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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2022年7月の記事一覧

詩「生かすも殺すも」

生かすも殺すも 手の内胸の内 詩人は語る 詩人は綴る 言葉は生きもの 詩う者に言葉の命が掛かっているのだ 魂を呼べ詩人たち 命を与えよ詩人たち 綴った言葉が歌い出す 綴った言葉が輝き出す 届けよ求める者に 癒やせよ 勇気に励みに涙にと 言葉が繋ぐ 生という道々に言葉を咲かせ

詩「詩人は夢を見る」

詩人は夢を見る 人よりも長く 虚ろ空ろと微睡みの中 瞬きもゆるりと光を取り入れ夢を見る 閉じた瞼の先の想像、空想、夢想 思考の中では収まらずに魂まで呼び出す始末 心は仲裁に入り 否、理性が仲裁に入るのだ 詩人は夢を見る 時に個の中では収まらずに吹き出す 人々は巻き込まれ

詩「忘れたい忘れたくない」

あの日の想い出 忘れたい 忘れたくない 苦い事の後に あなたが愛をくれたから 人生最大の幸福が私に訪れるなんて思わなかった 苦い想い出だけを忘れたら あなたとの素敵な想い出だけ残るのかしら そんなことはない 忘れたい 忘れたくない どちらも大切な想い出に何時かなる

詩「表現者」

君は表現者になれ 魂から 心から 体からの発信 全てを使って表現する 「分からない? 具体的に話せ?」 そうだな、生まれて生きて来た全てを使え 「もっと分からない?」 命を表現に使え 「分からないことだらけだ」 そうか、それが表現なんだ 君が何かを創造し発現させた時 世界は変わる

詩「怖気付くな明日のために君のために」

怖気付くな 今はその時じゃない 一歩を下げるな 踏み出した一歩は間違いじゃない 君よ、立ち止まったこの一時で十分だ 堂々と行け 走り出せ 肯定は自信に 自信は勇気に 勇気は心を支える 君が積み重ねたものが花開く時だ 花開いた君は素晴らしい 君を見せ付けろ

詩「俯く心」

俯く心と出会った 今の私の心に出会った 『何故?』 私は元気だし 気持ちだって明るく持ってる 見せ掛けじゃない 空元気じゃない 何時だって私は…… そこまで言い掛けて、顔が俯いているのに気付いた 「バカ」 唇から言葉が漏れた 「疲れたね、休もうか」 そう言った私 少し笑みが零れた

詩「自分の心が許せるように」

許せない、許せない、許せない 最早、呪いの言葉のように自分を責め立てる 表情は鏡を見なくても分かる 歪んでいるか、情けないか、泣きそうな顔だ 自分のことはお見通しなんだ いつも罠のように引っかかってしまう感情がある 「どうして」と呟く 「許そう」心を引っ張る

詩「私の居る所」

孤独を感じた 今のそれは虚無にも似たものだった ここに私を慰めるものは無かった 何の感情も沸かず 時だけが刻まれる 時とは何だろうか 置き時計を視界の端に捉え思う 考えのない頭にふと浮かぶ 我に返ると思考 寂しいのか 切ないのか 哀しいのか 負の感情を探る けれども何も無い

詩「昨日の夢」

夢を見た それは恐ろしい夢だったと思う 意識から目覚めたような体が追い付かない、そんな目覚め 訳もなく怖いという感情が押し寄せる 起こした体に緊張が走り、次いで不安が押し寄せる 不安に顔を歪め、涙ぐんでハッと気付く 「もう大人なのに」そんな呟きが漏れる 夢が大人の孤独を誘い

詩「在りし日」

在りし日の記憶 余りにも鮮明な在りし日 胸の内で浮かぶ度に揺れる 騒めく 刺激して鼓動早鐘のごとく打つ 私の全身が脈打つそれになったような様子 身を屈め己を抱きしめる 時をも脈打ちそうな様子 顔に出る感情 一時の抵抗 諦め力が抜け身を投げ出す脱力 在りし日の力 毒にも薬にもなり

詩「ギラギラ」

太陽がギラギラ 燃える輝き 真夏 凄まじい熱量の迫力 人なぞ灰にしてしまいそうだ けれども魅力 両手をかざし見ようとするも直視叶わず 圧巻の存在 人の身に焼ける熱さ 身に付ける物軽く開放感 故に心は浮き足立つ 夏に備わったもののように本能も騒ぐ 欲望とやる気の構図 ギラギラが騒ぐ

詩「あるとない」

昨日は無くて 今日も無くて 否、今日は少しだけある 明日はある 繰り返しくりかえし 私たちは見えぬ何かを積み重ねる 進んですすんで後戻りが出来ない 人生てそんなもの そしてふと振り返ると 後悔するんだ 酷く傷付くんだ でも昨日はもう無い 立ち尽くす今日 それでも明日はあるから

詩「ありがとう」

君が僕にありがとうと言った 僕も君にありがとうを言った ふたり目を合わせ照れくさくて逸らす 君が「フフッ」と笑うから僕も笑う 続けて君が小声で「しあわせ」と言うもんだがら 不意の事に「僕もだよ!」と力が入った 即座に俯く また「フフッ」と笑う君 ふたり指を絡ませてからハグ

詩「休日の贅沢」

なんと心躍ることか この響き! 休日 休日の前夜はあれやこれやと計画を頭の中で巡らせ眠る 「嗚呼っ!」と気付けばお天道様は真上に 目覚めが絶叫に変わるとは思いも寄らず 「疲れていたんだな」と誤魔化し食事 「ええっ?!」と気付けば夕陽が輝き なんと、休日とは贅沢なんだ 泣く