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『日本語研究夜話』へようこそ!

こんにちは! 泉子・K・メイナードです。
 
私は、長年、日本語研究に従事してきましたが、その間に感じてきたことを、何冊かの「本」にまつわるよもやま話として、まとめてみました。書評や紹介記事ではなく、あくまで個人的なつぶやきですので、お話として読んでいただければと思います。
 
昨今、紙の本を読む研究者は減少し、また話題のChatGPTやGoogle Bardなど対話型生成AIが学問の世界を変えていくという予想もあります。しかし、国語学・日本語学という分野が生み出した知の遺産は膨大なものです。そこには、デジタル化されていないものが多いため、「本」としてのみアクセスできる豊かな世界が広がっています。ネットから入手できる情報や、AIという架空の著者が提供する情報には、多くの誤りがあり、内容的に不十分であることも承知しておかなければなりません。
 
そんな状況を考慮して、「本」についての個人的な思いを「夜話」として書くことにしました。今年は、くろしお出版さんの創業75周年、私の最初のくろしお本である『会話分析』出版から30年という節目の年、私なりの思いを(ホントにつれづれなるままに)語るのも悪くないのでは、と思った次第です。

コラムを準備するにあたって、「本はインスパイアする」と、「本で冒険する」という大見出しを付けてみました。前者では、日本語学の古典といわれる名著をあげ、それらが私にどのようなインスピレーションをもたらしたか、どのような意味で研究のターニングポイントとなったか、について語りたいと思います。後者の「本で冒険する」は、くろしお出版さんから出版された拙著について、それぞれ研究プロジェクトの裏話を交えて回想します。学術書の執筆は学問の冒険であり、そこには多くの試行錯誤や挫折が、また逆に喜びもあったことなどを、ざっくばらんにお話させていただきます。


■この記事の執筆者
泉子・K・メイナード(Senko K. Maynard)
山梨県出身。AFS(アメリカン・フィールド・サービス)で米国に留学。甲府第一高等学校およびアイオワ州コーニング・ハイスクール卒業。東京外国語大学卒業後、再度渡米。1978年イリノイ大学シカゴ校より言語学修士号を、1980年ノースウェスタン大学より理論言語学博士号を取得。その後、ハワイ大学、コネチカット・カレッジ、ハーバード大学、プリンストン大学で教鞭をとる。現在、ニュージャージー州立ラトガース大学栄誉教授(Distinguished Professor of Japanese Language and Linguistics)。会話分析、談話分析、感情と言語理論、語用論、マルチジャンル分析、創造と言語論、ポピュラーカルチャー言語文化論、言語哲学、翻訳論、日本語教育などの分野において、日本語・英語による論文、著書多数。
くろしお出版から刊行の著書

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