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一四零の庭苑 1巻 完結

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2022年5月の記事一覧

詩「夢現」

この世は夢現 儚い幻 余りに短い人生だから 夢に夢みて流されて 気付けば何処まで来たのやら 人生の足を止めれば夢現 夢の中で 人の世で 迷い迷って落ちて行く 不安が疑心に 疑心が絶望に 絶望が心の闇へと押しやって 出るに出れずで膝抱え 稀に奇跡の光が差して 振り出し始めるも また人生

詩「君が嘘を吐いた」

君が嘘を吐いた 僕はぶわっと溢れる涙で君の顔が滲む 僕が嘘を吐いた 君はぷいと拗ねて横を向くと涙を堪えた 僕たちは嘘吐きだ 互いの嘘に傷付いて 「私たち、大人なのにね」 いつもはにかむ君の台詞でまた二人寄り添う これから二人は嘘を乗り越えて いつか素直に語れるように

詩「人生は短い」

胸を張れ 大手を振って歩け 人の一生など短い 大いに笑い 堂々と泣け 人はそのように生きるもの 人生は儚く 人生は短く 瞬く間に終わる そんな人の生を行く 事があろうがなかろうが 生きろ! この世に生まれた時には大泣きをして この世から去る時には大笑いをして逝こうじゃないか

詩「行方知れず」

私の大切にしていた気持ちを落としました どこで落としたのだろう 私は来た道を振り返りました けれども見当たりません 私は立ち尽くして悩みます その間にぼろぼろと泣けてきました 行方知れずの私の心 戻ろうか 進もうか 探そうか 諦めようか 人の気持ちは重いです 人生は重いです

詩「私の気持ちあなたの心」

「分かるよ」とあなたは言った 瞳は慈悲に満ちていた 余計に涙が溢れる私 腹立たしくて悔しくて、どうしようもない私 全身に力が入る その言葉が染み渡るほどに私の中で悪意の言葉が思い浮かぶ けれども優しいあなたの静かな微笑み 私の気持ちとあなたの心が共鳴した瞬間

詩「泣く時」

泣く時には泣け 泣きたい時には泣け 涙の雫があるうちに 大人も子供も関係ない 男も女も関係ない 皆、人間だ 泣くは人だからだ 嬉しくても悲しくても人は泣く それが人の有様だ 我慢? 時には必要なこともあるだろう 人は恥ずかしがり屋だから けれども泣くは正義 真実に泣け 大いに泣け

詩「私の幸せまであと一歩」

私の幸せまであと一歩 胸が高鳴った 体が熱くなる 鏡を見なくとも分かる、口角が上がっている (下手をするとニヤけている?) 何だろうね これはきっと 幸せまであと一歩なのだと思う きっとそのせい 声を出したい 無性に「ありがとう」を言いたい 微笑み私は空を見上げた

詩「詩人たちへ」

世をうたおうじゃないか 世に語ろうじゃないか 詩人たちよ、思うがままに羽ばたけ 使うは言葉、思いを飛ばすか 力になるか 支えになるか 共鳴するか 癒やすか 詩の魅力を見せ付けようじゃないか 詩の力を発揮しようじゃないか 詩人は生きている 人は生きている 詩は世に必要な事象だ

詩「人生の地図を書こう」

君へ 生まれて来てくれてありがとう さあ、君の人生の地図を書こう 君が独りで書く地図 時には家族と書き、友人と書き 一期一会で書いた道 どうだい 時には眺めてみないか そうだ 想い出に浸るのもいい 未来を描くのもいい 君、人生の地図は書けたかい さて、旅立とうか

詩「人生の壁」

人生の壁とは何だ 己の見えざる壁ということか 人生を歩む道の途中で立ち止まる 何だ 知らず知らずに足を止めてしまった 立ち止まった足には重みが増す ふと顔を上げれば先は見えず 目の前に立ち塞がる壁がある 悔しさが滲み出て 拳を痛いほど握り締め 見上げる 嗚呼、これが人生の壁か

詩「悲しみ」

悲しみに暮れる 胸の中が空っぽになるような感覚 背が屈み、両手が重なり胸を押さえていた 身が屈めば、頭の中で「苦しい」「辛い」と言う そんな状態でも本当を見ようとしない 私だけの本当の事 ここで涙の雫が落ちればと願う 「今じゃない」と心の声がする 葛藤 私は悲しみと共にいる

詩「感慨」

人の心の醍醐味かもしれない 人生を掛ける価値があるかもしれない そんな人の感情の一つ 心の様 心の反響 体の中に込み上げる熱 体の中に溢れてくる力のような 息が詰まるほどに胸が一杯になる 苦しくて 切なくて 温かい 涙 笑顔 感情が溢れ出す 時に幸せが溢れる 感慨 極上の一時を刻む

詩「空虚の夜」

窓から見た夕陽に 足を止め立ち尽くす 時計の音 潜んでいたような空しさの訪れ 部屋は、映画のワンシーンのように茜色に染まっていた 動けない やがて夜の帳が下り 空は星の煌めき 崩れしゃがみ込む 夜 空虚の訪れに 闇に紛れるように沈み行く 胸の内の何かに気付くと 膝を抱えた

詩「キラキラ光る」

キラキラ光るもの お月様、は少し違う? お星様 宝石 ガラスのビーズ そんな少女のような思いを胸に秘めて、夜空を見上げる 素敵な一時が始まる予感 「キラキラ光るもの、そうね、あとは…」 静かに弾む心と言葉、窓辺から離れてお茶を入れにゆく フフッとはにかむ キラキラ心も光る