ねたみやヒガミは誰にでもある。ノーベル賞の舞台裏。
昨日は、小柴 昌俊(こしば まさとし)先生の
ノーベル賞受賞の話題の中から
「運は、準備ができた者にしか来ない」
という素晴らしいメッセージをご紹介しました。
今日は、それとは別の角度の
ノーベル賞に関する話題の中から
私が感じたことについて書きたいと思います。
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2017年にノーベル文学賞を受賞した
カズオ・イシグロさんのインタビューの中に
こんな一文がありました。
科学系の受賞者たちから、ノーベル賞をもらっても人から嫌われないのがうらやましい、と言われたことがあります。受賞はおかしいとか、共同受賞であるべきだとか、あれこれ難癖をつけられているのが理由のようです。
BIG ISSUE VOL.407(2021.5.15)からの引用
なるほど。
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福岡伸一さんも
著書「生物と無生物のあいだ」で、
DNA二重らせん構造の解明による
ノーベル賞の受賞を例に
研究者同士の熾烈な争い、
研究成果の奪い合いについてふれています。
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(福岡伸一さんの著書の要約)
DNA二重らせん構造の解明で
ノーベル生理学・医学賞を受賞したのは
ジェームズ・ワトソン、フランシス・クリック、
モーリス・ウィルキンスの3人だが、
解明につながるX線写真の撮影に成功したのは
ロザリンド・フランクリン。
受賞したモーリス・ウィルキンスと
ロザリンド・フランクリンはライバル関係にあり
確執があったとされている。
ものすごく、くだけた言い方をすると、
フランクリンが撮った写真を
ウィルキンスが持ち出し、
他の2人に見せて、
自分達が論文を発表し、
ノーベル賞を受賞した。
つまり、研究成果の横取りがあった
のではないか、というもの。
なんと。
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確かに「研究」というと
「チーム」で行うものがほとんどなので、
受賞者ってどうやって決まるのかなぁ、
と思ったことはありました。
あまりにも、ハイレベルな世界の話なので
具体的に想像したことはありませんでしたが、
カズオ・イシグロさんのインタビュー記事を読んで
あらためて感じたことは、
受賞を逃した人の妬みやヒガミというのは
想像以上なのかも知れない…。
ということでした。
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私も、長年、会社勤めをしていますので…
昇進、昇給など、
様々な妬みやヒガミが渦巻いております。
小さい子供だって、
あの子は先生にひいきされている、とか。
兄弟姉妹や、お友達と比較して
「ずるい!」と思う事も多いでしょう。
妬みやヒガミというのは、
オトナになったからとか、
たくさん勉強したから、という理由で
消えたりするわけじゃないんですね。
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でも、よく考えたら犬やネコだって、
1匹だけエサをあげたら、もう1匹はひがみますよね。
嫉妬というか。
そう考えると、
人間だけの、醜い感情
ってわけでもないのかな。
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という事で
妬みやヒガミは
生き物としてごく当たり前の感情、
と受け止めることにしました。
ただし、何事も「程度」が肝心。
行き過ぎた、妬みやヒガミは
自分にとっても、相手にとってもよくない!
心して生活したいと思います。
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