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『Audible 散歩哲学 よく歩き、よく考える』島田雅彦(2024・ハヤカワ新書)

人びとはそぞろ歩きながら何をしているのかといえば、自分にふさわしいニッチを捜し歩いているということになるだろう。
大学の講義ではニッチの簡単な定義を教えた後に、学生たちに大学のキャンパスの中で君のニッチといえる場所はあるかと問いかけたりする。心が安らぐ場所、自分が偏愛している場所、自分の縄張りと勝手に決めている場所、なんでもいい、と言うとさっそく「サークル棟の一角にちょっと窪んだ場所があってそこに椅子を置いて壁と向き合いながら一人で考え事をしています」などと返事が返ってくる。
(結構中略)
都市の公共空間においてどれだけ自分のニッチを増やしていけるか、それが散歩のミッションにもなってくるのだ。

自分専用ニッチを獲得できるエリアは現実世界だけにとどまらない。
架空の空間だって可だ。たとえばこのnoteなんかもそう。
新しく作ったクロシロアカはまさに私のためだけのニッチ空間(^^)
この世のドコにも存在せず、しかし私の頭の中にだけはバッチリ存在しているという不思議空間だ。妄想の中で古びたブルーのドアを開けさえすれば、ニッチの小部屋にコンニチハ!・・・が可能となる。(※イメージです)
noteって、いや、今の時代ってスゴイ。

島田先生の超アクティブな海外散歩&飲み歩きは普通の生活送ってる日本人にはまずムリだと思う。おそらく自力じゃ一生体験することなどできなそーな、ものすご珍しくて楽しいお話を聞かせて頂けるのがこちらのご著書。

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