ドライマウスと「ガム無限ループ」
ドライマウスから舌痛症を発症した私。一時期、ドライマウスを解消しようとガムを1日中噛み続けるという「ガム無限ループ」生活を送っていた。
今回は、この「ガム無限ループ生活」がどんなものか、また私がどのように「ガム無限ループ生活」を終わらせたのかを書いていきたいと思う。
ドライマウスのある方には耳にタコな情報だが、唾液には歯を丈夫にしたり、細菌の繁殖を抑えたりするなど、大事な働きがある。ドライマウスになったおかげで、私はカンジダを原因とする舌痛症になってしまった。
ちなみに、カンジダを原因とする舌痛症は、イトリゾールという抗真菌薬の内服で治癒したと思っている。舌が真っ赤になったり、舌が痛くて果物が食べられないなどの激しい症状のある方は、舌痛症に理解のある医療機関へ相談することをお勧めする。
話はドライマウスに戻るが、私は唾液量の測定を行った結果、病的なドライマウスではないものの、健常者としては最低レベルの唾液分泌量なのだそうだ。病気ではないのだからと、主治医からは、
「ガムを噛んで唾液を出す努力をしてください」とか、
「味のなくなったガムを口の中で転がしてください」と言われた。
医師に言われた通り、キシリトールガムを一日中、噛んでいた時期もあった。ちなみにお気に入りガムは、明治のキシリッシュ。味も長持ちするし、ゴム臭さが少ない。
でも、よく唾液は出るのは、ガムに味がある時だけ。ガムに味がなくなると、唾液はたいして出なくなるし、味のないガムを口に入れておくのは、正直気持ち悪い。そして、ガムを吐き出したときには、より強く口が渇く感じがして、ガムなしでは生活できなくなってしまう。
おでかけ前に、
食後に、
お風呂に入る前に、
というか常に、
ガムを口に入れないと、口が渇くことが不安で生活ができないのだ。ガムでドライマウスを解消しようとする、ということは、以下のようなサイクルで1日を過ごすことになる。
●ガムに味がある時だけ、口が気持ちよく潤う(短時間)
↓
●ガムに味がなくなり、不快感を我慢しながら口の中で転がす
↓
●ガムを吐き出したあとは余計に口が渇く感じがする
↓
●口の渇きに我慢できなくなり、ガムを口に入れる(この無限ループ)
医師はドライマウスになった経験がないだろうから、この「ガム無限ループ」の辛さを知らないのだろう。だから、安易に1日中ガムを噛めなんて言ってくるのかもしれない。
私は、「ガム無限ループ生活」を2か月ほど送り、心底ガムが嫌いになった。
主治医にこの「ガム無限ループ」が辛いことを相談し、五苓散という漢方薬を処方してもらった。
五苓散を服用し始めてからは、何も口に入れなくても口が潤っている時間が大幅に増えた。効きすぎて唾液が分泌されすぎる時間もあるかと思えば、薬が切れてくるとカラカラに口が渇いたりする時もある。ただ、これも薬で症状が緩和されているだけだから仕方ないのかもしれない。ドライマウスと一緒に発症したドライアイも五苓散のおかげで調子が良い。
口が渇くときはコーヒーやお茶など飲んだり、はちみつをなめたりしてしのげるようになった。ちなみにドライマウスにはカフェインはNGと言われているが、カフェインは我慢していない。ストレスはドライマウスに良くないし、コーヒーをやめてみたこともあるが、ドライマウスは治らなかった。
五苓散のおかげで、「ガム無限ループ」から抜け出せたことが、なによりうれしい。今では、以前のように、食べたいときに、たまにガムを食べる程度に戻っている。
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