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これから文章を書きたい人へ【書き方の基本】


はじめに

以前、初心者ライターさんに文章の書き方を教える仕事をしていたので、その中で絶対に意識したほうがよいと思ったことを2つ紹介します。

◎この記事を読むといい人
 ✔︎文章がわかりにくいと指摘されたことがある
 ✔︎ライターになるために基礎を確認しておきたい
 ✔︎学校のレポートや作文などを上手に書きたい

○必要ないかもという人
 ✔︎文章を書くのが好きでよくブログを書いている
 ✔︎国語・現代文は勉強しなくても高得点が取れる

でははじめていきます👓

1.「てにをは」を適切に使う

「てにをは」とは、○○で、○○に、○○を、○○は、○○がなどの「助詞・助動詞」にあたる部分を指す言葉です。品詞の使い方は小中学校で習う基本のルールですが、文章が複雑で長くなるほどおざなりにされる傾向があります。「なんか読みづらいかも……」と思ったら、他人の文章を校正するつもりでセルフチェックしてみましょう。

チェック方法

まず文章は主語、述語、目的語、修飾語に分けることができます。※色々分け方はありますが便宜上この4つとします
主語は「誰が(は)・何が(は)」
目的語は「誰を・何を 」
述語は「どうした・どんなだ」
修飾語は「どこで、いつ、どのように、なぜ」
にあたる部分です。

つまり、てにをはの「を」は「目的語」、「は(が)」は「主語」につくのが基本です。これを踏まえて文にアンダーラインを引き、構造をわかりやすくしてみます。

意味わからないんですが修飾語が装飾語になっています

社長が(主語)、水を(目的語)、飲んだ(述語)が大枠の内容で、時間や場所や擬音は文章を修飾する役割をしています。

ここまで作ってしまってから気づいたんですが、文章は「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」の順番だとわかりやすいです。

よって例文としては「13時に会社で社長が水をごくごくと飲んだ」の方がよかった……。

また、「水を」と「ごくごくと」「飲んだ」は文のイメージを決める大切な描写なのでなるべくひとまとまりの方が理解しやすいです。間に「会社で」が挟まっているのが煩わしい。

とはいえ明確な正解はないので、強調したい情報をどこに置くと目立つか、声に出した時どの語順だと気持ちいいかというニュアンスで決めてしまっていい部分でもあります。上の例文の場合「社長」を強調させたい意図がかすかに感じとれます。

複雑な文章はリズムや言葉選びを丁寧に

次に少し複雑な文章をチェックしてみます。

どんな状況かはさておき

主語・述語のペアが2つ以上ある文章構造です。
全体の主語・述語のペアは「問いが」「苦しめる」ですが、ほかにも「は(が)」がついている部分がありますね。「夫婦関係において一番大切な条件は 」の部分です。これに対しての述語は「信頼関係か」になります。そしてこの「夫婦関係において一番大切な条件は 信頼関係か」という部分はまとめて「問いが」の修飾部になっています。このように修飾部(修飾語のまとまり)を含めれば、「が」や「は」が複数出てきても問題ありません。

一方で、いくら文法的に正しくても読んでいる方の理解が追いつけないという問題はあります。これもとても感覚的な話になりますが、1文で80文字くらいが全体を把握できる限界なのではと思っています。
試しに80文字の文章をどうぞ。

80文字で書いた文章
「夫婦関係においてもっとも大切なことは信頼関係か、という問いがわたしを苦しめる」と夫に正直に打ち明けると、彼はやや訝しげな顔をしながら「そうだね」と小さく頷いた。

今考えた架空の小説

いかがでしょうか?これ以上長くなったらイヤだなぁ……というラインな気がします。

文章をわける勇気

文字数にかかわらず「が(は)」が多い文章は読みにくさを助長します。「書いているうちに何を言いたいのかわからなくなってしまう!」という時は、「が」「は」を増やしすぎないよう意識します。一度に説明しようとせず、思い切って短い文章をポンと置いて、追加説明は次の文に託すというのも手です。

わかりにくい例
私が 好きだったのが この街に住んでいる人という事実が、 彼が 不安だった理由の一つということが わかったとき、私は 申し訳ないなと思った。

「が」と言いまくっていることしか入ってこない。

区切ってみた例
わたしの好きだった人は この街に住んでいる。
その事実は 彼が不安だった理由の一つだった。
それがわかったとき、わたしは 申し訳ないと思った。

情報は整理できたけど、これだと箇条書きだ。

区切って、わかりやすい言い方に変えてみた例
私の好きだった人がこの街にいる。 その事実が彼を不安にさせていたとわかったとき、私は申し訳なさでいっぱいになった。

文章の緩急と表現が加わりだいぶ文章っぽくなりました。

2.書く前に骨子をつくる

骨子とは

骨子(こっし)とは物事の要点や骨組みのこと。慣れている人はなんとなく書き始めてそのまま結論までうまくまとまることもありますが、基本は文字で全体像を書き起こしてから肉付けをしていくのが安全です。

骨子の例:温浴施設の感想を書く場合
●メインテーマ(タイトル・導入文・まとめに盛り込む内容)
「都内で温泉旅行気分」「女子会にぴったりのスパ」

●特に書きたいポイント
・館内が清潔で、いい匂いがする
・お風呂の種類が7種類
(都内ではトップレベルの規模)
・レストランでは三浦野菜を使用したヘルシーな料理が食べられる

●そのほか必要な情報
・料金、営業時間
・ベビーベッドやオムツ台の有無
・アクセス

骨子の例:「就活必勝法」というブログを書く場合
●メインテーマ(タイトル・導入文・まとめに盛り込む内容)
「面接官が聞き飽きたことは言うな」「最大のお守りは準備すること」

●特に書きたいポイント
・ガクチカ/自己PR/志望理由はいつ聞かれても答えられるくらいまで練習する
・1時間前には会場近くについて喫茶店などで待機しておく(緊張・遅刻対策)
・「またこの話か」と思われないよう話の独自性を意識する(抽象的×)

●そのほか必要な情報
・会社のIRはどこを見たらいいか
・緊張しないためにやったこと
・自分の実績やプロフィール

特に書きたいポイントを整理するのがステップ1、メインテーマを決めるのがステップ2、見出しをどう分けるかを考えるのがステップ3。

骨子から文章を展開する

骨子が大体固まったら執筆に入ります。順番は人によるのですが、わたしは仮見出し→導入文→それぞれの見出しの本文(書きながらまとめ方を考えておく)→見出しの調整→まとめ→タイトルの順に仕上げることが多いです。個人的にはタイトル・見出しに寄せて書くよりも筆が乗って熱量が高くなった部分をタイトル・見出しに反映した方がいい記事になるような気がしています。ちなみにパワポの企画書を作るときもほぼ同じようなステップで作っています。

今回は文章力の基礎についてお話しました。ちゃんと説明できているか不安ですが、軽くコツを掴めた後はめちゃくちゃ文章を読んで書いていくということがなにより大切だと思います。

ライターになるためには「仕事を見つける」「SEOについて知る」「トレンドを知る」など文章力以外の要素も関係してきますが、また別の機会に書きますね!

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