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【随筆/まくらのそうし】 鶉(ウズラ)

 逃げろ逃げろ、と言わんばかりに、丸い尻がまっしぐらに駆けていく。

 と言うと、疾走感があるのだが、これはトコトコトコと擬音をつけてやりたいくらい、可笑しく、それほど速くもないものだ。

 時折、ウズラが小道に飛び出し、驚き、駆けていくのである。

 カルガモの親子のように、大きい丸と小さな丸が、パニック状態に陥っているのは可愛らしく、同時にとても美味そうだ。

 ウズラは食べたことがなく、食べたいとは思っているが、親子を捕まえようという気もないままに、可愛い尻を見送っている。

 キジ科の鳥は総じて美味いらしく、キジにヤマドリなども姿を見るから、そのうち食べる機会もあるかもしれない。

 鳥と言えば、ニワトリの類い、養鶏場でボロくなったものを、たった百円でもらえるが、あまり美味いものでもない、自分で増やしている人の、オスのうるさく要らないもので、烏骨鶏などをもらってくれば、これはかなりの美味である。

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