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前田普羅 俳人と俳句作品ご紹介10 〜俳句にご興味のあるみなさまへ〜


俳句に何となく興味があるというnoteのみなさまに、明治・昭和期の俳人の方々の作品をご紹介していく記事です。

各俳人の経歴等はここでは省略したいと思います。

気になった俳人の方については、他の作品などといっしょにぜひ調べてみてください。


◇ 今回の俳人 ◇

前田普羅
まえだ ふら

春更けて諸鳥もろどり啼くや雲の上

雪解川ゆきげがわ名山けづる響かな

汽車たつや四方よもの雪解に谺して

ふららこを掛けて遊ぶや神の森

種俵大口あけて陽炎かげろへり

椿折る人の手見ゆる夕かな

春尽きて山みな甲斐に走りけり

しみじみと日を吸ふ柿の静かな

東塔の見ゆるかぎりの秋野行く

能登人の四五人まじる月見かな

秋風の吹きくる方に帰るなり

病む人の足袋たび白々とはきにけり

寒雀身を細うして闘へり

駒ケ岳凍てていわおを落しけり

奥白根彼の世の雪をかがやかす


更けて=ふけて
諸鳥=もろどり
啼く=なく
雪解川=ゆきげがわ
響=ひびき
四方=よも
谺=こだま
ふらここ=ぶらんこ
陽炎へり=かげろへり
夕=ゆうべ
静=しずか
能登人=のとびと
足袋=たび
寒雀=かんすずめ
凍てて=いてて
巌=いわお
奥白根=おくしらね
彼の世=かのよ

いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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