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歌姫庭園35新刊の解説🧸

歌姫庭園35おつかれさまでした!
新刊でがんばったところとか、備忘録的に残しておこうとnoteをはじめましたー。
以下、購入していただいた方向けの内容になってしまいますが、お礼も兼ねて内容解説をさせていただきますので、よろしければぜひ。

『透が雛菜に飼われる本(浅瀬色したさえずりと)』

題名は当初「籠に入る本」だったんですが、ぱっと見の意味がわかりにくかったので「飼われる」にしました。前回の透小糸本もそうですが、内容が詩という、なかなかとっきにくいものなので、せめて題名はなんのこっちゃ分かりやすいものにしようと。。。
ちなみに副題は前回の「透の主食が小糸になる本(ミリリットルの水になる)」とリズムを合わせてます。愚直に翻訳するならば、前回は「透になる」、今回は「透と」ですね。

ルネ・マグリットの『臨床医』という絵画がスタートで、寓意のほぼすべてです。開放された鳥籠に大人しく鳥が収まってる様がまさに、雛菜に放し飼いされる透のようだな、と。
表紙の絵は【TRICK☆☆☆】の雛菜を元にしつつ、鳥籠だと可愛くないのでアンティークトルソー風味にしました。(ちなみにユアクマちゃんも一緒にはいってるのは等しく「お気に入り」だからです)
また、シュヴァンクマイエルという映像作家の『Food』という短編に出てくる、朝食サーバーになったおじさんのイメージもあります。
胸から下がそっくり人工物な奇妙さが、美しさになればいいな、と。

・内容について

以下、章ごとに。ちなみに10章立ての構想はネイルする10本指に見立ててます。

Ⅰ.雛菜は幼少期に透を本当に独り占めにして、透や周りの子を傷つけたことがある(断定)(妄想)
Ⅱ.【天塵】で雛菜が教室から透を見下ろしていて、遠近感で窓のフレーム越しに透が小さく収まって見えるんじゃないかな、と。雛菜は透の隣にいることより快適な空間にいることを優先しそう。
Ⅲ.【殴打、その他の夢について】ですね。お前が雛菜を見るとき、雛菜もまたお前を見ているのだ。(名言)
Ⅳ.【途方もない午後】のスチルがまま広告になってる体です。生の透からしか聞こえない音があります。
Ⅴ.本を半分読んだところで雛菜に「はい、半分」って言われるの没入感あるかな〜というメタ的なやつです。
挿絵.『透の主食が小糸になる本』の構図を元にしてます。たぶん透円香の本でもやります。小糸の指を透が捕食して、透の指を雛菜が捕食してる構図なので、いまとこ雛菜が頂点捕食者ですね。どうなる円香。
Ⅵ.言葉が視覚的に解けていく、詩あるあるをいっちょやっとくか!てやつです。
Ⅶ.雛菜、ジルスチュアートとか使っててくれって願い。
Ⅷ.【おかえり、ギター】の透をイメージしてます。雛菜カラーやんけ!と。SNSの投稿というフレームの中で小さく分解された透が並ぶ様子は、雛菜からするとつまらない状況なんじゃないかな。
Ⅸ.巻末にも書きましたが、まんま『朗読者』ですね。本物の鳥籠にはいった小さな透が雛菜のためだけに言葉を紡いでくれている幻想です。
Ⅹ.急に現実に戻ってくるやつ。宝石みたいにコーティングしちゃうのもいいけど、このくらいで許してあげる、的な。「この時間は私のもの」というおだやかな独占ですね。

おわりに。

全体的に引用多めで、スチルやコミュも連想しやすいように意識しました。
雛菜は喋り方が独特なので、詩の文に落とし込む際に苦心しましたが、翻弄する雰囲気がだせていたらいいなと思います。
今回は、前回の歌姫帰りの電車でほぼプロットができていたのですが、次に作るであろう透円香の詩はまだなんにも出てきてません。円香は一番重いので、話も一番重くなるはず。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今後とも宜しくお願いします。
(もう一冊の新刊はr-18なのでnoteを分けます)


6/13.ちょっと修正

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