さよならシャボン(17) ベース
あらゆる物事には基本があるなんて、誰が決めたことなんだろう。
人に会ったら挨拶をしなくちゃいけないのはどうして?
挨拶ってなんなのさ。
他人は他人。自分は自分。
どうしてご飯を食べる前に『いただきます』なんて言う必要があるのか。
人が生きている中で当たり前にしていること。
それに対して『何故?』『どうして?』と尋ねた時に、答えられる人は一体どれくらいいるのだろう。
答えられる人は何て答えるのだろう。
僕は、無意識の内に築かれている『基本』の砦をぶっ壊してみたい。
『基本』に生きている人達は、それがなくなったとき、どうなるのだろう。
歩いてきた道が突然無くなって、そこから歩けなくなるのだろうか。
別の『基本』を探して右往左往するのかもしれない。
『基本』が無くなった人間の行動を観察したい。
それは一見、無法地帯に見えるのかもしれない。
しかし、その実は、それぞれが己の『基本』に従って生きているのなら、それは『基本』に従っているのではないだろうか?
自分の『基本』に従って、全員が異なる行動をした時、『基本』はどこに存在するのだろう?
でも、僕のこんな考えも、奇人変人の『基本』なのかもしれない。
そう考えるとおかしくなりそうで、僕はそこから飛び降りた。
***
過去の作品はこちら▼
いつもサポートありがとうございます。 面白いものを作ったり、長く履ける靴下を買ったりするのに使わせていただきます。