<幼保無償化制度>共働き家庭の子供の進級先(⑦まとめ)
こちらはこの記事のマガジンの7回目で、1〜6回目までの前編のまとめの記事です。
昨今の少子化対策の1つである「幼保無償化制度」が2019年10月より施行され、3~5歳クラスの子供に関しては世帯年収に関わらず、全世帯が教育費・保育費の補助対象となりました。
本マガジンでは、共働き家庭でも幼稚園への進級を考えている方へ向けて、我が家が共働きでありながら幼稚園への進級を検討・決断した過程を綴っていましたが、少々長くなってしまった為、今までの記事内容をこの記事にまとめます。
我が家では結果的にこの制度に後押しされることとなり、第1子の息子は2020年度に年少になる学年で、近隣の保育園へも入園可能だったにも関わらず、所属の自治体ではない隣接する別の自治体の幼稚園に進級することにしました。現在は第2子の娘のための育休中です。(本マガジン内では、第1子の息子のことを「上の子」、第2子の娘のことを「下の子」と表記します。)
各記事ごとのサマリは以下のとおりです。
①幼稚園を視野に入れたきっかけ
こちらは1回目の記事の内容をまとめた章です。
■「母親(私)の仕事の柔軟度合」▲「子供の教育の重視度合」の天秤
→ 共働きでも可能な限り子供の教育も充実させてあげたい
← 仕事はどこまで柔軟に働き方を変えられるか
→ 共働きでもギリギリ可能な範囲での幼稚園を検討
← 本来共働きには最適な保育園の良さを見直す
→ それでも幼稚園が良いと決断するが弊害をどう乗り越えるか模索
← 幼稚園へ進級することによる私の仕事へのリスクを再確認
■我が家の子供達
・上の子
- 2017年3月生まれ(2020年度に年少クラス)
- 2019年度まで認可の小規模保育園に登園(2020年3月末で退園が必須)
・下の子
- 2019年5月生まれ(2020年度に0歳クラス)
- 0歳時点で保育園未入園
■我が家の自治体の(近隣の)幼稚園事情
・預かり保育が充実した幼稚園は無し
・こども園(預かり保育対応)は1つだけある
1、必要に迫られて
上の子は小規模保育園に通っていたため、2歳クラスまでしか在園できず、転園先の保育園または幼稚園を探すのが必須
2、通える範囲内(所属する自治体ではない)に預かり保育がある幼稚園があることを知る
・私の自宅は区界近辺に立地し、隣の自治体(区)も「通える範囲」
・上記の「通える範囲」に預かり保育が充実した幼稚園があることを知る
3、以前から幼稚園に惹かれていた
・周囲で共働きの友人知人でも幼稚園へ通わせている話をよく聞いていた
・私が幼稚園に惹かれていた点は以下の6点
(1) 知育や教養面への期待値の高さ
(2) 自由保育の保育園の教育方針への漠然とした不安
(3) 保育園という仕組み自体への不満
(4) 就学後の集団生活を見据えた際のスムーズさ
(5) 通っていた小規模保育園の方針を鑑みた継続性
(6) 両親である私と夫の育った環境との比較
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
②私の仕事内容・働き方
こちらは2回目の記事の内容をまとめた章です。
■我が家の育児のサポート体制
・夫は同業の会社員で激務、最近のコロナ禍では在宅勤務も可能
・祖父母親戚等のサポート不可
・ベビーシッターやファミリーサポート、病児保育等の外注はやや懐疑的
1、私の働き方、究極の2択
・理想は、夫婦ともに正社員フルタイム勤務で家事育児完全イーブン
・現実は、夫激務により私の仕事を減らすか、家事育児外注フル活用かの2択
→結論:前者(夕方子供と過ごす時間を作るために時短勤務)を選ぶ
2、私の仕事内容の概要
■仕事全体の話
・職業 : 会社員(同業他社から第1子出産の3年前に転職、2社目)
・業界 : IT業界(SI系)
・業種 : ITコンサルタント/エンジニア
・雇用 : 正社員(第1子育休復帰後から時短勤務)
・職位 : 係長と課長の間(外資系企業のため日系企業とやや異なる)
■私個人の仕事の話
上の子の出産前後で以下のように仕事内容や働き方が大きく変わる
【産前】
・大規模プロジェクトに参画して、クライアント企業に常駐
・業務全体を幅広く俯瞰し、課題ごとに適切な対応者をあてがう交通整理のような役割
・クライアント企業の様々な部署の多数の社員と横断的に関わる為、参加必須のミーティングが多く、長時間残業を回避することが困難
・直接自ら技術課題を解決まで導く必要は無い為、専門性が身につきにくい
【産後】
・小規模プロジェクト、または大規模プロジェクトの中の独立した小チームに参画し、基本的に自社オフィスに出勤
・限定的な技術領域の課題を、技術的な専門知識や知見を用いて自らが手を動かし解決・実行する役割
・クライアント企業の必要最小限の部署の担当者のみと関わる為、ミーティングの機会が少なく、業務時間を調整しやすい
・ある技術領域の専門性を売りにしている為、常に最新情報を勉強し続ける必要がある
3、私の仕事内容の詳細
・上の子の妊娠発覚したタイミング(産休前)に部署異動
(育休前に少しでも新部署で実績を残して信頼関係を築くため)
・どの技術領域を選ぶ際のポイント
(1) 今までの業務知識を活かしつつ、市場価値の高い
(最も経歴の長い技術に近い×市場価値の高いトレンド)
(2) 場所に非依存で、在宅勤務も可能
(業務影響度やセキュリティが最高レベルではないシステム)
(3) 業務時間を柔軟に調整可能
(ミーティングの時間帯が調整しやすい少人数プロジェクト)
4、給与と働く時間
・上の子産前は夫と給与も勤務時間(残業時間)も同程度だった
・時短勤務はフルタイム(残業なし)の勤務時間の3/4、給与も同割合
(但し、産前は長時間残業をしていた為、実質勤務時間は半分で3/4の給与に見合う成果を出すことが求められる)
5、企業の福利厚生
(出産や育児を見据えた)女性も働きやすい制度が豊富
・産前産後休業、育児休業制度
・時間短縮勤務制度(末子が小学6年生まで最大利用可)
・妊婦特有の有給休暇制度(健診や体調不良時のため)
・生理で体調不良時の有給休暇制度
・子の看病のための無給休暇制度
6、職場の立地・環境
・オフィスは自宅から電車と徒歩で片道1時間の立地
・オフィスは自社(客先ではない)のため勤怠や服装の自由度が高い
・難点は、独身やDINKSの社員が殆どで小さい子持ちのワーママは僅か
・課題は、技術の専門性を高めるための勉強時間の確保
7、働きながら通わせられる幼稚園の最低条件
時短勤務で祖父母のサポート無しの我が家にとっての条件は以下
(1) 通常保育時間外の預かり保育があること(最低でも8時〜17時)
(2) 夏休み、冬休み、春休みなどの長期休暇期間にも預かり保育があること
(3) 平日に行う親の参加が必須な行事等が最小限であること
(4) 親が作成する準備物が最小限であること
(5) 通園手段が徒歩や自転車以外にも公共交通機関もある
8、働きながら幼稚園に通わせる上での懸念点
・週に2日、お弁当作りが必須であること
・自転車で片道15分の立地
・下の子(当然未就園児)は別の保育園へ送迎が必要であること
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
③悩みに悩んだ子供の教育方針
こちらは3回目の記事の内容をまとめた章です。
■我が家の教育方針とは
・夫婦ともに教育の専門家でない為、常に手探りで流動的に変わる
・幼児期に関しては、就学前は自由に遊ばせるだけではなく、ある程度学習の基礎を作るために親が手をかけたが良いという結論(一旦)
■我が家の経済状況
・夫婦ともに大手企業の会社員(≠経営者)で私は時短勤務、給与以外の収入は無し
・都内在住の持ち家でローンあり、車無し、ペット無し、子供2人
1、幼稚園と保育園の違い
・幼稚園は、学校教育法に基づいた教育施設
・保育園は、保育に欠ける子供をケアする児童福祉施設
(しかし、教育方針や内容は幼稚園も保育園も同じ)
・認定こども園という新しい幼保一体型の預け先もあり園児が急増中
2、自由保育と一斉(設定)保育
・自由保育は、保育士が後出しで「ねらい」に向けて指導する
・一斉保育は、保育士が先出しで「ねらい」に沿った遊びを一斉に展開・指導する
3、「自由保育」のメリットとデメリット
・メリットは、子供の自主性を尊重でき、子供のコミュニケーション能力が育まれやすく、個人にあった柔軟な保育ができること
・デメリットは、放任にならぬよう保育士のスキルが問われ、保育士の人数を多く必要とすることや、就学後のギャップに戸惑う場合もあること
4、「一斉保育」のメリットとデメリット
・メリットは、全員平等な教育を受けられ、就学後の集団生活へのギャップが少なく、カリキュラムが充実しているように見えること
・デメリットは、子供が受け身になってしまう懸念や、やりたくない遊びをさせられたり、個別対応への柔軟性に欠ける不安があること
5、結局、自由保育か一斉保育かではない
どちらか一辺倒ではなく、一方に軸足を持ちながらもう一方の良さも取り入れている園が殆ど
6、幼稚園か保育園か、自由保育か一斉保育かの関係
「幼稚園=一斉保育」、「保育園=自由保育」とは限らないが、我が家の自治体には、一斉保育の保育園は無い
7、自由保育の保育園ではなく一斉保育の幼稚園を選んだ理由
・「未就学児は思いっきり遊ばせた方が将来の伸び代が大きい説」と「未就学児は脳の吸収が最良の時期だから様々なインプットを与えたい説」の狭間で後者を採用
・自由保育でも教育のプロによるインプットを受けられるが、一斉保育の方が機会が平等に受けられる
・いかなる技術(学問・芸術・運動など)も、基礎を習得した後でないと、自由に行うことが困難と判断
・「小1の壁」と言われるとおり、就学前の方が就学後よりも保育環境が整っているが、あえて就学前に私の仕事をセーブして育児に注力し、就学後の土台を作った方が長期的に見て働きやすくなると判断
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
④保育園を選ばなくて本当に良いのか
こちらは4回目の記事の内容をまとめた章です。
・近隣の第一志望の保育園に兄妹ともに内定を頂いたが辞退した
1、辞退した保育園の、魅力的な点
徒歩5分で園庭や園の隣に広い公園があり自然環境が抜群な点など
2、辞退した保育園の、しいて言うならやや気になる点
父母会の負荷が高く、持ち上がりの園児が多いことと自由保育への漠然とした不安
3、自由保育への漠然とした不安とは(どこまで自由?)
説明会時に、園児同士のトラブルと、園長の対応を目前で見て、個人的に疑問が残る
・双方にそれぞれ悪いこと(叩く、批判的な言葉を言う)をしているが、どちらが(どちらも)悪いというジャッジを保育士は絶対に下さない
・善悪を教えるのではなく保育士は双方の気持ちを代弁するのみ
4、自由保育への漠然とした不安とは(幼児期にこそ教育?)
・教育の機会の平等性の観点や、明示的なカリキュラムが無いこと
・一斉保育でも園により、重視する「意図的な幼児教育」の分野や内容が異なるが、我が家では勉強の先取りよりも、情操教育(特に芸術面)を重視した園を選択した
5、幼児期の情操教育を重視した理由
・これからの時代に人間に求められることは、速くて正確な処理能力よりも、機械での代替が不可なクリエイティブな創造力と判断したため
・情操教育の以下4要素に沿った、進級先の園の教育内容は以下()内のとおり
(1) 道徳的価値観を養う教育【道徳的】
(基礎的な運動能力:専任講師による体操の指導、"かけっこ"を毎日の必須課題、集団競技に注力した運動会)
(2) 命の尊さを学ぶ宗教的教育【情緒的】
(神道系幼稚園:毎日神様への簡単な挨拶、年に数回神社へ参拝)
(3) 美的センスを育てる教育【美的】
(絵画や工作領域:専門講師による絵画の指導、大きな展示会の年間行事
楽器や歌などの音楽領域:ピアニカが必修、"ボイストレーニング"を毎日の必須課題)
(4) 自ら考える力を養う教育【科学的】
(思考力を養う教育メソッド:「SIあそび」という、アメリカの著名な研究者による教育方法論に基づくメソッド(知能構造理論))
6、全ての保育園に共通する制度の問題
(1) 自治体により内定が決まる保育園、一方で各家庭で入園を決める幼稚園
(2) 午睡(昼寝)の有無による生活リズム
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
⑤別園送迎を乗り越えるための準備
こちらは5回目の記事の内容をまとめた章です。
■我が家の、子供達の通園先
・上の子を幼稚園、未就園児の下の子を保育園と、兄妹別園に通わせる
・下の子の保育園は、上の子の幼稚園付近だと助成金受給不可のため、自宅付近(幼稚園からは離れる)の園を想定
1、上の子の幼稚園への通園手段をどうするか
車は不所持、入園検討時に自転車は未所持で、当初バス徒歩通園を検討していたが、通園時間短縮のために電動自転車を購入する
2、電動自転車の試乗・購入・運転の練習
自転車の運転が下手で子供2人を乗せることにかなりの不安があったが、自転車が無いことにより行動範囲に制約が出るデメリットと天秤をかけ、以下の段階を経て電動自転車での通園を決断
・子供乗せに最適なメーカーや車種を吟味
・購入前に店頭で試乗
・購入後も自分1人、子供1人乗せ、2人乗せと段階的に練習
3、別園送迎で勤務時間は間に合うのか
少なくとも朝の送りは子供2人のうちどちらかを夫に頼まないと勤務時間に影響が出るか、子供のお迎え時間が遅くなることになる為、夫との送迎の分担を分単位でパターン別にシミュレーションする必要がある
4、職場からの送迎経路検討
自転車送迎の方を見送りもお迎えも両方同じ人(私)に片寄せすることが最も時間効率が良いと判断したが、それでも下の子の預かり時間が上の子の時より長くなる懸念がある
5、余白のない別園送迎の負荷の軽減方法
・下の子だけとの時間を確保する為、上の子を未就園児から対応の民間学童への入会、及び週何日かの利用を検討
(入会したが、コロナの影響で自粛している間に考えが変わり、結局一度も通うことなく退会)
・民間学童とは、月謝が高額だが園から学童間、学童から自宅間の送迎や夕食、習い事のようなレッスン受講も可能な託児施設
(遊び感覚での知的好奇心を刺激する教育的要素だけでなく、小学生と同じ空間で関わることから就学前に宿題をやる習慣を習得させることを期待)
6、別園送迎の次に大きい負荷、お弁当作り
通園する幼稚園は通常時は週2回、夏休み等の長期期間中は毎日お弁当づくりが必須なことによる負荷は、私にとって送迎の次に大きい
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
⑥育休延長して育児に注力する決断
こちらは6回目の記事の内容をまとめた章です。
■私の育休事情
・下の子(5月生まれ)の育休を年度末(3月)で終了させず、翌年度初(4月)復帰を見送り、育休を延長してまで上の子を幼稚園に入園させた
・待機児童問題が深刻な首都圏では、子供が年度の前半生まれの場合は、翌年度4月に職場復帰することが一般的
・しかしながら我が家は、保育園不承諾以外の私的事由により、翌年度4月の復帰を見送った
1、年度初の4月復帰は絶対に不可能なのか?
・上の子を預かり保育付きの幼稚園、下の子を別の保育園に通わせ始めて、年度初の4月復帰は物理的には可能
(今年度は年度を境にコロナ禍による登園自粛要請があった為、実質的には登園開始時期は4月から2ヶ月後ろにスライドさせた6月とする)
・私的事由による育休延長は世間的に前向きに受け止められることではなく、その間の育休を取得する対象の子供(下の子)の保育事情等については極めて個人的な情報となるため、以下の章立てによる有料公開とさせていただいている
2、下の子の保育状況
3、育休制度の抜け穴とは
4、私の育休終了予定時期
5、下の子の保育園の決め方
6、小学校を見据えた話(育休延長の本当の理由)
以上の内容を詳しく書いた記事はこちらです。
■さいごに
実際に幼稚園へ通い始めてみて、想定とのギャップや、覚悟はしていたものの大変な側面、一方でやっぱり幼稚園へ通わせて良かった点などを、年少の1年間にかけて行事などを全て経験した上で、後編を書いていけたらなと思っております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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