ビリヤニ・カレー。
やぁ、いらっしゃい。今日もいい感じかい?
まとまった時間で一気に仕事を終わらせる。
速やかに仕事を済ませるのは案外得意。
以前は超だるい案件とかもあって、刻み刻み休憩。
そのロスって結構大きかったんだろうなぁ。
スパイスカレー。
時々見かける本格カレー屋さん。
いやいや、超大型チェーン店のカレーも本格だよ。
ただそれとはまた毛色の違うというか。
家のカレーって言えばあれじゃん。
固形のルーを溶かすやつ。
玉ねぎ、人参、じゃがいも。
後はお肉。お湯を沸かしてルーを投入。
出来上がった家庭の味だよね。
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しかもルーも色んな会社が出してるし、
混ぜ合わせれば好みの味も無限に広がる。
微妙に差をつけることで、違う味が楽しめる。
それを拗らせたようなカレー屋さん。
今回はそんなスパイスカレー屋さんのお話だよ。
スパイスマニア。
M氏はとある郊外店のカレー屋を営む。
ほぼワンオペで、やや奥長い形状の店舗。
カウンター越しに作っている雰囲気も楽しめる。
ランチタイムはカレーメイン。
ディナータイムはお酒とインド料理。
料理には様々なスパイスが使用されている。
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数は特定しきれないけど、およそ500種類。
ハーブまで含めると1万を超える。
M氏もまた、筋金入りのスパイスマニア。
カウンターとキッチンの間には瓶に収まった
各種スパイスがずらりと並んでいる。
その事もあって、店内は不思議な匂いで立ち込める。
まさに色々入り混じったエスニックな店内。
そう言えば、内装もどこかインド臭さがあるね。
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M氏とはよく仕事をさせて頂く機会がある。
その際に嬉しそうに入荷したスパイスを嗅がせてくれる。
これがまた、くせーの多いんだよ。
この臭さがいい!とか言われても素人にはキツい。
ピンクカルダモン。
っていうスパイスはいい香りだったね。
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また、面白いのが色んな形。
葉っぱもあれば、茎もあるし実もある。
瓶に詰まってるから、各種の形状がよく分かる。
これらをどんな配分にしていくか。
ここがM氏の唸るところだね。
調理。
メインはインドカレー。
水は一切入れず、野菜から滲み出るものだけを使用。
特に破格に多いのが玉ねぎ。
ランチ時に合わせるため、朝早くから超絶大量の
玉ねぎを飴色になるまで火を入れる。
カット作業から大変さ。
その時間はスパイスに相まって、更に目に染みるだろね。
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実際、この玉ねぎ作業がメインと言ってもおかしくない。
諸説あるだろし、地域によって変わるのかもだけど、
インドってかなり玉ねぎが使われてるらしいね。
火を入れてると水分たくさん出てくるし、
カレーには最適な野菜。多少雑く切っても問題なし。
妙なこだわりを随所で発揮するM氏。
1人でひたすら皮むきから頑張り続ける。
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玉ねぎを容器に入れて、紐を引っ張るとみじん切り。
そんな便利器具を使ったらいいのに。って提案してもずっと手動。
職人さんだなぁ、なんて。
そんなに味に差が出るんだね、確かに繊維はズタズタになりそだけど。
飴色玉ねぎは超絶大量に仕込んで、タッパーに保存。
コレを多く置いておくことで後々楽になる。
絶対、時短を考えるべきだろう・・・と。
調合。
カレーに入れるスパイスはあらかじめ調合済。
そのシーンを見たことはないんだけど、
さっきの瓶の中のスパイスをあれこれと取り出す。
すりこぎにまとめて入れたスパイスをゴリゴリ。
粉状になるまで擦り続ける作業。
恐らくスパイスマニアのM氏はこの作業の時、
目を光らせながら集中していることが想像出来る。
なかなか危ない兄さんさ。笑
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このスパイスの配合が店の味。
基本は同じだけど、個人店。
毎日味に変化があるのは仕方ないね。
むしろ、それを含めてスパイスカレーの醍醐味。
恐らくオープン当時に比べて、随分味に差も出てることだろね。
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コーラとかも言えばスパイスの混ぜ合わせ。
色々と混ぜ込んだ独特なコーラも店頭で提供する。
コカ・コーラの味を連想することが多いと思うけど、
また違う独特な風味が楽しめたりする訳だね。
一瞬違和感は感じるけど、これはこれでやみつきに
なるって人もきっと少なくないのかも。
話に行くたびに微妙に違う味のコーラを出してくれる。
予約専用。
インドの伝統料理に「ビリヤニ」っていうものがある。
お祝いで作られる系。
基本メニューにはなく、作るのにかなり工程がいるそうな。
前日、欲を言えば前々日から予約をしてくれていると、
仕込みの問題上非常にありがたいとM氏は言う。
ネットで調べると、インド式パエリア?
って感じなのかな。
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玉ねぎの仕込みに追われ続けてるだけあって、
確かに違う単発メニューとなると時間も必要だね。
お祝いにこだわる必要もないけど、
案外何かしらのお祝いで常連さんが
予約してくれることもあるそう。
やっぱしこれもたくさんのスパイスが使われてるんだろね。
未だ現物はお見かけしたことがないけど、気になる。
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カレー屋さんという概念を覆すようなコース料理。
スパイスを使った料理って幅広くて奥が深い。
プロであり、マニアである人物に語らせるとまぢ止まんない。
そんな魅力をもつ不思議な調味料だね。
機会があればぜひといったところだよ。
これから。
M氏はどこかタイミングがあれば本場のインドに行きたい。
そんな想いがかなり強くある。
行くとなれば一ヶ月は留守にする。
相当な長旅を考える。
お店を運営していると、コレが難しい。
知り合って数年経つものの、見通しはまだ。
毎日のように玉ねぎを仕込むM氏。
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商売が決して上手ではないので、
昨今の材料費や光熱費の高騰に右往左往。
特に海外仕入れがメインのスパイスなんかは
ちょっと高くついてるだろね。
飲食店の企業努力はこれからも続く。
旅行がかなうその時を待つばかりだよ。
腱鞘炎には気をつけてと一言添えておこ。
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