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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2023年1月の記事一覧

詩「無力」

自分が無力だと知る 落ち着かない 落ちる 落ちる所まで落ちる 感情が起伏を止め 闇が覆う静が訪れた イラつきを遠くへ押しやったような不快感 手が届かないところで悔しさが上下している 『もういいかい』 怒りは沸点 震えとニヤつき どうしようもない 『諦めろ』 その声、大きい 俺は無力だ

詩「俺は生き方を決める」

馬鹿だと斜に構え 愚かだとうそぶいて笑った 人生一度切り 「ああ、そうだ」 その通りだ そんなことは分かり切っている そして俺は俺なんだ 俺は振り返っただろうか 俺の本当の意味で、今まで生きて来たのだろうか 人生とは何だ 今こそ思考を止めるな 俺は 俺の生き方を決めた

詩「僕の見る空気の色」

物思いに耽る 考え事をする 唯ぼんやりとする 空気の色を見る ああ、今日は青みが掛かっているな 今日は赤が強調されてやしないか そうだな今日は、透明に近いが緑のような、いや、黄色みがある 空気に色を見てから、僕は考え始めるんだ 時々深呼吸をしてはまた色を見る 色は導き

詩「何もない僕」

何もない僕 心が空っぽなんだ 床に座り壁に背中をあずける 背中に壁の感触があるから僕は僕でいられるのだろう 顔を僅かに上げぼんやりと空を見詰める そこには何もない 僕は見詰めながら思う きっと何処かに繋がっている 空間を見詰める まだ何もない だから僕も空っぽなんだ 何もない

詩「僕のいない世界」

僕は時々考える 僕はどこから来たのか 皆は生まれて来たからここにいると言うけれど 何故、人は生まれて来るのだろう ここは何処なんだ そんなことを考える 僕のいない世界 想像する 僕はこの世界にいないんだ 皆が僕を見付けられない 少しわくわくする けれども膝を抱える僕がいる

詩「詩を書く人」

詩を書く 己の鼓動を聞く 意思は何処へ 魂の状態は 命の灯火は 感情は揺さぶられているか 何を差し出す 己の時間か 己の命か 内から叫び声を上げたら 書け 詩とは何だ 何だと自問を果てなく続け 魂が果てを探し求める 命の灯火は時間を知り 私を人という生きものだという 詩は私 私は命

詩「僕の夢」

僕は夢を見た 遠いところに行く夢だ 何故、遠いところに行くと分かるかって? 夢だからさ 僕は手をかざして辺りを見回すんだ そこには何もない 僕は途方に暮れる 泣きそうだ 立ち尽くしおろおろとして けれども足もとは見ない 僕は進むよ 『行こうか』僕は決意を口に出した 夢の中の話

詩「詩よ届け」

詩よ君に届け 僕は声が枯れるまで歌うよ 夢の詩を 愛の詩を 幸の詩を 詩を君に捧げる 僕は詩だ 詩のそれ 僕は詩そのものだ 君へ詩を綴るよ 僕は張り裂けてもいい 僕は空っぽになる 歌う 歌う 法則は僕の味方で 解放は君に夢中さ 歌う 詩を歌う 君が笑う迄歌うさ 僕が泣く迄歌うさ 詩よ

詩「孤独が戻って来た」

僕の所に孤独が戻って来た 昨日までは平気だった 毎日ルーティンを熟して 友達と会って笑い合った 久し振りに妹とも馬鹿話をした 楽しかったんだ 幸せだと感じた 嫌なことなんてない 多少の悩みはあっても深刻なものじゃない 僕はどうしたんだ 襲われた気分だ 淋しい 僕に灯りを

詩「私は詩を書くことを諦めました」

私は詩を書くことを諦めました 運命でしょうか 否 私の意思でしょうか 否 私の潜在意識でしょうか、或いは、集合意識でしょうか 否 私は筆を置きました 命を取られたような気がしました 私は魂に縋りました 無意識に身を抱えて 空っぽ 私は諦め切れません 愚かですか

詩「存在のための戦い」

ここは何処だ ここは何処だ 僕は存在しているのか 『ああ、存在している』 声が聞こえる 何のために 声は聞こえない 存在しなくてはいけないのか 『ああ、存在しているものは存在する』 何のために 返事はない 僕は己の存在のための戦いを仕掛けている 否、戦っている!! 最前線

詩「現実が踏み潰す無残」

現実が暴力を振るった 掲げる希望 掲げる夢 地に落ち 声も無く涙も無く灰と化すか 声を上げ拳を天に突き出し下ろす号泣 心が壊れるか 肢体が壊れるか 魂は何処へ 現実は虚構 虚構は現実 果てを見る裸眼 覗き見る深淵 孤高へと押し上げられる 鼓動の音のみ 現実が踏み潰す 無残

詩「混沌の螺旋」

見てくれ この美しい混沌を 見上げてくれ この美しくも儚い螺旋を 混沌は無秩序だ 混沌は矛盾だ しかしながら混沌は美だ 有であり 無であり 一定の法則の螺旋 絡み合う混沌 螺旋が舞い上がる そこに奏でる音楽があり そこに絡まる言葉がある 混沌の螺旋 この美しさが君に伝わるだろうか

詩「後になってから」

誰だって覚えがある 後になってから後悔するんだ 後悔が形になった 目の前にある それを見て 「嗚呼!!」 声を上げて嘆くんだ 何時だってそうだ 後になってから 頭を抱えて 自分自身がどす黒い塊になったように感じて、その場を動けずに 後悔する 後になってから 後になってから