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夕日の見える場所

僕は夕日を見るのが好きだ。

これは大学生の頃からの事である。現在37歳。

愛知県の、名古屋だとか、実家の稲沢は濃尾平野で大抵が平坦な土地なので、夕日が見える場所が少ない。

大学の頃は近所の線路上の歩道橋の上が夕日ポイントだった。

社会人になって、名古屋の西区に住んでいた頃は、庄内川の河川敷か近所のヨシヅヤ(ショッピングモール)の屋上駐車場だった。

ヨシヅヤにはよくお世話になった。

陽の長い夏の、仕事が早く帰れた時や、週末によく屋上に行った。

自転車で行って、まず1階入り口前の酒屋でチューハイのロング缶4本位だとか、ワイン、つまみを買う。そして横の階段から屋上に上がり(運動を意識して)そして屋上で1時間半くらい夕日、夕焼けを眺めながら酒を飲んで過ごす。体調によっては帰る頃に酔っぱらっていて、ふらつきながら階段を下りる。監視カメラを見ている人がいたら奇妙に思ったであろう。

ぼくにとって、そういうポイントは重要だ。

知らない場所、新しい場所に行くと、どこなら夕日が見えるかな、ここは良く夕日が見えそうだなとか考える。

街の様子も眺められて、気持ちが良い。

ヨシヅヤの屋上で夕日を見てる人と会ったのは1回しかない。おじいさんが写真を撮っていた。

みんなどこで夕日を見ているのだろう。見ないのか。

屋上からはテレビ棟も名古屋城も見えた。名古屋が一望できた。

夕日を見ていると今日も1日が終わるんだなという気持ちが強く沸いて、1日に対する有難みを感じる。それが好きだ。

いつも行っている場所だったから特に写真を撮る事なんて無かったのだが、ふと、その時は写真を撮った。

それを先週眺めていた。

去年の4月に急な転勤で沼津に来た。

そうなるなんて予想してなかったし、人生どうなるかわからないもんだ。

それで、あの何気ないいつもの屋上で撮っておいた写真。あの時撮っておいて良かったなぁ、と思った。

年を重ねる毎にこの写真の意味が増すような気がしている。

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