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認知向上と売上アップの違いとは。
お疲れ様、元気な姿が眩しいね。(?
今日は以前、お世話になった工務店さんのお話。
そんな昔の話ではないんだけど、いい時代を共に歩めた良い思い出。
隆盛と衰退を数年の間で体現したパワフルな会社。
記事にしながら考察していきたいところ。
出逢い
当時、我が社は新規のお客さんを獲得する為、定期的にセミナーを行っていた。
月に二回、企業・店舗向けに開催しており毎回20社前後が来てくれていた。
テーマはGoogle Maps。
現在はGoogleビジネスプロフィール、その当時だとマイビジネスと呼ばれていた。今だとMEO対策なんて呼ばれてもいるね。
要は、近くの人が店やサービスを調べる時、MEO枠に自店舗を滑り込ませるといったものだ。ちなみに今でも有用なサービスだと思う。
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そんなある時、代表のF氏が参加してくれていた。
正直、店舗系が強いと言われていたGoogle Mapsに工務店はどうだろう。
という印象もあったが、F氏は先見の明があった。
セミナーが終わり、さて個別質問で見込み作りだという時、F氏に直接話しかけられたのはよく覚えている。
すぐさまアポイントを取り、しっかり時間を取ってもらうことを取り付けた。
個人向け、法人向け。
F氏の会社は開業して、5年程。
俗に言う地域の工務店さん。といった感じだった。
工場のようなテナントに、中二階に小さな事務所。
一階は在庫や部材、車など雑多に積まれていた。
F氏は笑いながら、自分は学がなく現場で業績を積んできた。
だからこそ人より勉強をしないとついていけない。
と、よく言っていた。
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主な事業は入札関連で、公共工事や大きなマンション・ビルの改装だった。
ただ、進捗に時間がかかることと、F氏以外に担当を持てる人材がいなかった。
そこで、個人向けのお仕事を伸ばしたい。という話。
大きなものだと、リフォームや内装。
小さなものだと、水回り交換や雨樋修理など。
この頃から、結構内部リソースに問題があるなと感じるものがあった。
日本は大体年間100日、雨が降る。
F氏が激推ししていたのが、雨漏り修理だった。
日本は5~6月から8月にかけて梅雨シーズンに入る。
真夏には急な集中豪雨があり、9月以降には台風が発生する。
その為、広域で見ると天による屋根被害が何気に多い。
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そこで加入している火災保険を使って、修理費用を請求するという方法。
ただ、現在は火災保険は非常に査定が厳しいので過去の技術だが。
屋根の痛み、雨樋の破損、瓦の被害。
など、実際に調査をした上で根拠提示に力を入れて、顧客の保険請求をサポートする。
これが大当たりだった。
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元々、地場に特化したビジネスモデルだった為、知名度も悪くない。
Google Mapsで『屋根修理』『火災保険』などで調べると、頑張っているライバルも少ないため、結構な広範囲でトップを取れる。
雨が続けば、問い合わせはよく増えた。
バタバタと営業で忙しいF氏や営業部隊とはなかなかコンタクトが取れない時期も増えていた。結構なことだと当時は考える。
足元から崩れ落ちる。
F氏は少し怖いところもあるが基本はお人好しだ。
私と出会う前に雇っていたスタッフが複数抜けた際、結構な資金を持っていかれたなど、裏切られる事も経験している。
基本的に社内の人間を信用しすぎると苦労を負わされる。
と言って、外部のコンサルタントに話を聞いたりすることがあった。
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ある時、信用金庫とタッグを組んでとあるビジネスを構築していたそうだが、暗躍していたそのコンサルタントが飛んだことで頓挫した。
後から聞いた話では同業の妨害で、コンサルタントがお金で買収されたいった話だった。身近にそんな話を聞くのもなかなかな経験だ
私も信用していいのかと言われる事があったが、基本的に誠意をもって対応していたのとその時には付き合いもやや長くなっていたので、すぐに言葉を引っ込めていた記憶がある。
とはいえ、入札関係は相変わらず好調。
個人の雨漏りも、悪くない。
新規の提携はポシャったものの、会社自体の売上はかなり上がっていた。
大手の動きをしないと、大手には勝てない。
その頃から、F氏は大手思考の考え方だった。
それはそれで良い点もあるが、基本的に販促費を多くかけていた。
広告やウェブサイト、チラシやCMなど多方面に手をのばす。
ちょっと不安視はしていたものの、判断するのはF氏だ。
実際、我が社にも随分売上をもたらしてくれた。
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作業工数も沢山あって、ちょっとした空前バブルを味わえて楽しかった事を記憶している。
こういった勢いの加速が止まらない時、冷静になってしまうことがある。
ここが終了するという事のリスクも並行して考える。
そんなある時、連絡が入る。
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F『すいません、契約を終わらせたいのですが・・・』
契約開始と同時に、将来的の契約終了が確定する。
その逆算を間違えるとどえらい事になるな。
F氏の終了は読み筋。
あらかじめ準備をしていたので、そこは問題なかった。
結果的に、金額が徐々に下がりつつもF氏との付き合いは結構長かった。
終わりの事情。
F氏と話していたが、結果的に敗着だったのは結局のところ、
「人材教育」の一言に尽きる。
ちょいちょい新しい人が入社していたが、長続きしない。
問題ある人も多かったが、結構現場ミスでクビというパターンも多かった。
大手を目指して、販促など必死に取り組み売上は凄かった。
反面、増える現場に対して配置される担当の力量が追いつかない。
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内部リソースの充実について、改めて考えさせられる1件だった。
結局、F氏は徐々に個人向けを縮小し、入札案件に注力することで、難をしのいでいる。
元々、地場のお客さんからの紹介等で細々と回していく分には、食うに困ることはないだろう。
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紆余曲折があった数年でたどり着いたところが、現状回帰。
ギラついた表情は鳴りを潜めていたのが寂しい。
また、返り咲いた暁にはもう一度声をかけてもらいたい人物だ。
栄枯盛衰のお話だったが、きっと身近にそういう人っていると思う。
ぜひnoteの世界でも色々と出会っていきたいものだ。
スキ、フォローいつもありがとう。ここまで読んでくれたことに感謝。
それでは、また。
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