マガジンのカバー画像

読書の小部屋

258
カテゴリ ALL
運営しているクリエイター

記事一覧

『遊牧民と村々のラグ キリム&パイルラグの本格ガイド』グランピエ商会 前田慎司(2021・グラフィック社)

こちらのガイドで主に紹介されてる5つの地域は、トルコ・コーカサス・中央アジア・イラン・アフガニスタン。 イラクは入ってなかった、残念~。『イラク水滸伝』でタカーノ先生が紹介されてたマーシュアラブ布がものすご素敵だったので、できればこちらも扱っていてほしかった! 大胆で独特でカラフルな絵柄に釘付け! 眺めるだけでもたのしい。ずっとみてられる。 ***** 今回こちらのガイドブックで紹介されていたものは、暗めの深い色に緻密なデザイン、ほぼ何も知らない日本人(私のことです!)

『ポーランド ヤノフ村の絵織物 二重織りの技法と伝統文化が生まれた小さな村を訪ねて』秋元尚子・藤田泉(2017・誠文堂新光社)

ヤノフ村って、なんとかっていうロシアの飛び地(不凍港があるトコ)の右下に位置する内陸の村らしい。 それゆえにかモチーフには海っぽいものがない。 鳥・動物・植物・人間、幾何学模様。どれをとってもすごく可愛いらしく、アースカラー中心の素朴な色合いもいいな!と思う。 織物も素敵なのだが、背景に写り込む村の風景に目を瞠る。 なんっってステキなトコロなんだっ!日本と全然違う!・・・な印象(^^ゞ お庭に白樺の木がふつーに生えてんのね。ここらだと自宅裏山・道端ギリギリにまで群生した竹が

『Audible 散歩哲学 よく歩き、よく考える』島田雅彦(2024・ハヤカワ新書)

自分専用ニッチを獲得できるエリアは現実世界だけにとどまらない。 架空の空間だって可だ。たとえばこのnoteなんかもそう。 新しく作ったクロシロアカはまさに私のためだけのニッチ空間(^^) この世のドコにも存在せず、しかし私の頭の中にだけはバッチリ存在しているという不思議空間だ。妄想の中で古びたブルーのドアを開けさえすれば、ニッチの小部屋にコンニチハ!・・・が可能となる。(※イメージです) noteって、いや、今の時代ってスゴイ。 島田先生の超アクティブな海外散歩&飲み歩きは

『不思議の国の海』鍵井靖章(2017・パイインターナショナル)

この写真集、海の写真なのにあまり青くない。カラフルで、パステルで、とてつもなくファンタジック。 端正なお顔をしたニモに、いろとりどりの熱帯魚。 とにかく、とにかく、美しい。 写真集っていいな。こうやってページをめくるだけで知らない世界に連れてってもらえる(ようなかんじがする)んだから(^^)

『犯罪の風景 ある日、ある場所で 縣正三写真集』縣正三(2001・衆芸社)

今回はちょっと怖そうなものも借りてみた。 世間を震撼させた大きな事件もいつのまにか風化してゆくものなんだな・・・・と自分の体で実感。 どの写真にもかなしみとやるせなさのつまった空気が漂う。

『はじめての60歳からのスマホ写真撮り方ブック iPhone&アンドロイド対応』山崎理佳(2024・日東書院本社)

『カメラの立ち上げ方』から解説がスタート。 若い人には当たり前なことでも、シニア層にはそうじゃないことって、きっとたくさんあるハズ(断定はしませんが!)。 アドバイスが可愛いっっ。 なんてあたたかい教えだろーか。 ・・・・とか言いながら、技術的にはシニア層と全然変わんないレベルの私(^^ゞ 丁寧におさらいさせて頂きました!

『Audible 無理ゲー社会』橘玲(2021・小学館新書)

今回は陰謀論のトコが面白かったのでメモっておこう。 その他キーワード:「公正世界信念」「自尊心」 ***** 陰謀論と聞いて思い出されるのがチョット前に読んだ中世の魔女狩り。 それから京アニの事件も。 あの事件には驚いた。まず死傷者数が尋常じゃなかったことと、犯人の主張が不思議すぎたことが印象深かったのだ。 だってあんなのパクリだなんて思えない。「あいうえお」の「う」しか被ってないのに、「あいうえお」の全てを「=う」とするかのような違和感を感じてしまう、 だけど、本人

『Dr.ナグモが大変身!奇跡の家トレ 1日3分で体は変わる!』南雲吉則(2016・ビタミン文庫)

衝撃の人、南雲先生。 このボディと見た目でまさかの60代。いやウソですよね。どー見たって30~40代なんですけどっ。 南雲先生、元々は運動をしない主義の方だったらしい。 それが還暦を前に考えが変わった。 先生はかつてのポリシーを曲げて筋トレを開始。しかしトレーニング初日は懸垂が一回もできなかったそーです(トレーナーさん談)。 そりゃそうだ。還暦前&運動ゼロの状態からいきなり懸垂ができるわけない。 しかしそこは南雲先生! コツコツとトレーニングを重ねて表紙のようなお身体を手

『分裂病と人類』中井久夫(1982・東京大学出版会)

中井先生のご著書には、 『分裂病親和者(S親和者)』『執着気質者』と呼ばれるひとたちが出てくるのだが、これがmbtiでいうところのn型とs型によく似ている(n型のほうにSがついてるのが面白い)。 S親和者には「願望思考」「兆候空間的=微分(回路)的認知」みたいな特徴が割り当てられ、執着気質者のほうはこんなふうに表現されてる。 更に、S親和者は「世直し」タイプ、執着気質者は「立て直し」タイプとも表現されていた。得意なことがそれぞれに違うのだ。 少し前に諭吉先生の記事を書い

『Audible 言ってはいけない格差の真実』橘玲(2016・文春e-Books)

無理ゲーの前にちょこっと浮気(^^) バックラッシュってなに??と、調べてみてスッキリ。 ずーっと感じていた違和感の理由がわかった気がした。 あと私が勉強しなきゃいかんとこ。 リベラル・ネオリベ・古典的自由主義・新自由主義(・・・ほかにもあるの??)などなどなど。ここらへんの主義の違いをひとっつも知らんがために、このうちのいっこでも出てきたらそこで「???」の足止めを食らってしまう~~。 たしか何かの著作にオススメ文献がまとめられてたっけ・・・あれは橘先生だっただろーか。

『Audible バカと無知 人間、この不都合な生き物』橘玲(2022・新潮新書)

再び橘ブーム到来~~っ(^^)/⭐⭐⭐ 今度はこれ。 タイトルがもっすごアレなので避けてたやつです。 が、こっちのアカウントでならいいだろうっ。ノーフォロー、ノースキ、コメント欄封鎖。ほぼ誰にも迷惑がかからないハズだからだ!(ホントか?)。 このひとつ前に読んだ『知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語』は、モーレツにムカムカしながら読んでいた。初っ端、個人的に地雷なキャストが登場していたからである。私は『身勝手な父親』という種族が嫌いだ。我が父がそうだから。 そんな

『100分de名著 中井久夫スペシャル』斎藤環(2022・NHK出版)3

やっと読了。 第4回は先生の戦争体験がモトのエッセイ。 平和の見えにくさについて書かれてたとこが印象的でした。 昨日読んだ橘先生のお知り合い『みつからぬ何かを探し続けて破綻してゆく男』が脳裏をよぎる。 戦争後の平和。DV後の懐柔。嵐の後の静けさ。全力疾走の後のヘトヘト。アドレナリンの後のセロトニン。そして彼の場合は、非日常(自分探しの旅)の後の日常(実りなき帰国と現実)だ。 ーーーと、この下。 怒りに任せて書いたため、あまりにも内容が乱暴だった。 世のバックパッカーさん

『100分de名著 吉本隆明「共同幻想論」』先崎彰容(2020・NHK出版)

こちら前から気になってた共同幻想論。 いったいなーに?と思って読み始めたらーーー なるほなるほど。 こういうのね、なんかわかる。 そして私はこーゆうのが死ぬほど嫌いだ。共同幻想の中で共有される妙ちきりんな物語や空気感、同調圧力ーーー(うえっぷ嫌悪感) ***** 全くの無知・知識ゼロの状態で100分を読み始めたものだから、吉本先生がこの『共同幻想』の推しびとなのか、アンチなのかもわからず・・・・かといってこれ以上読むのすら嫌になってネット検索に活路。 ーーーああ、よ

『Audible 知的幸福の技術 自由な人生のための40の物語 』橘玲(2009・幻冬舎文庫)

大人の本。 生きて、稼ぐって大変。 後半は難しい話が多かった印象。 前半部で印象的だったのは自分探しの旅に出て、様々なモノ(職・家族・家などなど)を失ってしまった男のエピソードか。 この方、結局どうなったんだろう。