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ベートーベンが心に染みた日

2022年3月7日

昨日、夫は外出、娘はまだぐーぐー寝ている静かな昼下がり、ソファに座って、なんとなくFacebookを開いたら、FollowしているNew Zealand Symphony Orchestra(NZSO)が今からLiveを始める、というポストをたまたま見つけました。

NZSOはニュージーランドの国立オーケストラで、1947年3月6日に初めての公演をしたそうです。今年、75周年を記念したコンサートが企画されていましたが、現在はすべて停止になっているので、このライブストリーミングが実施されました。

最初に流れたのは、2年前のロックダウンの時のライブストリーミング用に収録されたという、ベートーベンの交響曲第5番「運命」でした。

そのままソファで寝っ転がって、あの有名な「ダダダダーン」を聞いていたのですが、すると、自分でもびっくりなことに、涙がつーっと出てきたのです。

もともとベートーベンは、好きです。気持ちが励まされます。英語でいうと、uplifting。でも、泣くか? 私。

小さくて古いけれど、お気に入りの家に住み(ローンはまだまだたっぷりある)、仕事や生活のことでトラブルや心配ごとはあるものの、それとて日常生活の一部であり、家族みんな元気で、だからこそ、日ごろは何事も前向きにとらえるように心がけて、穏やかに、楽しく過ごすことができています。でも、やっぱり、この2年間は、生活のいろいろな制限や注意事項、日本の家族のこと、世界の様々な出来事に心が張り詰め、いろいろと心配が積もっていたのです。私なりに。気が付いていなかったけれど。

だから、オーケストラの調べがするっと染み入って、緊張していた心がゆるんで、涙になったのだと思います。

前にも同じ経験をしたことがあります。20年以上前にニュージーランドに移住してから2年ほどして、まだ小さかった娘を連れて、シティで開催された無料コンサートに行った時です。今でもはっきりと、あのときの感触が思い出されます。オーケストラが演奏を始めた瞬間、まるで砂に水を注いだかのように、私の心にするすると音楽が染み入ってきたのです。それまで、音楽への「乾き」を特に意識したことがなかったのですが、移住してから、ゆっくりクラシック音楽を聴く時間を持つ時間と心の余裕がなかったこと、そして、自分が「心の栄養」を求めていたことをはっきりと感じたのです。

音楽って、いいなあ。ありがとう、NZSO。ありがとう、ベートーベン。

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昨晩は、月下美人が一斉に花を咲かせました。とってもいい香り。別の株でも一度に咲くのがとても不思議。つぼみがみんなで相談しあっているかのように、首をむくっと持ち上げて、同じ時間に花を咲かせます。一晩だけの宴です。

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今日も快晴。晩夏を満喫する蝉のジージーという鳴き声をBGMに、菊芋が空に向かって花を咲かせています。

月曜日の今日、さっそく私にはかなりチャレンジングな仕事が入ってきています。あせらず、真剣に、でも楽しみながら、取り組んでいこうと思います。Have a nice week!

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