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舌痛症とビタミンB

私は粘膜が荒れるタイプの口内炎にかかっており、それを舌痛症と呼んでいる。舌が口内炎を起こしていることを意識して、コストも副作用の心配も少なく、簡単に続けられるような口内炎対策を色々地道にやってきた。

先日、歯科医院で舌に刺さっていた鋭利な歯のエッジを削ってもらってから1か月弱たった。今では舌の違和感を忘れることが容易になってきている。上あごに舌を付けると、まだシビレや味はするのだけれど、刺激を恐れて低位舌で過ごすよりも、上あごに舌を置いておいた方が楽に感じる。削ってもらって大正解だった。

上あごの粘膜は舌で触るとモソモソしたところが残っているし、見た目にも舌が地図状舌っぽくなっている所もあるけれど、「荒れた粘膜を労わる」という視点で粘膜のケアを始めてから、ゆっくりでも順調に回復していっていると感じる。

私は医者ではないのだけれど、舌痛症になってからJ-Stageという医師向けのサイトで「荒れた粘膜を労わる」ヒントになりそうな医学論文を趣味で読んでいる。医学論文は難しそうに見えて意外と理解できるし、医師による薬剤の口コミがデータ付きで載っていて、とても面白い。

今日は、以前気になった医学論文「口腔粘膜疾患におけるハービタの効果」をご紹介しようと思う。この論文、なんと1962年のもの。ビオチンを含むビタミンB群の製剤を1週間程度、毎日注射することで、口内炎や舌炎など24例中17例の治療に効果を上げたという(約71%)。61年前か・・・とは思うが、高度成長期でそれほど栄養状態は悪くなかったのではないかと思うし、今ほど癒着や利権もなさそうだから信頼もできる。

口腔粘膜疾患におけるハービタの効果
口腔粘膜疾患では,細菌感染が主因となることが多いが,ビタミンの欠乏に起因するものや,ビタミンの代謝が,なんらかの形で役割を果しているものも少 なくはないと思われる.それゆえ,私達はビタミン代謝と関係があると考えられる,2,3の口腔粘膜炎にビタ ミンH, B2,B6の混合製剤であるハーピタの適用を試みた

(中略)

私達が適用した範囲の口腔粘膜疾患では,ハービタの全身投与は効果的であつ た.

口腔粘膜疾患におけるハービタの効果

同様の論文は他にもあった。口内炎といえば、よくビタミンBが処方されるけれど、何となく気休めっぽいというか、毒にも薬にもならないのではないかとつい思ってしまう。でも、6年続いた頑固な口内炎が10日間の抗生物質とビタミンB複合剤で治ったとか、慢性舌炎が10日で治ったとか、希望が持てる症例も紹介されている。


気になったのは、どちらも、ビオチン(ビタミンH)を含む製剤を筋肉注射していたこと。以前、私が口内炎で病院にかかったときに処方されたのはビタミンB2とB6で、ビオチンはなかった。それから、口から飲むよりも筋肉注射の方が効きそうなイメージはある。家ではマネできないのは残念。

舌痛症がすごく辛かった頃から1年弱、市販のビオチンを含むビタミンB群サプリメントにはお世話になっていた。最近は調子が良くなってきたので摂取をやめていたけれど、たまには1週間くらい再開するフェーズを設けて改善を試みるのも、いいかもしれない。何はともあれ、舌痛症/粘膜の荒れる口内炎と付き合っていく上で、栄養はとても大切だと思う。

ビタミンB-MIX

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