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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2022年9月の記事一覧

詩「灰色の夢」

この世界は灰色なのか 良い事も悪い事も灰色 良い夢も悪い夢も灰色 何処まで進んでも世界は灰色だ 私の周りを見ても灰色 前後左右、近くを見ても遠くを見ても灰色 きっと何もかも灰色に染め上げているのだろう 「何のために?」 顕在意識は右へ倣え 潜在意識は立ち竦む 違和感 灰色の夢

詩「悪夢」

眠ること 横になる上を向く けれど気が付くと横向きになり固く縮こまる 閉じた目を開ける、震える 毛布の下の私 眠るのが怖い 明日目覚めるだろうか 今日見る夢は怖くないだろうか そんなことを考えている間に睡魔 私は眠りに就く きっと暗闇の中 きっと恐怖が襲い 私は悪夢にうなされる 悪夢

詩「挫折」

挫折 その言葉が頭に浮かんだときは苦い顔をしているだろう 悪いものではない むしろ救いであることもある けれどもここには己の誇りが掛かっているときもあり 脳裏に浮かんだときには「受け入れる」「受け入れない」と葛藤が生まれ 心情は複雑で難しくなるのだ 人はいらぬ苦悩を進んでする

詩「弱い心と強い心」

人はさ、弱い心と強い心の両方を持っているんだよ 片方だけじゃあ駄目なんだ 弱い心だけを持ち続けたら辛くて死んでしまうかもしれない 強い心だけを持ち続けたら頑張り過ぎて死んでしまうかもしれない 人はね、心と体を持っているけど、調和を取ろうとするよね 心もそれと同じさ

詩「詩人が星になったよ」

詩人が星になった きらきらと綺麗だよ 詩人の星が光りを瞬かせた あの子の心にきらきら届いたみたい 今度はこっちで光り瞬き 別のあの子は涙を流したよ 詩人の星たちは忙しいみたい きらきら ずっきゅん 光りが散らばった 「私も貰ったよ」 誰かが言った 嬉しいが散らばった

詩「自分のこと」

自分を愛すること 自分を肯定すること 自分を大事にすること 「あのね、それをさ、みんな簡単に言うよ」 ひねくれ出来ない自分が嫌いだ けれども子供のように構って欲しい 繰り返し考える 突然来る空白の時間 黙り込む チャンス到来 自分と自分 分かり合えるか 自分を抱きしめたい

詩「苛立ち」

漠然とした苛立ち程厄介なものはない 何故ならば、そこには原因となる獲物を捕らえ立ち向かう自分が居ないのだから そんな苛立ちを抱える 時間が刻々と過ぎ行く苦痛を感じ 立ち止まった自分を責め 情けない駄目な奴と項垂れる そして時間を気にするのだ 厄介だ 厄介だ 兎に角厄介だ 苛立ち

詩「焦り」

焦り イライラと落ち着かぬ状態 たまに何故このような状態が人に備わっているのかと僕は嘆く 怒りにも不安にも似て 衝動という突き動かしもあり しかし動けないのだ 漠然と形を成したような形の無いような塊が胸の内にあるだけ こいつは敵だ! 僕の脳は認識する しかしながら手強い敵なのだ

詩「出来ること」

人間は自分が出来ることを知り実感した時に 心から涙を流すことがある どこから来る思いか 何故、その流す涙が温かいのか 自分でも分からない そして頬を伝う涙がぽつりと床に落ちる頃 自分の内が温かいことと愛溢れること えも言われぬ喜びが溢れていることに気付く 何故なんだろうな

詩「目覚め」

得体の知れない何かが僕の内を襲う時 侘しさ淋しさ空しさと共鳴して 空虚から虚構へ 虚構から空虚へ 僕を揺さぶる ガクガク ブルブル 揺らされ分かったことは僕は空っぽ それでも体があるから 形を持った生きもの 息を吸う息を吐く 生きものの仕組みが空っぽの僕を呼び覚ます 僕が動き出す

詩「空っぽ」

空っぽて気付いたんだ 僕の心が空っぽなんだ 味を感じない 匂いを感じない 音が遠ざかる なんとなくそれに気付いた 見るものはみな映画みたいだ そこにあるのかな 誰かが呼ぶから返事をした 僕の名前だと思う 空っぽな僕 それでも僕は僕 きっとそうだ でも僕が僕を忘れたら 本当の空っぽだ

詩「楽しい心」

楽しいと思える心 僕が挫けそうな時に踏ん張れる心なんだ 失敗した 辛いよ 挫けそうだ もう嫌だ、駄目だ なり振り構わずに僕は弱音を吐くんだ けれどもその何かを続けたいという僕もいる そんな時に思い出す心なんだ もう少しで笑える 嬉しくなる 楽しいと言いたいんだ 僕は息を吸う吐く

詩「秋の夜長」

秋の夜長に空を見上げ月を仰ぎ見る 今日は有明の月 歌が浮かび 待ち人が浮かび 我ながら浪漫を秘め、言葉の神髄に触れているような気分だ そんな大層な心持ち 見上げる空はそんなちっぽけな私には触れずに 只、美しさを魅せ付けて 肌寒さも演出のようだ さて、この感動を胸に本を開こうか

詩「秋の気配」

秋の気配 残暑が過ぎ、行く風が少し冷えて 私の心は静かに高鳴る 腰を下ろし本を広げる頃にいつもより期待して お茶の用意は心が弾み 日は少し早くに沈む 黄昏時の侘しさは心を掴み、思慮深さを呼んで来る 秋に見上げる空と月 中秋の名月を目にする時、年の終盤を覚え 四季の尊さをみる