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日記:2024年6月

この記事は、くるまぎの2024年6月の日記である。
 
 自分が死んだら何が残るかを考える機会が増えてきている。
 大学院で研究をする身としては、論文の執筆というものが一つ形に残るものではある。学術的研究の中にも、研究の意義やモチベーションを考える上で、自分の哲学というものが少なからず含まれる。大袈裟ではあるが、自分を表現するものの一環として論文執筆を位置付け、手を抜かず妥協せず進めていきたいと考えている(こんなことを書いている暇があるならば研究を進めろというツッコミが指導教官から聞こえてくる)。
 一方で、論文というものは自分の分野的にも能力的にも頻繁に公開できるものではない。近い未来、何かが起きて死んでしまう可能性もある。そんな中で、リアルタイムで更新していく自分の遺書的役割を込めて日記を書いていこうという気になった。また三日坊主で終わるかもしれないが、その形跡もまた残るという意味では面白いかもしれない。
 毎日丁寧に書くつもりはない。一文で終わってしまう日もあるだろう。ただ、なるべく思考を言語化して書くことができたら嬉しい。

6月1日(土)

 平日には大学で寝泊まり、土日は実家に帰るという生活を4月からはじめたが、大分慣れはじめた。土日は何かと予定があることが多いが、久しぶりに何も予定のない土曜日だった。この一週間で結構研究が進展し気分が良かったのか、実家でもパソコンを開いて研究を少し進められた。自分が気分屋なのが再確認できた。
 とは言っても、ダラダラした。自堕落なことも再確認した。久しぶりにアコギの練習をした。最近ハマっている井上園子というシンガーソングライターに触発されたからだ。カントリーミュージックで使われるフィンガーピックを駆使した奏法を用いつつも、曲によって様々なサウンドを織り交ぜていて面白い。歌詞は、生活や日常に関することが多く新鮮で色々な情景を思い浮かばす。これからの活動もチェックしたい。
 1日目だから張り切りすぎたか、書きすぎている気もするからこの辺で。

6月2日(日)

 午前中はファミレスに行って研究した。大きな進捗はなかったが、何が分かれば更に研究が進みそうか明確になった気はした。昼はそのファミレスで、ガパオライスを食べた。昔から食わず嫌いで、特にエスニック料理をあまり食べてこなかったため、ガパオライスという料理は美味しいものだということを最近やっと覚えた。母親が昔から作ってくれる、挽肉をご飯の上に乗せて卵焼きを上に乗せている料理がガパオライスを日本風にしたものだと気づいたのもその時である。外食時の選択肢に組み込まれた。
 午後は、ラッキーオールドサンと工藤裕次郎のツーマンライブを上野に観に行った。『YUKUIDO工房』という元々音楽のために作られていないであろう、工房でのライブだった。もちろん、最高の音響という訳ではなかったが、工藤祐次郎のアコギの音と、歌声、それに加えて雨の音がうっすらと聴こえてくる瞬間があり、素敵な空間だと感じた。最近はよく、アーティストの日常生活に対する繊細さというものに感心させられる。考えすぎるようなことはしないしできないが、もう少し、丁寧に生きてみようかなとも思った。
 夜は、友人を呼んで呑んだ。くだらない話しかしていないから書かなくていいかな(記憶が飛んでいる訳ではない)。呼んだらすぐ来てくれる友人が地元にいるのは本当に嬉しいことだと思う。その後少し公園でサイファーした。全然韻も面白いことも言えなかった気はするが、未だに飽きずに楽しめている無料の娯楽。ラップクルーを地元で結成する日も遠くはないかもしれない。覚えておけ、川崎ノースサイド。

6月3日(月)

 昨日は寝るのが遅かったから、10時くらいに起きた。昼飯兼朝飯を食べて、大学へ向かう身支度をした。平日は、大学で寝泊まりするので、スーツケースに必要なものを入れて移動している。予定がなければ日曜日の夜に、あれば月曜日の昼ごろに家を出発し大学に向かうのだが、こうすることで、うまく満員電車を回避できるのだ。
 正直、今日はほとんど研究が進まなかった。証明したいことがあるが、それをどうすれば示せるかわからない。今考えようとしている方法では、証明できなそうだということがわかった。もう少し、別の方法で考えていく必要がありそうだし、その方法も何個か頭には思い浮かんでいるので、明日検証したい。
 夜ご飯はマックに行った。生粋のマクドナルド好きである私は、バーガーの新作は大体食べるようにしている。加えて、しもふりチューブの監査企画の影響も受けている。この企画は、せいやがチェーン店のメニューを監査していく企画だが、元来フラットに監査しなきゃいけない企画であるはずなのに、かなりせいやの食の好みが監査に響いてしまっているのが面白い。特に辛い系のメニューだったら大体、監査合格の「美味いんか〜い」が貰える。辛い系が好きな私は、毎回共感しつつも辛いの好きなだけじゃんと心の中でツッコミを入れている。その監査企画で、マクドナルドの新作は度々取り上げられるので、それもあって新作は毎回のように食べているのだが、今回の新作はてりやき系で私の好みじゃないため食べなくていいかと思っていた。てりやきは甘ったるいと感じて一口二口だけで十分と感じてしまう。実際、ここ十年くらいはてりやきを食べていないはずである。そう思いながら何にしようか、メニューを見ていると、『旨辛チーズてりやき』と書かれた商品が。「旨辛?それは話が違う」と、ついつい注文し、一口目で心の中で「美味いんか〜い」。辛い系には抗えない新米監査員な夜ご飯でした。

6月4日(火)

 朝6時半に起床。研究の続きを行うが、中々これが進まない。道筋は見えてきていて進む気がしていたが、最後の一手で壁にぶつかり後退。この繰り返しである。午前中は試行錯誤を重ねているうちにあっという間に終わってしまった。
 昼食は、大学付近の定食屋に行った。4月くらいから頻繁に通いだし、今や店長や店員の方々に「いつもありがとうございます。」と言われる程になった。以前夕飯時に足を運んだ際に、フライ定食を頼んだら、フライを1つ多めにサービスしてくれたことはいつまでも忘れない。サービスしてくれたのが、フライの中の王様と言ってもいいエビフライだったのもポイントが高い。そんなことを思い出しながら、今回もフライ定食を頼んだ。
 その後、ゼミで発表を聞いた。自分が今まであまり触れてこなかった分野の発表だったので、研究のきっかけ的な部分が面白かった。その後、チラリと指導教官に自分の研究進捗を相談し、方針は間違ってなさそうだということで一安心しながらも、示せてないことに変わりはないので引き続き悩む必要がある。闇雲に手探りでという段階ではないので、苦しい感覚はほとんどなく、むしろ楽しいと感じてはいる。
 その後、川崎に井上園子のライブを観に行った。少し、ご本人と話す機会があった。Billy Stringsを聴くと言っていて、演奏のスタイルを思い浮かべると影響を受けている!と思った。両者ともにカッコ良すぎる。自分が好きな井上園子の曲は、『あの街この街』と『カウボウイの口癖』。『あの街この街』は、寂しい乾いた生活感が漂う歌詞も最高だし、『Freight Train』を間奏に取り入れていて、それでも生活が続いてく様子を感じて堪らない。『Freight Train』は、自分がアコギで最初に練習した曲がなのだが、奇遇にもご本人もそうだと言っていて驚いた。「これが弾けたら絶対何か楽しいことが起きるぞ。」と思ったらしい。素敵な感性だなと思った。『カウボウイの口癖』は歌詞に、ご本人の経験がもろに乗っかっているのが良い。初めて聴いた時、ひっそりと泣きました。演奏スタイルとしても、井上園子節が確立されている曲だと思っていてかなりのお気に入り。ライブハウスで地元に住んでいるという同年代の方々と知り合って、最近「地元を上げる」ということは大切なことなのかもしれないと思い始めている私にとっては、そういった繋がりが生まれたのも嬉しかった。

6月5日(水)

 昨日、ライブハウスで少し飲みすぎたこともあり、9時半とか10時とかに起床。今日一日考えて、研究が進みそうになかったら、指導教官に再びヘルプを求めようと決めていたので、色々とわかっていることを丁寧にまとめつつ再び思考を重ねた。しかし、示せそうにない事柄が、やはりどうにも示せない。これ以上は自力でどうにもならなそうなので、結局先生にパス。それさえ示せれば、結構この研究も終盤なので、どうにかして示せたら嬉しい。
 今日は、特筆することはなかった気がする。いつもの1日。気づいたら昨日のライブの映像を何度も見返していた。

6月6日(木)

 今日も研究が進まない。悲しい。悔しい。
 夕飯は、大学院の知人と一番安く飲める焼肉屋へ。酒を入れていくうちに気分もよくなって行った。能天気。
 

6月7日(金)

 目を覚ますと、体調が悪い感覚が。念の為自宅に帰宅し、ダラダラと研究。指導教官から考えていることを共有してもらい、また一つ考えられる幅が広がった気がする。
 昼寝をしたら、体調は元通り。ただの二日酔いか。。。
 最近再びTommy Emmanuelの演奏動画を観るのにハマっていて、少しだけギターを弾いた。

6月8日(土)

 今日も研究のみ。指導教官の発想を活かしてもなかなか難しい。示せるはずなのに示せないもどかしさが続く。
 気分転換にまたギターを。井上園子の『十を数えて』という曲と、Billy Stringsのアレンジの『Don't Think Twice, It's Alright』を練習した。ギターを弾く楽しさがどちらも詰まっている曲。

6月9日(日)

 今日は、朝から麻雀を友人と打つ約束をしていたため、朝10時に新宿の雀荘へ。麻雀は好きで、普段から気分転換に『雀魂』をプレイしたり、『Mリーグ』を観戦したり、予定が合えば雀荘に行って友人とセット打ちしたりしている。麻雀は不完全情報ゲームなところが好きだ。相手の手牌や山に残っている牌が見えない。与えられた情報から読めることが限られているため、運要素が強く残るゲームなのである。例え、与えられた情報から人ごとに読み取れる情報量が違ったところで、一試合のうちにその情報量の差が勝敗に響くことは多くない。だから、中級者対上級者でも楽しめる良さがあると思っている。もちろん数十試合打てば差は歴然となるのだろうが。
 そんな中で、私が応援している選手は日本プロ麻雀協会所属の堀慎吾選手である。Mリーグでは、KADOKAWAサクラナイツに所属している。麻雀の結果にはさほど実力が出ないと先程は述べたが、素人目に見ても堀慎吾の麻雀は他の選手と一味違う。天才と呼ばれるほどの実力とプロ雀士としての矜持を兼ね備えている。Mリーグでは、打牌に大きな差がないと考えたときは、視聴者やファンを喜ばせるようなものを選択する。Mリーグファイナル最終日に魅せた1000万が懸かった7p切りにもかなり痺れさせられた。運要素が多い麻雀において、『プロ』というものが何であるかを教えてくれる堀慎吾。これからも楽しませてくれるはずだ。

6月10日(月)

 更新するのを怠ってしまい13日の木曜日に書いている。正直何も覚えていない。大学に来て研究をしていたはずである。
 ちあきなおみの楽曲がサブスクで聴けるようになったので、昭和の女性アイドル曲を今一度ディグしていこうと決めた日だった覚えがある。この日はちあきなおみの『視角い故里』という曲を見つけた。楽器隊のグルーブ感と歌の譜割りが刺激的で面白い。

6月11日(火)

 この日は、ゼミがあったので、指導教官と話す機会があり、研究の進捗と困っていることを共有し、また関係ありそうな資料をいただいた。いつも助けられてばかりである。
 夜は、以前のバイト先で知り合った人たちに誘われ飲みに行った。仲良く話せる環境でないバイト先だったので、正直もう出会うことは無いんだろうと思っていたが、誘ってくれて嬉しかった。気づけばその飲み会では自分が最年長であった。時の流れは早い。

6月12日(水)

 若干二日酔いもありつつ、研究した。今まで考えてきて正しいと思い込んでいたことに穴がみつかり、大焦りで指導教官に共有した。指導教官は大丈夫そうじゃないかと言ってくれていたが、考えてもその穴は塞がらなそうでかなり不安な気持ちになっていたと思う。寝つきが悪かった。

6月13日(木)

 昨日見つかった研究の穴についてまた考えていた。というより、寧ろ半ば諦めていて他の方法がないかを探していた。考えても無理そうな時は切り替えが肝心だ。
 昼ごろ、指導教官と直接話せてどうやら穴は塞がりそうだということがわかり気分が前向きになった。(別に落ちていた訳ではない。)しかし、その後また自分で考え直すとどうやらそれでは解決になっていないということに気づきまた振り出しに戻った。。。
 なんだかんだありつつも色々と文献を漁りながら思考を続ける。そうすると違う角度から穴を埋めることができそうなことに気がつき一安心した。これは数学的にも間違いがなさそうだ。ただ、振り返るとこの案は真っ先に指導教官が出していたもので、それは無理そうだと考えていたものだったので、飛んだ遠回りをしたなという感じで恥ずかしかったひよっこ研究者である。

6月14日(金)

 6月からTA(ティーチング・アシスタント)として学部生の授業を担当している。業務内容としては、小テストや試験の解答を作成することとその採点である。これが案外面倒だ。第一回目の小テストということもあり要領もつかめずダラダラやっていたら半日くらい簡単に過ぎてしまった。効率化しなくては。
 19時前に終わる授業の後、誘われたので教員たちと飲みに行った。大学教員の研究以外の雑務のことについて聞いた。どんな職業もやりたいことだけという訳にはいかないから難しい。例えやりたい業務の中にも細かく分けていくとやりたくないプロセスがあると思っている。結局その加減であり、許容できる範囲が人によって違うのだろう。
 そう考えるとTAはだいぶ許容できる範囲である。自分の専門分野の内容だからそこまで苦ではない。少し、全体像が見えたことで仕事のハードルが下がった気もした。

6月15日(土)

 朝から麻雀した。久々に大きく負けた。悲しい。
 夜は中高の友人たちと中華料理を食べに行った。小籠包が好きだ。アメリカに留学してた時、現地の食事が合わずよく中華料理屋で小籠包を食べていた記憶がある。4人で行って5個出てきたので余りの1個は譲ってもらった。北京ダックも頼んだ。記憶が正しければ、高校の修学旅行の時に台湾で食べた時以来だ。食べ方もよく覚えていなかったので友人を見よう見真似で食べた。これもまた美味しい。北京ダックを頼んだ人にサービスと言ってスープと野菜炒め的なものが嘘だろ?という量出てきて、お腹はすぐにいっぱいになった。2軒目に沖縄料理屋に行った。「俺は酔ったことがない。今から真顔で政治の話できるよ?」としらふでは絶対言わないことを言ってくる友人。泡盛を3,4杯くらい飲んでベロベロ。休学や留年、就職や進学と進む道はバラバラになっても変わらない関係性に感謝。

6月16日(日)

 朝起きる。泡盛は次の日に残らない。2軒目沖縄料理屋は定番にしてもいいかもしれない。
 研究で思いついたことがあったのでシミュレーションを回す。想像した通りの結果は出なかったが面白い結果が出て、また色々と考えることが増えた。
 あまり最近はテレビを見ないのだが、毎週録画している番組が3つある。アメトーーク!とあちこちオードリーと霜降りバラエティXである。アメトーーク!は宮迫が出なくなってから毎週録画するようになった。毎週見ているわけではないが気になる回は宮迫がいないからか楽しく鑑賞できている。あちこちオードリーはもちろんゲストによるが基本的に毎回見ている。ゲストや若林が人生・仕事をどう理解しようとし位置付けているのか聞けるのは面白い。そして、霜降りバラエティX。恐らく開始した当初から観ていた気がするから、6月いっぱいで終わると聞いて結構ショックだ。特に、ガキの使いを思いださせる、霜降り明星ふたりがただトークするだけの企画が最近始まって大好きだったので、これからこの企画たくさんやってほしいと思っていた矢先に終わってしまうのだから寂しいものである。どうせ、2人の番組はまたできるであろうから期待している。

6月17日(月)

 のんびり準備していたので研究室に着いたのは昼過ぎ。いつもより、人がいて少し雑談したから、やる気が出た気がした。人との会話は大切だ。
 ずっと悩み続けているところを一旦無視して他の部分を進めた。

6月18日(火)

 研究を進める。全く進捗が無いわけではないのでやっている感覚はある。焦りは禁物。じっくり考える。
 TA業務である解答例作成を進める。サクサク進む作業は頭を使わないので楽だ。
 ゼミに出席。担当者の思想や哲学が入り混じった発表だったので聞いていて面白かった。自分の興味とも重なっている部分があり考えを深めたいと思った。

6月19日(水)

 昨晩から今日の午前中にかけて思いついたことでだいぶ研究で混乱していたことが整理された。このまま進んでいいかどうかは微妙だが考えやすくはなったはずだ。
 TA業務の課題採点を終わらせた。学部生は優秀な人が多い。自分が学部生で今の指導教官と出会えていたらどうなっていたかなとかも考えた。
 辛いことは一つもないが疲れが溜まっている感覚がある。早めに寝よう。


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