理想の男性像。
俺は学生時代、ヤンキーではなかった。
ガリ勉でも真面目でもなかったが、小学校の時は生徒会長をやっていたし、基本的にはクラスのいじられキャラ的な立ち位置だった。
しかし当時から心の中では悪への憧れをずっと胸に抱えていた。
タバコも本当は学生時代から吸いたかったが、芸人という仕事に就くと決めていた以上、20歳までは吸わないと心に誓っていた。
初めて憧れた"悪"はかいけつゾロリだ。
かいけつゾロリはおもしろい上にかっこいい。
小学生の頃は図書室にあるかいけつゾロリシリーズを網羅していたし、アニメも毎朝見ていた。
その次はルパン3世。
ルパンもやはりユーモアがある。悪くておもしろい。ルパンを見てからタバコへの憧れを持つようになった。
タバコを吸うときはルパンが吸っているジタンという銘柄を吸うと決めていたが、俺が吸い始めた頃には販売終了されていた。残念だ。
悪とは言っても色々あるが、俺はかっこいい悪になりたい。
いわゆる『イキリ』や『ヤリラフィー』には絶対になりたくないのだ。
俺の中で男の理想像は実写版クローズの芹沢役、山田孝之だ。
仲間のために喧嘩する、そんな男になりたい。
そういうわけで、高専を辞めてからは髪の毛を伸ばした。
待望のロン毛デビューだ。
家族や友達も最初は反対していたが、実際に伸びるとロン毛のかっこよさを認め、自分の愚かさを反省していた。
後はヒゲだ。
山田孝之みたいにもみあげから顎まで繋がっているヒゲにしたかったのだが、俺は顎下と口周り以外全く毛が生えなかった。
育毛剤も塗ったが生えなかった。
仕方ないのでワイルド系は諦めて、少しオシャレ路線に変更することにした。
それで最近見つけたのが、TikTokでバズっていた通称ハーレーお兄さんだ。
めちゃくちゃかっこいいので最近はこの人に寄せにいっている。
最近サングラスをかけはじめたのも、この人の影響だ。
売れたらハーレーにも乗りたい。
中型バイクの免許までしか持ってないので大型の免許を取りに行かなければならないが。
芸人という職業上タトゥーを入れるのはリスクが大きいため、残念ながらタトゥーは入れられなさそうだ。
ここまで色々と語ったが、俺は付き合う女の好み次第で全然見た目が変わる。
どんな憧れがあろうとも、好きな人に好かれたいという気持ちには勝てないのだ。
結局、俺はそういう男なのだった。
おしまい。
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