜きのお祭り騒ぎがふっきれてていい。メッセージも大事だけど、御託を脇に置いといてとにかく踊ろう!騒ごう!楽しい夜を!ってことを知ってるのもまた知性。税金をぶち込んだ打ち上げ。


9月10日(火)朝日新聞「誹謗中傷を世界に拡散させた「政治的背景」とは 五輪女子ボクシング」

トランスジェンダー差別に加えて、政治的な意図をもった扇動。さらには、女性差別も。女性差別にしたって、女性性への差別やボクシングという競技の視点からの差別もある。正直、複雑すぎて、どこかから理解しようとすると、他の何かを取りこぼしてしまいそうで不安になる。できることは一つしかない。徹頭徹尾、差別に断固NOを示すこと。本当は口を開くなんて、差別に反対する時くらいのでいいのかもね。

9月10日(火)カンパラプレス「ボッチャ甲子園で船橋夏見特別支援学校が優勝!「前向きな言葉」で勝利つかむ」

もう一つの甲子園。これ生で観戦してみたかった。きっと次世代の注目選手がいる。というか、記事を見てたら、いた。こうやって裾野が広がって注目が集まって、競技が面白くなっていくんだな。競技というジャンルそのものが成長期っていう面白さもある。


9月11日(水)ハフポスト「仏パラ選手が試合後にゲイであることを公表。レインボーを手に「この瞬間を待ち望んでいた」」

「パヴァデ選手を含めて5人のゲイをカミングアウトした選手がパリパラリンピックに出場している」とのこと。セクシュアリティは障害じゃない。しかしどちらも、恥じるものでも、本当は隠すようなものでもない。まして差別や誹謗の対象であってはならない。みんな何かのマイノリティ。しかも、いくつものマイノリティ性をもってたりする。パラリンピックは、そういうことに気づく機会。

9月11日(水)朝日新聞デジタル「車いすが多数派になったら?「社会が作り出す障害」を文化祭で体験」

車いすを使う人が多数を占める社会を想定した架空の飲食店「バリアフルレストラン」。これを神奈川の市立高校が文化祭でやったっつーのが素晴らしい。娘と体験してみたかった。というか、娘にはこんなセンスのいい若者になってほしい。いや、俺がセンスの良いおじさんになるのが先か。行ったことがある知人は「すげー勉強になるよ」と言っていた。本当の学びってこういうところにあるんだよな。

9月12日(木)ePARA「-ゲームで障害者就労- 第1回ePARA就活フェスを開催しました」

障害を持つ求職者がプレゼンやゲーム活動をアピール。企業のほうは求職者のプレイスタイルから、戦略性やコミュニケーション能力、取り組み方などを評価する就活イベント。ストリートファイター6大会がある就職イベントって何だよ!最高だな!最近サウナで就活とかあるけど、こっちのほうが人柄わかる気がするよ。これにのってくる企業が明日の日本を変える気がする。

9月12日(木)日刊ゲンダイ「著書「Coming OUT!」でLGBT明かした 元「東京少年」笹野みちるさんは障害者福祉施設勤務」

正直、警戒しておりました。なんせ日刊ゲンダイだから。でもちゃんとした記事だった。笹野さんのセクシュアリティに関しては冒頭だけ。記事は過度に踏み込まないし、好奇の目を向けない。なので見出しはインパクト重視でつけたんだろう。記事の内容は深い人生論になっているし、人の個性や人生はセクシュアリティだけで語れるものではないから、私は嫌な印象を感じなかった。とはいえ「見出しにLGBTなくても成立するな」とも。なぜ「あのヒット曲で有名な!」みたいにしなかったのか。そこは夕刊紙ならではの下心か。流行りのキーワード入れとけ、的な。Q+ついてないし。でも、あんまりディスると笹野さんに悪い気がする、くらいには良心的な記事だった気がする。


9月13日(金)東スポWeb「漢a.k.a.GAMI いじめ撲滅にHIPHOPを「ポジティブな作用に変換されれば」

「HIPHOPは普通じゃない人が結構いるんで、マイノリティーの人たちにはどんどん興味持ってもらえると思います」まさに。これこそがヒップホップの真髄。そうそうたる面々が「イジメ撲滅」というシングルイシューのために集まったってのがスゴイ。強面だからってイジメっ子だと決めつけちゃダメ。元いじめられっ子、たくさんいるから。むしろ、いじめられたから強面になったということも多々。バネにできた人達。でも、そもそもバネにする必要ないのが一番だから。だからこそ、このイベントには価値がある。そこがヒップホップの可能性。

9月13日(金)こここ「2年半ぶりの〈スウィング〉最新フリーペーパーが完成! 『Swinging vol.32』テーマは「だいじょうぶ」

スウィングは、京都にある生活介護事業所。先月会員になって。フリーペーパー家に届いて。たまげた。面白すぎた。こんな本が読みたかったんだ、って自分の眠った欲求に気付かされた。それくらい異次元から来た面白さがあったんだよな。封筒ごと保管してる。次号も楽しみなんだけど、過去号が読みたい。できるだけたくさん。有料でもぜんぜん買う。私にとってはその価値はある。


9月15日(日)テレビ朝日「未来につなぐエール 全国の海をバリアフリーに」

車いすユーザーが車いすのまま海に入れる取り組みを進める木戸さんのショート・ドキュメント。もちろん街中のバリアフリーは重要。それは一丁目一番地なんだけど、海とか山とか川とか。自然のバリアフリーも、同じくらい大事なんじゃないか。車いすユーザーといっても身体障害ばかりじゃなくて、おそらく脳内物質のバランスが不安定な人もいる。となると自然はとても重要になってくる。医療とかリハビリに近いものとして。自然は人間がつくったバリアじゃないからこそ、人類の叡智と良識が試されるバリア。そこに挑む氏はすごい。

全国の海をバリアフリーに

木戸俊介(きど・しゅんすけ)38歳

神戸市の須磨海岸で、木戸さんは車いす利用者が海水浴をする機会を作ってきました。砂浜に車輪が沈まない特殊なマットを波打ち際まで敷くことで、車いすのまま海に近づくことができます。これまでに全国50ヶ所以上の海岸で、マットを広げてきました。初めての海水浴や、しばらく海から遠ざかっていた人々の希望を叶えています。「海水浴だけでも大冒険。乗り越えようと思って海にきて欲しい。それだけで一生の思い出になる」
目指すのは、“身体に障害があっても、海を満喫できる”未来――彼の挑戦を追いました。

9月16日(月)U-NEXT「THE LAST OF US 第3話 長い間」

有名ゲームが原作のゾンビドラマ。第3回。ゾンビ感染の脅威、隔離政策、殺戮と略奪。そんな世界で、二人っきりで生き抜いてきたゲイカップルの話。この回だけでも観る価値あり。これ、シスヘテロのカップルでも成立するように見えて、なんらかのマイノリティのカップルじゃないと成立しないことに気づいた。だって、ゾンビを差別に置き換えてもまんま成立するから。差別はゾンビより恐ろしい。劇中の描写からも、作者はそう考えていたんじゃないか、とすら感じた。ほとんどゾンビ出てこないし。だからこそラストの悲しさと愛がきいてくる。日本は早く同性婚を成立させればいいのに。誰かが誰かの勝手な思い込みと都合で同性婚に反対している国も、十分こわいよ。とはいえキノコ人間もこわいけど。

THE LAST OF USのタイトル

9月17日(火)THEATRE for ALL「『きゃんと、すたんどみー、なう。』日本語バリアフリー字幕」

やしゃごっていう劇団の舞台。知的障害のある長女、母親を亡くしてから彼女の世話をしてきた次女と三女の物語。そこに引っ越し屋さんやら次女の婚約者やらが登場しつつ、長女と結婚したいという男性があわられて、というお話。めっちゃくちゃよかった。めっちゃくちゃ。作中では差別や孤独といったトピックスが満載。なのにとてもわかりやすく、面白く、ぐぬぬと考えさせられもする。登場人物たちの決断に異を唱える自由があると言うか、押し付けがましくないのも魅力。笑えるし。かなり笑えるし。これ、舞台の映像化なのに音声がいいし、カメラワークもいい。私は日本語字幕でみたけど。とにかく多く人に見てほしい。今すぐに。あ、押し付けがましいな。

9月17日(火)障害者.com「ASDの特性「想像力の欠如」とは」

この「想像力の欠如」。ASD(自閉症スペクトラム障害)の方に限らず、仕事の場面のあっちこっちで見かける気がする。これはASDの方の生きづらさをなきものにしようとしているんじゃなくて、実は似た傾向の人は多いのではという意味。正直、俺だったアヤシイ。とくに抑うつ症状が出るようになってからは。フリーズするんだ。何を考えてるのか自分でもわからなくなる。想像力の所在については、ASDはもちろん、自分や、ひいては人間を理解するのにとても重要な観点なんじゃなかろうか。


9月18日(水)法政大学「【特集】わたし×ダイバーシティ ――本当の多様性って、何だろう?」

さすが名門・法政大学。ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの基本的なことが網羅されている。若いうちに当事者として、あるいは隣人としてこれを知っているかどうかは大きい。願わくば、多様性を阻んでいる社会の壁がどこに、時には誰にあるのか、にも目を向けてほしい。それは彼ら若者の未来を阻む壁でもあるから。ぶっこわせ。俺もぶっこわす側にいたいと思う人間の一人です。

9月18日(水)こここ「生き方は、ひとつじゃないぜ。|スウィングからの贈る言葉 vol.06 好きな服を着よう」

3万円の服を買うよりも、体重を3kg落とした方が効果あり、という体型をしている自分にとっては、福音のような一言だわ。まずは自分の「好き」を忘れないことが大事。結構わすれがち。


9月19日(木)東京新聞web「世田谷区と中野区、同性カップルの続柄を「夫・妻(未届)」と住民票記載へ  11月にも開始」

そもそも住民票の続柄を意識したことがなかった。だからこのニュースを見た時も、最初は「?」だった。そうか事実婚の方とかは「夫(未届)」「妻(未届)」って書くのか。同性カップルもそれと同じになるってこと。人口92万人の世田谷区は、この運用をする最大規模の自治体に。でけーな。こういう良い変化は、規模の経済がすごく大事。素晴らしいと思う。

9月19日(木)NHK首都圏ナビ「東京・世田谷区と中野区 同性カップルの住民票の続き柄を事実婚と同じ表記へ 11月から」

「世田谷区の方針表明を受けて、中野区も同じ時期に交付を始めたいとしていて、こうした対応は23区で初めて」。え!遅っ!23区って未対応だったの?「今回の対応で、続き柄については事実婚と同じ表記になりますが、事実婚では、健康保険の扶養家族になるなどの社会保障制度で法律上の夫婦と同じ取り扱いを受けられる一方、同性カップルは同じ扱いを受けることはできません」え!まじで?「総務省は、社会保障の窓口などで、住民票だけで適用の可否を判断できなくなり、実務上の問題が生じるおそれがあるとしていますが、世田谷区は、事務手続きで問題が起きないよう丁寧に対応していくとしています」。お偉い中央官庁はだまらっしゃい、ってことね。頼もしい。


9月20日(金)Prison Arts Coonections「刑務所内の限られた表現環境:塀の内と外のコラボレーションの可能性とは?」ゲスト:岩崎風水

刑務所内での創作活動や表現環境に関するリアルな話。岩崎風水さんという方を、私はこの動画で初めて知った。プロフィールを見てその波瀾万丈とバイタリティに驚いた。私も想いを文字に起こして吐露することで精神的な安定を保ってる人間の一人。見ている人がごくわずかだとしても。あるいは、ごくわずかだからこそ、かもしれない。受刑者の多くは生い立ちにハンデを背負ってる。へたするとそれは他人に害を及ぼしたり、子どもに受け継がれてしまうものだから、負の連鎖は断ち切らないといけない。それはわかる。でも、ハンデを背負ってる人間ひとりにそれを負わせるのは酷だし無理がある。理不尽だ。まして何かを創り出す自由まで奪うのは間違ってると思う。手を差し伸べたくもないようなヤツほど、助けが必要なもんなんだ。むしろそういう人たちにこそ、表現という手段は必要なんじゃないか。Self helpを、Our helpに。

9月20日(金)withnews「白いおむつ「はくの抵抗ある」声に… 色・素材・デザイン一新の挑戦」

めちゃめちゃ素敵。デザインはもちろんだけど、これをつくった視点が。ホスピタリティと根気。そこに加わるおしゃれ心。その軽やかなしぶとさが素敵なんだ。いい発明って「なんで今まで無かったの?」という感想がでるものだけど、その典型。これまでもあったのかな。おむつがおしゃれで何が悪い。販売されたら義母に勧めようと思う。


9月22日(日)「TOKYOパラスポーツFORWARD」

秋葉原でやってたパラスポーツのイベント。東京都が主催で、パラスポーツを観戦したり体験したりできるものだった。つこないだパリが終わったばかり。車いすラグビーや車いすテニスの快挙もたくさんあった。さて、盛り上がりやいかに?と現場についたら、めっちゃくちゃ大盛況だった。想像の3倍以上。TOKYO2020とプリントされたシャツとかバッグを、私服として使っている人がチラホラ。ボランティアじゃなくて。さらに、MCや出演者に有名声優さんとか人気お笑い芸人さん、「新しい地図」の三人もいたらしく。秋葉原という土地柄もあるのか、彼らファンぽい人も多かった。とはいえ「パラリンピックめっちゃファンになった!」と言って去ってく女の子もいたから、これはこれでアリなんだろう。むしろメジャーどころが出てくれるようになっただけでも大進化な気がする。体験ブースもすっごく混んでて行列だらけだったし。しかも1階と2階の両方。この迫力はやっぱ現場来ないとわからないな。明らかにパリパラの効果はあった。あきらかに潮目が変わってる。これを継続できるかどうか。次のイベントもまたこよう。


9月24日(火)朝日新聞デジタル「「私たちはここにいる」 バイセクシュアル、当事者たちの思いとは」

9月23日ってバイセクシュアルデーだったのね!知らなかった。。。たしかにバイセクシュアルならではの社会課題は、あまり耳にしたことはないかもしれない。LGの同性愛者が抱える課題と、何が異なってくるんだろう。いや、違うな。LGやTやそれ以外の人が抱える問題を解決するだけでは、何が漏れてしまうのだろう。これまで考えたこともなかった。反省。そして新しい視点。勉強になる記事だった。

9月24日(火)Prison Arts Coonections「「第3回刑務所アート展」公開企画会議 2024.8.10」

こういう言い方はアレなんだけど、めちゃくちゃ面白い企画会議だった。いかんせんテーマがテーマだからデリケートなんだけど。本気の人が、長い目で見て、かつてないことに挑戦している。知識と勇気とデリカシーをもって、引かれた線を越えようとしている。この熱が見ててとても伝わった。主催者のお子さんがちょいちょい動画にわりこんでくるのが、かわいくてかわいくて。日常生活の延長でやってるんだな、というのもまた、本気度が伝わったところだった。あと企画のタイトルセンスがポップでいい。シリアスなことをシリアスにやるんじゃ芸がない。芸のないものに耳目は集まらない。コンセプトが木霊、テーマが「オーイ」だとしたら、俺が連想するのは競馬場かな。とにかく第3回も行きたくなった。


9月25日(水)荻上チキSession「【特集】アファーマティブ・アクションとは何か?(南川文里x荻上チキ)」

めちゃくちゃ勉強になった。アファーマティブ・アクションの最初はジョン・F・ケネディだったこと。その後アメリカ公民権運動や根強い黒人差別、政治的な思惑や矛盾をはらんで進んでいったこと。多様性を目的にするのはけっこう後になってからだったこと。90年代にはいくつかの州で中止されていること。すげー勉強になった。制度というある意味で粗い枠で、制度をどう解消するか、という挑戦の話だった。実はこれ、国や自治体だけじゃなくて、会社とか組織にも参考になることなんだよな。

9月25日(水)日テレNEWS NNN「タイで同性婚が法制化…東南アジアで初 来年1月に施行へ」

タイが、アジアで三カ国目(ネパール、台湾に続く)、東南アジアでは初の同性婚承認国に。来年1月から運用開始。こう言っちゃなんだけど、クーデーターとかもあった国なのに、それでも承認までこぎつけた。長い戦いだったろうけど、結実した。とても素晴らしいと思う。一方、日本はまだ・・・。恥ずかしいを通り越してダサい。でも声を上げ続けないとそこで終わっちゃう。というか未来の人たちにツケを回すことになる。同性婚は時代に関係なく必要なものなんだから。不利な戦いだけど勝つまで負けじゃない精神でやるしかない。全ての人に結婚の自由を。


9月26日(木)山内マリコ著「マリリン・トールド・ミー」

読了。ラストで「よっ!待ってました!」って興奮するタイプの小説。とても面白かった。主人公が、男性社会に搾取された「セックス・シンボル」としてのマリリン・モンローではなく、「フェミニズム・アイコン」としての彼女に迫っていくお話。でも、ジェンダーにまつわる社会問題の折り詰め弁当みたいな内容になってる。正直私は、主人公の思い込みの強さに同調できなかったし(でも思い込みの強さって若さの特権だし)、他の登場人物の多くが世論的正論の代弁者になってしまっていることに物足りなさを感じたけれど、それを凌駕して余りあるマリリンの知られざる一面を知ることができてよかった。勉強になったわー。

書籍マリリントールドミーの表紙。マリリンがソファで本を読んでいる

9月26日(木)テレ朝news「同性カップル3組に取材して見えた「結婚式を挙げる大切な意味」」

素晴らしい記事だった。昔、結婚情報誌の編集とライターやってた。その頃から同性愛者の皆さん向けの企画を出してた。ときどき雑誌を立ち読みしてる。そうハガキに書いてくれた当事者読者もいたから。でも、副編からはいつもNo。あたかもカップルの幸せを応援してる風で、キラキラな雑誌作って、その実は誰かを除け者にしてる欺瞞に怒りが沸いてた。もう20年も前の話。同性カップルOKの式場もなかった時代。あの頃、ちゃんと全てのカップルの幸せを考える業界人がいたら、今でも同性婚が未法制化なんていう体たらくにはなってなかったはず。もちろん、俺の自戒も含めて。その間に、どれだけのカップルがいたことか。結婚式を挙げる同性カップルの話を見たり聞いたりするたびに、申し訳ないやら恨めしいやら複雑な気持ちになる。早く同性婚を法制化しよう。


9月28日(土)PARA CHANNEL'S Cafe「精神科病棟はロボットの修理工場ではない」

かなりリアルで攻めた内容だった。筆者である糸さんが体験した精神科病棟での入院の話。その辛さと周囲の無理解、そこから生まれる無意味さをとおりこした逆効果について。「人間ドック」なんていう呼び名も、この「ロボット修理工場ではない」に近い考え方かもしれない。周囲からしたら、精神を病んだ人間なんて面倒くさいだけなんだろう。心療内科に通院中の私も妻からボロカス責められる。心配されたことなどなく、働いて金を持ってきて都合よくいてくれることだけ期待されていたのだなと、という現実にまざまざと直面している。自分のこれまでの行いの悪さなんだろうか。そこまで酷く生きてきたつもりはないんだけど、その無自覚こそが罪深いのだろうか。そんなことを考えてしまった。これを書いた糸さんは別府で訪問介護事業所の事務と広報やってるのね。いつかばったり会ったりしたら素敵。

9月28日(土)Eテレ「理想的本箱〜カミングアウト・レターズ」

今ちょうど「カミングアウト・レターズ」を読んでて。ゲイやレズビアンの子と親御さん、生徒と先生の往復書簡集。つまりドキュメント。その本が番組でも紹介されてて。私が「ここパンラインだわー」とページを折ったところが、やはり番組でもクローズアップされてた。とあるお母さんの一節なんだけど。めっちゃいいんだわ。NHKプラスで見逃し配信やってるから、入ってる人には是非おすすめしたい。10分程度のドラマの中に、大事なことが結晶してるよ。


9月29日(日)グラデーションキャンパスin関東

z・α世代の学生が運営するSOGIE系学生団体「わたプロ」。彼らが横浜で開催したイベント「グラデーションキャンパスin関東」に行ってきた。セクシュアルマイノリティーの理解を広げるための催し。私たちが到着した時ちょうどパレードが帰ってきてた瞬間で。若い人達が活発かつ勇敢に、そして雨にも負けず行動している姿に感動。さらに現場運営してる学生スタッフさんたちのホスピタリティと明るさにも感動。これは去年からかわらない、このイベントの素敵ポイント。娘はわたがしもらってご機嫌だった。でも雨で長居できず。来年も来よう。

曇り空を背景に青ピンク白のトランスジェンダーのフラッグがはためく

9月30日(月)荻上チキ・Session「【特集】パラリンピック、意義・共生社会とは?〜シリーズ「社会をこれからどう設計していくか?」(加藤健人x新雅史)」

パリ・パラリンピックが終わって3週間後の今。開会式の頃のラジオを聴いてる。パリと東京の一番大きな違いは観客の有無、という文脈で語られることが多かった記憶があるし、このラジオもそういう語り方をしてたけど、果たしてそれって本質かな。パリの客席はお祭り状態で、勝ち敗け以上に祝祭感があった。閉会式も巨大な打ち上げって感じがして、楽しそうだった。正直、東京が有観客だったとしても、パリほど客席は埋まったか、あのバイブスが生まれたか懐疑的。フランスは小学校で、障害のある人を助ける授業があるって。バリアフリーは日本ほどじゃないらしいけど、一般人の親切度が日本とは桁違いだから気にならない、と耳にした。きっと本質はそこ。ダイバーシティが生活習慣化しているかどうかってことなんじゃなかろうか。なんてことを考えされられた良配信だった。

9月30日(月)RYOJI・砂川秀樹 編「カミングアウト・レターズ」(太郎次郎社エディタス)

一気に読了。いやー素晴らしかった。2007年に刊行されているから、17年前の本。当時の状況を思い起こすと「よく作れたな」と感服しまくり。ものすごい根気と熱意。さらには誠実さがないと、とても完成しなかっただろうなと。そして、時代は進んでいるんだな、という感慨も。学校での性教育やメディア表象、企業内での意識はやっぱり前進してる。そこに希望を感じたけれど、それもまた、この本のように前に進めてきた当事者の人たちがいてこそ、なんだよな。とはいえ当事者の悩みや苦悩は、本質的には変わってないんだろうな、とも。私はとくに、生徒と先生の書簡が心に響いた。先生たち、マジでいいこと言うわ。カミングアウトの本質は、する側と受ける側の信頼関係を深めることにある。それを教えてくれる先生に、うちの娘も出会えるかどうか。いつか彼女にこの本を勧めてみようと思う。素晴らしい読書体験で9月を締めくくることができたよ。

カミングアウトレターズ表紙。いろいろな人のイラストと手紙があしらわれている

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