近所のお店
昨日、一緒に住んでいる彼女と休みが合ったのでのんびりすごした。
コメダコーヒーに行こうという話をしていたのだが、なんやかんやしていたら薄暗い時間帯になった。
前から行こうとしていた焼肉屋に変更して二人で家を出た。
僕はその焼肉屋に時々行くのだが、彼女はうちに住んで1ヵ月程なので行った事がない。家の近所の事もあまり知らない。
それで、歩きで散歩しながら遠回りで焼肉屋へ向かった。
途中、僕の気に入っている田畑がある所へ寄った。うちの辺りは住宅街なので、畑や田んぼは少ないのだが、少し歩くと良い場所がある。僕にとっては。
僕は愛知県の稲沢市出身で、畑や田んぼが近所にあるのが当たり前だったのでそういった景色はなつかしく、心落ち着く。
昨日の夕方は空がどんよりしていたので、外で何を見てもどんよりしてみえて良くはなかった。
そうして、焼肉屋に到着した。
おばあさんが一人で切り盛りしているこぢんまりした店だ。
全部豚肉の焼肉屋で、安くて美味しい。
店の中は趣がある落ち着く雰囲気である。隅まできちんと掃除されていて、出て来る肉は丁寧切り込みが入れられていたり、人柄が感じられる。それが気持ち良い。
僕達は最初の客だった。行くと、大概自分たちだけかもう一組いる位だ。
軽くのつもりだったので、肉をいくらかと瓶ビールを注文した。
じきに、他の客が来た。選挙の候補者の指示で集まっていたおじさん3人。
肉が来て、少しずつ焼いてビールと食べた。
彼女が美味しいと喜んでいた。ここに連れてきた人はいつも美味しいと言う。
その後、小学生低学年位の子供を二人連れたお母さんが来た。31歳なので、僕より8つ年下だ。
子供達が元気だったので店の雰囲気が賑やかになった。
その内、子供を中心に皆の距離が縮まった。
子供二人はおじさんに抱き着いたり首に巻きついて倒そうとしていた。
おじさん達も楽しそうだった。
みんな笑って楽しい時間だった。
何だか、おばあちゃんの家に正月に集まった時にひとしきりご飯食べてお酒飲んで年越しを待っている、まどろんだあの時のような感覚で幸せだった。
おかあさんと息子一人は途中、歩いてニンテンドースイッチを取りに行っていた。
歩いて行ける近所にこういう店があるのっていいなと思った。一昔前の様な。
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