逆境のジャンヌ・ダルク。
やぁ、いらっしゃい。今日も来てくれてありがとう。
最近住んでるマンションが最近改修工事をしていて、全戸に光回線が配備されるようになった。
その為、元々契約していたものは不要となる。
速攻でNTTとプロバイダに解約申請をすると、更新月ということで無料で解約完了。終端装置も郵送で返すだけ。
固定費が落ちてくれるのは大歓迎だよ。新しく入る人の家賃は上がるっぽいけど。
酒屋業界。
飲食店などに酒類を卸している問屋や酒屋がいる。
もともと、酒類の流通は非常に活発で数兆円単位の市場規模を持っていて、マーケットとしては極めて大きい。
とは言え、これらはコンビニやスーパーに納品されるものも含まれる為、かなりマクロな数字になる。
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コロナ禍で切実な問題となったのは、店舗卸しだよね。
お店開けるな、酒出すな、複数入れるな。
酒類提供を主とする飲食店にとって、突然のハードモード。
ただその傍らで更に苦戦を強いられていたのが街の酒卸し。
経済悪化になすすべもない状況。
今回はそんな状況下で奮闘したとある女性のお話だよ。
酒屋とモデル店。
2020年4月の緊急事態宣言の発令。
その頃はまだ国民は事の深刻さに気付くことなく、なにそれという感じでテレビやメディアで見ていた。
F氏は酒卸業者で働く女性。
美容が大好きで、人付き合いもよく、人に好かれる距離感の人物。
その酒屋は試飲可能な店舗もということで、割と繁華街にうなぎ専門店をオープンさせていた。
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F氏は酒屋の担当だが、うなぎ屋のマネージャーとしても活動することとなる。
順調だった。
放っておいても、顧客店から定期的にお酒の発注は入るし、うなぎ屋も繁盛。F氏の活躍もあり、新規店の紹介も集めてくる。
数をさばいて利益を積み上げる酒卸とは違い、店舗は一杯の単価が非常に高額となる。その利益率は卸業からすれば垂涎ものさ。
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よく酒蔵プロデュースのお店とか、そういう謳い文句を見ることがあるよね。
中間流通マージンをカットしてダイレクトにエンドに販売出来る為、非常に利益率が高く、ユーザーからしてもプロ仕様に見えるというメリットもあって流行っている販路。
「精肉卸直運営の焼肉屋」なんて、どれだけ利益抜くのよと。
普通の焼肉屋も大変さ。これは色々利権というか既得権益も絡むんだけど、そっちはまた別の話ということで。
仕入れストップ。
うなぎ屋は順調。味をしめた酒屋の代表は次に地域を変えてもう一店舗出店を決める。
都会の中でも多くの人が居住している地域で、案外グルメでも名を上げ始めていたエリアだね。
繁華街とはまた別の客層を獲得しようということで、勢いは上がる一途。
店舗の内装も順調に進み出し、オープンを待つ。
F氏はこの店舗が起動に乗せられれば、次は自分がしたい美容関連の事業部をする予定ということで、この地域に出店したいという思惑もあった。
そこで悲劇は起こる。
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世界中を襲った、大型パンデミックは民衆の外出を事実上封鎖し、街からは人が見事にいなくなった。
そうなれば、飲食店に行くこともはばかられる風潮が広がり、多くの店は早くに閉まる。
別世界の出来事と思っていた世界が瞬く間に広がっていく。
売上の源泉である酒卸は、多くの顧客店舗からストップがかかる。
うなぎ店も夜の営業時短を余儀なくされる。
ここの会社だけではないが、苦戦は想像を絶することになる。
F氏はここで指揮を取る。
派生拡大。
小売に卸していない酒屋業には期待が出来ない。
ただ、うなぎという商材は強かった。
夏のイメージのあるうなぎだが、別に年中食べることは出来る。
そして、やや高額であるということも知れ渡っている。
まず早急に、非接触型ビジネス構築にあたる持続化補助金(コロナ禍型)の申請を取得し、うなぎの真空パック通販をスタート。
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コロナ禍で、夜は全滅に等しい状況だったが、ランチに来る客層は何だかんだそこそこ居た。
ハイクラス、マダム層にディナーで3,000円は単価としては安い。
ただ、ランチで3,000円~は高額だ。
おいそれと外食が出来ない風潮の世間では、たまのランチの単価が大きく跳ね上がる。
うなぎも丼、重、ひつまぶし。
そして高級小鉢に並べられる複数の薬味。
原価は同じようなもの。しかし器と名前、盛り方などが変わっていけば1,000~2,000円刻みで単価が上がる。
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飲食店苦戦は周知の事実。知り合いからはご祝儀相場のようなランチは連日人を変え、顧客獲得に成功する。
涙ながらに苦戦している演出の傍ら、毎日ランチで売上6桁を超えている状況はなかなかの狸。
夜は夜で早々に閉店。時短協力金を受け取り、EC用の真空パック生産を一気に進めていく。
職人も仕事を失う空気を感じる状況。
必死にで仕事をしていたことだろう、ことさらECも好調。酒屋そっちのけで、うなぎ屋は最終防衛拠点として善戦した。
更なる事件。
好調な繁華街店舗。
人通りは少ないのに、お店には人が来る関係は作ることに成功。
しかしここで、内装構築中だった新規店舗の隣接テナントからボヤが発生する。オープンを間近に店舗修繕となり、オープンは断念。
そもそも、コロナ禍ということもありオープンを見送る予定だったことで、職人の募集も後回しにしていた為、実は被害は少なかった。
更に、火災保険の適用。オープンの休業損害等々。
それなりにせしめたことだろう、拠点が2つになりF氏のリソースが分散するリスクを考えると、前向きに考えて臨時収入。
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夢の美容事業は遠のくが、緊急事態宣言下で美容もへったくれもない。
F氏は遠回りに見えて最短ルートで、繁華街店舗の運用に尽力する。
結果、メディア露出などの影響もありECも好調。
7月の土用のうなぎなどイベントも多くが販売され、本業の酒屋をカバーしながら耐え凌ぎ続けた。
色々逆境もあったが、急を迫られて市場に合った商品と接客は収益を生み出していく。
有事の必死は平穏の戦略を上回る。
ビジネスへの情熱と血の通った努力のいい例だね。
これから。
コロナ禍は去る。
今では街には人が戻り飲食店にも人が入る。
酒屋も勢いを取り戻し、平穏に戻りつつある。
うなぎ屋のランチの価格はものによっては安くなっている。とはいえ客足は少し落ち着いたのかもしれない。ECもほどほどに販売されている。
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F氏は小規模ながら、念願の美容事業の準備をしている。
郊外店の方が客層もマッチするということで、うまく人脈開拓に勤しんでいる。うなぎ屋や酒屋部門からはフェードアウトを考えていることだろう。
激動のコロナ禍からやや穏やかな動き。
それほどまでにF氏の動きは傍目から見て印象的で激しかった。
したいと思うことをこれからは謳歌してもらいたい。
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ここまで見てくれてありがとう。
楽しんでもらえたら最高です。
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それでは、また。
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