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アメージングなアメージンググレイ

日本から帰って、うれしかったことの一つに、種から育てたポピー「アメージンググレイ」の開花に間に合ったことがあります。毎年届く種の会社のパンフレットでこの何とも言えない微妙な色合いを見かけて、ぜひ、私の庭でも咲かせたいと思ったのでした。

でもポピーの種はものすごく小さくて、なにしろ「芥子粒(けしつぶ)」と言うたとえがあるぐらいで、なかなか手間と注意が掛かります(吹っ飛んでしまうので、くしゃみ厳禁)。発芽率もかなり悪いし、無事に発芽しても、扱いに慎重さが必要。

去年10月に蒔いた時は惨敗でした。次々と発芽してくれていたのに、「なんだ、簡単じゃないかー」とパンジーのように気軽にポットに移植したら、あっという間に枯れて、全滅してしまいました。とにかく、根を動かすと、細い根毛が傷んで、弱ってしまいます。

そこで、今年の晩夏(2月)に再度挑戦する際に立てた作戦は、「苗に移植を気付かれないようにする」。

まず、卵のパック(ニュージーランドの卵パックは紙でできている)に種まき用の土を入れて、一粒ずつ種を蒔きました。そして、双葉が出た時点で、パックをはさみで一つずつ切り取り、そのまま新聞紙で作ったポットに移植しました。

なお、以下の写真は、別のポピーの種まきの時のものです。アメージンググレイで成功したので、ポピーには同じやり方を採用するようにしています。

小さな種からの小さな苗を慎重に移植
苗に気づかれないように、そーっとポットに入れます
ほぼ100%の成功率で無事に根付きます

確か5月ごろ(秋)に、この新聞紙ポットごと、地植えにしました。新聞紙はそのうち、分解されてなくなります。その後、順調に苗は大きくなっていきましたが、9月に日本に帰省する時には、まだ咲く様子はありませんでした。

10月上旬、留守番の夫が送ってくれた庭の近況写真に、アメージンググレイの紫色が見えた時のうれしかったこと!

11月に帰った時にはもう終わっているかなあ、と半分あきらめていましたが、いくつも咲いてくれていて、さらにうれしかったです。

「おかえりー」と言ってくれているみたいでした

そのアメージングな色に感動すると共に、感心したのが種のでき方です。アメージンググレイに限らず、ポピーは、蓋が付いた容器のようなおもしろい形の緑色の実ができます。そして、茶色くなって、蓋の部分が上がって窓ができると、種ができています。

きれいな模様が入った蓋が付いた実
蓋が持ち上がって、隙間ができたら、種が飛び出します。うまくできているなあ

たくさん種を採って、来シーズンはもっといっぱい、きれいに咲かせたいと思っています。自家採種なのでどんな色が出てくれるかは分かりませんが、それはそれで楽しみです。そう、ガーデニングというのは、過去から学び、今を楽しみ、より良い未来を信じるということなのです。


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