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川が結ぶ織姫と彦星

織姫と彦星と言えば小郡の七夕神社がある。ここは神社名も祭神もなんとなくはっきりしないところがある。少し目先をかえて筑紫野を見てみよう。小郡から見ると山一つ超えた北側になる。


 山口川の上流に「大歳神社」が川側にある一応旧村社だが立派な社殿が建っている。ここは、きちんと祭神が伝えられていて、ちょっと豪華版になっているのです。

大歳神社(筑紫野市)、手前は山口川
 祭神 大歳神(彦星)、大鷦鷯天皇、素盞嗚尊、大山祇神、奥津彦尊(大山咋)、奥津姫尊(鴨玉依姫)、火結尊、埴安命、事代主命、倉稲魂神
【境内神社】 貴船神社(高龗神)、八幡神社(応神天皇)


 祭神リストを見ると分かるように、織姫こと七夕姫は祀られていない。しかし子供や親族がきちんと祀られている。奥津彦尊(大山咋)、奥津姫尊(鴨玉依姫)は,馴染みが無いとおもうが,七夕姫の子とその妻である。分かりにくいと思うので系図を示しておく。

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 見て貰うと分かるとおり、ここでも素戔嗚の娘と姉の子とのいとこ婚であることが分かる。系図中には,調査で判明している神名があるが、とりあえず論証無しで記載してある。
⑤は、(贈)5代孝昭天皇で後になったということです。彼は名前が多いので解析は大変です。

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摂社 貴船神社(高龗神)大歳の母

さて、神社には独立神は、いないとされ周囲には関係する神社があるとされている。小郡の七夕神社と犬飼神又は忍穂耳神社は、宝満川をまるで天の川が隔てる様に流れているが,この大歳神社の側を流れる山口川を下ると、厳嶋神社( 筑紫野市立明寺)があり 厳島姫命(市寸嶋比売命=七夕姫)、大山祇神 【境内神社】老松神社(菅原神)、金刀比羅神社(大物主神)を、祀っている。

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巨大古墳神社、厳嶋神社

ここは、驚いたことに,巨大円墳の上に社殿を持つ古墳神社で高さ三十mくらいはあるのでは無いかと思う位大きいものである。被葬者は誰であろうか?

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鳥居、駐車場が無いのが惜しい
立派な鳥居、高さがあるので階段が多い

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大山祇(月読神)大国主の父である。七夕姫は大歳と別れ(争いがあった)大国主の妻となる。

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金比羅神社(大物主=大山咋)

大山咋(咋は主のこと)七夕姫の連れ子である。そのため大国主一族の「主」を使わず「咋」だったと、思われる。紹介した両神社は織姫・彦星の伝承を,小郡の七夕神社と違い、詳細にきちんと伝えられている良い例になるのかもしれない。

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山口川に並ぶ親族神社群


大歳(彦星)と七夕姫は山口川で繋がっている。更に下流に大幡主の櫛田神社まで揃っている。山口川は、宝満川と合流するが、その下流に小郡・七夕神社があるのである。地図上では分からなかったが、実地調査するといずれの神々も川で結ばれていることに驚いている。

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