見出し画像

俳句 蚕起食桑の頃

   クッキーの空き缶ぎっしり桑いちご

   桑の実の熟れて染まりし指甘し

 
 数年前、倉本聰の最後のドラマ『やすらぎの郷』の劇中劇の養蚕農家の話(作中の脚本家が書く脚本)を思い出しています。忘れ得ぬ作品です。
 その頃 私の周囲で桑の木探しが伝染して、むかしあの辺りでとか、川岸でとか、探し回りました。聞きつけた誰かが 庭植えの桑の木の熟れた実をクッキーの空缶に詰めて届けてくれました。蓋を開けた瞬間 紅から黒色までの絶妙な色彩のグラデーション。和の色名前では、濃紅(こいくれない)から葡萄色(えびいろ)、黒鳶色(くろとびいろ)色のアート。

小満(二十四節気)しょうまん
  陽気が高まり、万物がほぼ満ち足りてくる
小満の初旬 蚕起食桑(七十二候)かいこおこっ
      てくわをくらう
      カイコが成長して桑の葉を食べ始め
      る頃

写真の絵は筆者によるものです。
(左)フキとカエル   (右)ラズベリーの花
七十二候の言葉に絵と俳句を合わせることに挑戦しています(只今25/72)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?