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【エッセイ】 白い梅干し

 今年も結局、白梅干し、天気も読めぬ山ならば、博打のように見繕い、太陽の下に梅を並べる。

 天気予報はずっと雨、夏は夕立も多ければ、雨と言っときゃ文句はないだろうという精神か、カンカン照りも雨の日も、予報は雨と動かず、意味もなく、網に梅を並べながら滴る汗、酸っぱい香りが風に乗る。

 梅をもぐのに、梅干し用には大きな良いものを、梅酒用には小さいものをと選んだおかげで、いつも以上に柔らかく、ふっくらとした梅の数々、気をつけなければ皮の破れ、保存が利かないようになる。

 しかし、そこは子らも共にやることで、壊れせんべい、訳ありスイーツ、不揃いホタテにつぶれ梅、というわけ、破れたものは別にして、先に食べてしまう役得、しょっぱく、すっぱく、香り良い、今年も良い梅干しが、できあがったようである。

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