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「だろうが」は誰が多く使う?(日本語教育クイズ! 経験からデータへ 5)

問題

逆接で「前置き」「譲歩」を表す「だろうが」という形式を作文で使う頻度は、母語によってどの順になると思いますか。

a 日本語母語話者 → 中国語母語話者 → 韓国語母語話者
b 日本語母語話者 → 韓国語母語話者 → 中国語母語話者
c 韓国語母語話者 → 日本語母語話者 → 中国語母語話者

正解は……












正解 b 日本語母語話者 → 韓国語母語話者 → 中国語母語話者

そもそも逆接の「が・けど」についても、日本語母語話者(365)→韓国語母語話者(260)→中国語母語話者(141)の順になります。さらにその詳細をたどってみると「だろうが」では、日本語母語話者(89)→韓国語母語話者(43)→中国語母語話者(4)と中国語母語話者の使用が極端に少なくなります。「前置き」「譲歩」というのは逆接形式の中でプロトタイプから外れた使用といえ、中国語母語話者には「だろうが」の非用が認められます。詳しくはシリーズ3巻第4章、庵・宮部論文をご覧ください。


■この記事の執筆者
森篤嗣 武庫川女子大学教育学部教育学科教授

■この連載で取りあげている本
現場に役立つ日本語教育研究 全6巻(山内博之 監修)

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