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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2023年12月の記事一覧

詩「新しい年へ」

夢を見よう 希望を抱こう 「今の君は笑っているかい」 古い年は去り 新しい年が来る 君の瞳は何を映す 君は何を胸に抱く 古い年に感謝を告げた 君の脳裏には沢山のことが浮んだはずさ 選択の時 ありがとうとさようなら 去るもの 連れて行くもの さあ、新しい年へ 最初の一歩を踏み出す

詩「通り過ぎるもの」

年の瀬から切なさが加速する 『何故』 『呆然』 立ち止まり街行く人を見てしまう 「ああ…」と小さな声を漏らす 年の暮れと言われ心が焦る けれども切なさは加速したまま それどころか寒さに冷たい空気に触れたがる 妙な心地良さ 『変わってる』 多分通り過ぎるもののせい 2023年

詩「新しいこと」

新しいことを始めよう その言葉は胸躍る 忙しいと言い訳をした 気付けば日々は通り過ぎて 「また…」 独り言 気が逸れる 集中する 逸れて集中して その感覚が短くなる 焦っている 「そうかもしれない」 ふとカレンダーが目に入る 12月29日 「29日!」 「焦るな!」 新しい年はすぐそこ

詩「一石と波紋」

苦しむ 一石 一石が欲しいと嘆く のた打つ 己の中の静寂 静寂に牙を見せ だが逆に頭を抱える 鉛のようだ 泥沼に沈む 暗黒を呼び 動けない 人が動物としての動きしか出来ず 無言 叫び 抗い 生存を胸中の鼓動に頼る始末 生か 死か 欲望 一石のち波紋をくれ 創作を懐に頑なに 一石と波紋

詩「ぎくしゃく」

心がぎくしゃく 噛み合わない 動かない 停止 何も思い付かないと苛立ちを呼ぶ イライライライラ… 余計に動かない 重い、重い重い こうなってくると何が何だか分からない 辛いというよりも居心地が悪い 止まった心で考える 頭の中もぎくしゃく どうにもならない ギクシャク ぎくしゃく

詩「冬の夜空」

見上げてご覧 あの月 あの星々 ほら、夜空を雲が流れる 外の空気は氷のように冷たくて それでも触れたくて感じたくて あの空を見上げる 何かが心に響く それは冬の澄んだ空気のせい それとも厳しい寒さのせい 瞬きは空を見詰めた時間の感覚 冷えた手は心が洗われた数値 冬の夜空は美しい

詩「昨日と私」

昨日を見付けて 昨日を見詰めた 出来事が浮び 思いが湧く 「嫌なのよ」 そんな独り言 ふいと横を向く 気を逸らせて珈琲に逃げる マグカップは「暖かいわ」 そんなことを胸に抱いたら 昨日がぼやけた ぼやけた思いを掘り起こそうとした 呆れてしまう 頭から何かが抜ける 昨日が遠くに行く

詩「ジャンク」

僕のジャンク 壊れかけの頭 壊れかけの心 壊れかけの体 時々僕なんか消えて無くなれと思う 自身の否定と固定 街中に恒例の電飾 僕は一筋の風のようにすり抜ける 部屋に点る弱い灯りは暗闇には勝てない 薄暗さと窓から入る光 降り出した雪と静けさ 外の景色 「まあいいや」 今の僕も僕だ

詩「青空が一番」

ふと見上げた空は青かった 美しい青い空 空の青が眩しいなんて柄にもないことを思った 「青い空はいいね」と漏らし笑みが零れる 「やりますか」声に出して言う 空に元気を貰ったのだ 笑みが零れたまま俯くと現実が見える 口を結ぶ 暫し無言 周りの喧騒 もう一度空を見た 青空が一番だ

詩「言葉の輝き」

君の言葉の輝きは伝わる 君は知っているか 言葉は耳から全身に伝わり そして心が揺れるんだ とても心地良くね 君は考えたことがあるかい 言葉はね、君の輝きでもあるんだ 勿論、言葉そのものの輝きは大きいさ、いいや無限だね、そう僕は断言する そんな言葉を君は放つことが出来るんだ

詩「笑顔の向こう側」

人は生きている間に沢山笑う 可笑しくても笑う 釣られて笑う 時々、辛いけれど笑顔を作る 毎年人は、一つひとつと歳を取る すると上手に笑うんだ 上っ面でね 悲しい 淋しい 苦しい 辛い 泣きたい けれども笑うんだ 上手に笑う その笑顔は偽物か本物か どれも本物だ 笑顔の向こう側

詩「命は美しい」

君の命は美しい 君には分からないのかい だったら僕が伝えよう 命とはね、元来美しいものなんだ その輝きにはね、多くの生きものが魅了される 命とはそのような輝きを持つものなんだ けれども君、しょげていてはその命の輝きも鈍る まずは君が命の輝きを知り美しさを眺める そこからさ

詩「まだ泣ける」

『まだ泣ける』と思った 生きていれば辛いことや悲しいことがある 当たり前のことだ でも時にその当たり前が受け入れられない だから人は苦しむ 苦しいから泣けてくる 泣けてくるから泣く 時々それが出来なくなる だから『まだ泣ける』と認めたとき 人は泣ける 涙に少し温かさを感じて

詩「少しだけ」

今日は少しだけ話そうか 自分に言う 今日は少しだけ進もうか 自分の背中を押す 今日は少しだけ頑張ろうか 自分を励ます 少しでいい 迷わない 焦らない 挫けない 嗚呼、言葉を重くしたら台無しだ 軽くいこう 何も考えず 動ければそれでいい 「どうかな」 いい感じ 少し笑った 少しだけ