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プロダーツ・サバイバル。

やぁ、いらっしゃい。いつも来てくれてありがとね。

作業用BGMってあるよね。
垂れ流しにしてる動画みたいなやつ。

やたら長いのを避けて、1時間くらいのを選んでる。
長いのにノレないのはやだからね。

でも終わりそうになると、次探すのが億劫。困ったもんだよ。


プロダーツ業界。


国内には現状約3,000人ほどのプロダーツプレイヤーがいる。

プロダーツ業界には2つの団体があり、そのいずれかの実技・筆記の両試験を突破する必要があり、合格すれば晴れてプロを名乗ることが出来るそう。

主に団体が主催するトーナメントなどの大会から賞金を獲得する。

もちろん、団体に所属したからと言って給与などはない。
むしろ年会費や登録費を支払いながら所属するなど、各選手の台所事情は基本的に厳しいよ。

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トッププロとなれば、年間数千万円にもなるが、低層のプロとなれば賞金ゼロ。バイト生活も余儀なくされる。なんてこともよくある話。

プロボクサーと同じく、プロこそ入り口。
勝負はそこからってことなんだね。

今回はそんなプロダーツプレイヤーのお話だよ。

バイト店員。


N氏はとあるダーツバーで働く、一店員の女性。

もともと大手テーマパークで働いていたり、ファストフード店で働いていたり、およそダーツとは無関係の人生を歩んでいた。

行き着いた先の知り合いがダーツバーを運営する社長さん。
入り口はそんなよくある話から始まる訳。

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ちなみにプロダーツテストは団体によっては、認証店と呼ばれるテスト会場を兼任した店舗を使用することがある。

それらの理由もあってか、ダーツバーにプロダーツプレイヤーが所属していることでプロ志望のジム用途で、集客もしやすくなる。

そもそも本格的にダーツに専念してトレーニングをしているという人材は稀なケース。売上の多数はお客さんや、その紹介。

N氏は勤めながらにして、いつしかプロを目指すことになる。

知名度アップ。


最近はテクノロジーが進歩していて素晴らしいね。

無名のN氏もプロダーツプレイヤーとしてデビューする為に、動画やSNSで顔を売ることに専念する。

バーでの仕事時間以外は撮影や画像などを作成。
合間に、ダーツの訓練も欠かさない。

不慣れ、かつ始めたてで全然増えない登録者。

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それでも何か自分で作り上げていくことで実感する感覚が、モチベーションを一層高めていく。

これまで具体的な何かを目標にするという生き方をしてこなかったN氏にとって、生きがいにも似た感覚で活動に取り組んでいく。

動画あるあるなんだろうけど、全然ダーツに関係ない「やってみた系」なども試みていて、やや黒歴史感などもあり。

愚直に取り組み続けること半年。
N氏は無事プロデビューを果たすことになる。

スポンサー獲得。


晴れてプロとなったN氏。

現時点ではただそれだけの人でしかない。
ダーツも実力的に。上手な素人に負けることもある。

そう考えるとプロとは…
と思うこともあるが、ただただ真ん中に命中させるだけがプロじゃない。

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勝負は長丁場になることもあり、根気と集中力。劣勢であっても折れないメンタルなどはプロとして欠かしてはならない要素。

1勝負カウントアップなどに限定すれば、アマがプロを下す事もザラにある。

それはそうと、いつまでもバー店員という訳にもいかないと考える。
異業種交流会の多くを渡り歩いて、色んな経営者と会うようになる。

若い女性で、元気もよく動画クリエイターという顔もあり、何社か余裕のある経営者が御祝儀的にスポンサーとして加盟してくれる例もチラホラ。

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年間契約で、月額5,000円。
トーナメントの試合で勝ち上がる度に更に5,000円という設定。

プロダーツプレイヤーの実力差は如実に分かれており、経験の浅いN氏はお世辞にも強いといえるほどでもなかった。

実践では、連戦連敗。
一回戦落ちの常連が日常…

スポンサーへの申し訳なさが募る。

挨拶イベント。


N氏は活動の傍ら、スポンサー企業へ訪問しダーツイベントを開催する。

持ち運び用のダーツセットで、仕事上がりの社員さんに個別指導を実践したり一緒に動画やSNS発信を相互に行うなど。

プロとしてはまだまだ実力もおぼつかないとはいえ、完全一般人からすれば持ち方やフォーム、姿勢などはプロのもの。

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素人さんと並べて見れば随分と差があるのは分かる。

あと、何だか教えるのがちょっと上手いというか、おだて上手な感じだね。
教えられた社員さんが、正しいフォームで投げられた時なんかに褒め殺し。

何だかんだ、社員さんとも打ち解けて楽しそうに和んだ空気が流れる。
営業の方が向いてんじゃないかなと。

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スポンサー企業でもあるし、立ち回りは難しいがよく思われてはおきたい。活動は形に残していきたいもの。

練習しながら、スポンサーに気を使い、知名度の拡散活動。
実力はともかく、徐々にプロらしい行動になっていくのが傍目から見て感じられる。

雇われ感覚とは違う、駆け出し経営者としての表情なのかもね。

これから。


N氏の活躍ステージはこれから。

試合も稀に一回戦を突破することもあるが、まだまだ序盤戦の常連プレイヤー。

単発の試合でも実力差がこれほどまでに出るもんなのかというくらいレベルが違うところにプロの領域にも大きな差があるのだろうと感じる。

スポンサーさんも、離れたり加わったり定着はまだまだしづらい。

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余裕のある企業さんが多いので、猫可愛がりで応援しているというのもあるが、本人は至ってマジな目線で戦っている。

結果がなかなかついてこないところに葛藤を覚えるN氏。
プロの世界は甘くないね。

徐々に引退していく、実力が足りなかったプロ達。
新たに上がってくるニューフェイスプロ達。

言ってる間に挟まれる立場に追い込まれていく。
その時、結果が出るかどうか。

N氏は葛藤の中で、孤独な戦いを続ける。

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